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SDGs

SDGsとは?17の目標を2025年の現状とともにわかりやすく解説

「SDGs」という言葉はすっかり定着しましたが、「17の目標それぞれが何を指しているか」「2030年の期限まで残り数年、今どんな状況なのか」を説明できる人は意外と少ないものです。この記事では、SDGsの基本的な成り立ちから17の目標の内容、そして2025年時点での達成状況まで、ひとまとめにお伝えします。

SDGsとは「持続可能な開発目標」のこと

SDGsは “Sustainable Development Goals”(サステナブル・デベロップメント・ゴールズ)の略で、日本語では持続可能な開発目標と訳されます。読み方は「エス・ディー・ジーズ」。最後の “s” はGoals(複数形)のsなので、小文字表記が正式です。

2015年9月、ニューヨークで開かれた国連サミットに193の加盟国が集まり、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を全会一致で採択しました。SDGsはその中核として位置づけられ、17のゴール・169のターゲット・232の指標で構成されています。

SDGsの根底にある理念は「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)」。貧困・教育・気候変動など多岐にわたる課題を、社会・経済・環境の3つの軸で体系化しています。途上国だけの問題に見えるかもしれませんが、格差・温室効果ガス排出・廃棄物など先進国が直接かかわるテーマも多く含まれており、日本も主要な当事者の一国です。

SDGsが生まれた背景|MDGsから引き継いだ課題

SDGsには前身があります。2000年に採択された「ミレニアム開発目標(MDGs)」です。MDGsは主に途上国向けの目標で、2015年までの達成を目指しました。一定の成果は上がりましたが、格差の拡大や気候変動への対応など、先進国を含む全世界共通の枠組みが必要という反省から生まれたのがSDGsです。

SDGsはMDGsを引き継ぎつつ、企業・自治体・市民社会など多様なアクターが参加できる設計になっています。政府だけでなく民間企業・NGO・個人がそれぞれの立場で目標達成に向けて動けるよう、ゴールの射程が幅広く設定されているのが特徴です。

2025年時点の達成状況|「半数以上が未達成」の現実

国連の報告によれば、2030年のSDGs達成期限まで残り5年を切った2025年時点で、17の目標のうち順調に進捗しているものは全体の15〜17%程度にとどまるとされています。約半数の目標では進捗が停滞または逆行しており、特にコロナ禍後の貧困増加・気候変動の加速・紛争や食料危機が影響を与えています。

一方、再生可能エネルギーのコスト低下や女性の政治参画の改善など、部分的な前進も見られます。2025年は「SDGsサミット2023」のフォローアップとして各国が行動計画を更新する年にあたり、官民連携や革新的ファイナンスの議論が活発化しています。残り5年で加速できるかどうかが問われています。

17の目標|「社会」分野(目標1〜6)

まず、人が人らしく生きるための基盤に関する6つの目標を見ていきます。

目標1|貧困をなくそう

「あらゆる場所であらゆる形態の貧困を終わらせる」ことを掲げています。国際貧困ラインは2022年に改定され、現在は1日2.15ドル未満が新基準となっています(旧1.25ドルから段階的に見直し)。世界では依然として7億人以上が極度の貧困状態にあるとされ、特にサブサハラ・アフリカへの集中が深刻です。日本国内でも子どもの相対的貧困が社会課題として続いており、先進国も無関係ではありません。

目標2|飢餓をゼロに

食料の安定確保と持続可能な農業の推進を目指します。FAO(国連食糧農業機関)の報告では、2023年に慢性的な飢餓状態にある人口は約7億3,300万人にのぼるとされています。気候変動による農業生産への打撃や、農産物の価格高騰が事態を悪化させており、食料システム全体の転換が求められています。

目標3|すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢の人々の健康的な生活と福祉を確保する目標です。2030年までに妊産婦死亡率を出生10万人当たり70人未満にすること、新生児・子どもの予防可能な死亡をなくすこと等が定められています。コロナ禍は健康システムの脆弱性を世界規模で露わにし、ワクチンや医療へのアクセス格差という問題も改めて浮き彫りになりました。

