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働きがいも経済成長も

SDGsの目標8「働きがいも経済成長も」とは?概要や取り組みをご紹介

2015年の国連サミットにて採択された「持続可能な開発目標」(SDGs:Sustainable Development Goals)は、2030年までによりよい世界を目指すことを決めた国際目標です。

17個の目標が掲げられましたが、今回はその中の目標8「働きがいも経済成長もについて、ご紹介していきます。

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」とは

SDGs目標8番「働きがいも経済成長も」とは

今までの私たちは、経済成長を進めることに猛進した結果、働いている人やその環境を顧みずに走り続けてきてしまったという苦い過去を持っています。

生産活動や経済活動を進めることだけに注力したことで、世界のあちこちでは自然破壊が進み、さらには非人道的な環境下で働かされている人が出ています。

その反省を踏まえて、目標8番において大切にされていることは、大きく分けて2つ。

  • 持続的な経済成長を進めていく
  • すべての人が働きがいのある仕事をしていく

「経済成長も」もちろん大切だけど、同時に「働きがいも」大切にしていこうというのが、目標8番です。

「働きがいも経済成長も」の概要

SDGs目標8には「働きがいも経済成長も」というキャッチフレーズがついていますが、具体的には包摂的かつ持続可能な経済成⻑及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用 (ディーセント・ワーク)を促進する」というテーマが設けられています。

ディーセントワークとは

目標8番の中に掲げられている「ディーセントワーク」とは、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか?

この言葉が初めて登場したのは1999年に開かれた国際労働機関(ILO)の会議にて、ファン・ソマビア局長が言及したことがきっかけでした。それから20年以上経ちますが、私たち日本人にはまだ聞きなれないカタカナ語というのが正直なところです。これから少しずつ定着していくことでしょう。

「ディーセントワーク」とは働きがいのある人間らしい働き方という意味で使われます。日本においては、厚生労働省が下記の4点がキーポイントと定義しています。

  • 働く機会があり、生計に足る収入が得られること
  • 働く上での権利が確保され、発言が行いやすく、それが認められること
  • 家庭と仕事の両立ができ、安全な職場環境や雇用保険・医療・年金制度などの社会保障が確保されていて、自己研鑽もできること
  • 公正な扱い、男女平等な扱いを受けること

参照元:厚生労働省公式ホームページ|ディーセントワークと企業経営に関する調査研究事業

仕事があることはもちろんですが、働くにあたって発言の権利が守られていたり、社会保障で守られていたり、誰でも平等に扱われるべきということが、日本では定められています。

SDGs目標8のターゲットとは

SDGs目標8「働きがいも経済成長も」においては、全部で12個のターゲットが定められています

  1. 各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ。
  2. 高付加価値セクターや労働集約型セクターに重点を置くことなどにより、多様化、技術向上及びイノベーションを通じた高いレベルの経済生産性を達成する。
  3. 生産活動や適切な雇用創出、起業、創造性及びイノベーションを支援する開発重視型の政策を促進するとともに、金融サービスへのアクセス改善などを通じて中小零細企業の設立や成長を奨励する。
  4. 2030年までに、世界の消費と生産における資源効率を漸進的に改善させ、先進国主導の下、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組みに従い、経済成長と環境悪化の分断を図る。
  5. 2030年までに、若者や障害者を含む全ての男性及び女性の、完全かつ生産的な雇用及び働きがいのある人間らしい仕事、並びに同一労働同一賃金を達成する。
  6. 2020年までに、就労、就学及び職業訓練のいずれも行っていない若者の割合を大幅に減らす。
  7. 強制労働を根絶し、現代の奴隷制、人身売買を終らせるための緊急かつ効果的な措置の実施、最悪な形態の児童労働の禁止及び撲滅を確保する。2025年までに児童兵士の募集と使用を含むあらゆる形態の児童労働を撲滅する。
  8. 移住労働者、特に女性の移住労働者や不安定な雇用状態にある労働者など、全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進する。
  9. 2030年までに、雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業を促進するための政策を立案し実施する。
  10. 国内の金融機関の能力を強化し、全ての人々の銀行取引、保険及び金融サービスへのアクセスを促進・拡大する。
  11. 後発開発途上国への貿易関連技術支援のための拡大統合フレームワーク(EIF)などを通じた支援を含む、開発途上国、特に後発開発途上国に対する貿易のための援助を拡大する。
  12. 2020年までに、若年雇用のための世界的戦略及び国際労働機関(ILO)の仕事に関する世界協定の実施を展開・運用化する。

参照元:総務省公式ホームページ|2019年8月仮訳

世界や日本における現状

世界や日本における現状

2015年に採択されたSDGs目標。そこから各種取り組みは進んでいますが、世界や日本における職場環境事情は、相変わらず苦しい状況が続いています。

高い失業率

2008年のリーマンショックの大打撃を受けてから、少しずつ改善していた世界の失業率は、2018年まで改善を続け5.0%レベルまで減っていました。このまま2年ほどは安定するのではと予想されていた矢先、2020年の新型コロナウィルス(COVID-19)のパンデミックを受け、再度悪化の道をたどっています

強制労働・児童労働

「失業者」ではないからと言って、幸せな働き方をしているとは限りません。暮らせるレベルの必要最低限レベルの賃金に満たない中で強制労働をさせられていたり、15歳以下の子供を働かせているというケースは、世界中で珍しいことではありません。

特に児童労働に関しては、新型コロナウィルス(COVID-19)の影響が大きく20年間続いていた減少傾向が右肩上がりに転じ、2022年末には1億6900億人まで増える見通しと、UNICEFが発表したばかりです。

参照元:UNICEF公式ホームページ:Child labour rises to 160 million

経済状況の悪化に伴って、非正規での雇用も増えると予想されていて、目標とされる全国民のディセントワーク(働きがいのある人間らしい働き方)は、ますます遠のくと予想されます。

ジェンダーギャップ

「男女平等」というフレーズは、すでに数十年間聞き続けているので、日本人にも馴染みがある言葉ではあります。一方で、実際の現場がどうなっているかは別の話です。

日本だけでなく、世界では圧倒的に男性の労働力の方が強く、まだまだ文化背景的に「女性は家の仕事をするもの」「女の子は家事手伝い」といった風潮が強い地域も沢山あります。

さらに、昨今日本では話題になることが増えてきたとはいえ、性的少数者(LGBT)への理解も浸透していません。地域によっては激しい差別や弾圧にあうケースも残っており、まだまだ理解と受け入る体制が整っていないと言えるでしょう。

年齢や性別、性のアイデンティティなどに関わらず、全員を平等とすることをSDGs目標8番は掲げていますが、商