目標4|質の高い教育をみんなに

包摂的で公平な教育と、生涯学習の機会促進を掲げています。ユネスコの推計によると、世界では2億4,400万人以上の子どもと青少年が学校に通えていないとされます。識字率の向上だけでなく、デジタルデバイドの解消や、女子・障害のある子どもへの教育機会の平等化も引き続き重要な課題です。

目標5|ジェンダー平等を実現しよう

女性・女児に対するあらゆる差別と暴力の撤廃、政治・経済への参画機会の確保を目標とします。世界経済フォーラムの「グローバル・ジェンダーギャップ報告書2024」では、完全な男女平等の実現には世界平均でなお約134年かかると試算されており、特に経済・政治分野での格差解消が課題です。日本の順位は146カ国中118位(2024年)と低水準にとどまっています。

目標6|安全な水とトイレを世界中に

安全な飲料水と衛生設備へのアクセスを普遍的に確保する目標です。ユニセフとWHOの合同報告によると、2022年時点で安全に管理された飲料水を利用できない人は約22億人、安全なトイレを持たない人は約35億人にのぼります。水資源の枯渇と汚染、都市部への人口集中も課題となっています。

17の目標|「経済」分野(目標7〜12)

続いて、エネルギー・雇用・産業・格差是正など、持続可能な経済活動に関わる6つの目標です。

目標7|エネルギーをみんなにそしてクリーンに

手頃で信頼できるクリーンエネルギーへの普遍的なアクセスを目指します。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、2023年時点で世界の再生可能エネルギーの発電容量は初めて3テラワットを超えました。一方で、電力にアクセスできない人は依然として7億人以上おり、エネルギー貧困の解消も急務です。

目標8|働きがいも経済成長も

持続的な経済成長と完全雇用、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進します。国際労働機関(ILO)によると、世界の児童労働者数は1億6,000万人(2020年時点)に達しており、コロナ禍以降に増加に転じています。日本でも、非正規雇用の格差縮小やメンタルヘルス対策が引き続き課題です。

目標9|産業と技術革新の基盤をつくろう

強靱なインフラ整備と包摂的な工業化、技術革新の拡大を掲げています。デジタルインフラの整備状況は地域格差が大きく、アフリカや南アジアでは携帯ブロードバンドへのアクセスが依然限られています。GX(グリーントランスフォーメーション)やAIを活用した産業転換も、この目標が対象とするフロンティアです。

目標10|人や国の不平等をなくそう

国内および国家間の格差を是正する目標です。世界全体で見ると、上位1%の富裕層が世界の富の約43%を保有している一方(オックスファム2024年報告)、下位半数の50億人が保有する富は約1%にすぎないとされます。移民・難民への差別撤廃や、途上国が国際的なルール策定に参加できる機会の拡大も含まれます。

目標11|住み続けられるまちづくりを

安全で強靱かつ持続可能な都市づくりを推進します。国連の推計では、2050年までに世界人口の約68%が都市部に居住するとされており、スラムの改善や気候変動に強いインフラ整備、文化遺産の保護が課題です。日本では人口減少に伴うコンパクトシティ化や、防災・減災まちづくりへの投資が加速しています。

目標12|つくる責任つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する目標です。日本では食品ロスが年間約472万トン(農林水産省・2023年度推計)発生しており、事業者だけでなく消費者の行動変容も重要です。企業によるサステナビリティ情報の開示義務化も世界規模で進んでおり、ESG投資との連動が深まっています。

17の目標|「環境」分野(目標13〜15)

地球規模の環境問題に正面から向き合う3つの目標です。気候・海洋・陸地という地球の三大生態系を守ることが柱となっています。

目標13|気候変動に具体的な対策を

気候変動とその影響への緊急対策を呼びかける目標です。WMO(世界気象機関)によると、2024年は観測史上最も暑い年となり、世界平均気温は産業革命前比で約1.54℃上昇したと報告されています。パリ協定が定める「1.5℃目標」の維持が現実的な瀬戸際に来ており、各国の排出削減目標(NDC)の大幅な引き上げが求められています。

目標14|海の豊かさを守ろう

海洋と海洋資源の保全・持続可能な利用を目指します。海洋プラスチックごみは毎年800万トン以上が新たに流入しているとされており、マイクロプラスチックが生態系に与える影響も深刻化しています。2023年には国連で「海洋条約(BBNJ協定)」が採択され、公海の海洋保護区設定に向けた国際的な枠組みが整い始めました。

目標15|陸の豊かさも守ろう

陸域生態系の保護・回復・持続可能な利用を推進します。IPBESの評価によると、世界で約100万種の動植物が絶滅の危機に瀕しているとされます。2022年にカナダ・モントリオールで採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」では、2030年までに陸と海の30%を保護区とする「30by30」目標が掲げられ、日本も国家戦略に組み込んでいます。

17の目標|「枠組み」分野(目標16〜17)

最後の2つは、社会・経済・環境の課題を解決するための「土台」となる目標です。

目標16|平和と公正をすべての人に

平和で包摂的な社会を推進し、あらゆる人が司法にアクセスできる制度の構築を目指します。ウクライナ・ガザをはじめとする武力紛争、権威主義的統治の拡大、フェイクニュースの拡散など、平和と民主主義を取り巻く環境は2020年代に入って悪化しています。汚職や非透明な意思決定の排除、子どもへの暴力の撲滅も重要なターゲットです。

目標17|パートナーシップで目標を達成しよう

SDGs全体を実施するための「実施手段」を強化し、グローバルなパートナーシップを活性化する目標です。途上国への政府開発援助(ODA)の増加、貿易・技術移転の促進、データや指標の整備が含まれます。民間資金をいかに持続可能な開発に向けるか——いわゆる「SDGsファイナンス」の議論が国際的に加速しており、ESG投資や社会的インパクト投資との連携が重要性を増しています。

SDGsと企業・個人の関わり方

SDGsは国家間の約束事でありながら、企業や個人の行動とも深くつながっています。

企業においては、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点が投資家評価の基準として定着し、サステナビリティ報告書や統合報告書でSDGsへの貢献を開示する動きが加速しています。2023年にISSBがサステナビリティ開示基準を公表したことで、非財務情報の開示はより標準化・義務化の方向に進んでいます。

個人としては、「17の目標を全部達成しなければ」と考える必要はありません。まず自分の暮らしや仕事に最も近い目標(食品ロスを減らす・フェアトレード商品を選ぶ・投票に行く など)から具体的に動いてみることが、SDGsを「言葉の話」で終わらせない第一歩です。

まとめ|2030年まで残り5年、今できることを

SDGsは2030年を期限とした17の目標で構成され、「誰一人取り残さない」世界を実現するための国際的な羅針盤です。達成状況は全体として遅れており、気候変動・格差・紛争など複合的な課題が進捗を妨げています。しかし再生可能エネルギーの普及や生物多様性の国際枠組み採択など、前進している分野もあります。

この記事で押さえておきたいポイントを整理します。

  • SDGsは2015年に国連全会一致で採択された「持続可能な開発目標」で、17ゴール・169ターゲットで構成される
  • 2025年時点で順調に進んでいる目標は全体の15〜17%程度にとどまり、残り5年での加速が急務
  • 目標1〜6は社会、7〜12は経済、13〜15は環境、16〜17は平和・パートナーシップという4分野に整理できる
  • 企業はESG開示・投資と連動してSDGsへの貢献を報告する流れが世界標準になりつつある
  • 個人も食品ロス削減・エシカル消費・選挙参加など日常の選択肢からSDGsに参加できる

17の目標すべてに一度に取り組む必要はありません。自分の生活や仕事に一番近い目標を1つ選んで、今週から具体的に何か1つ変えてみてください。

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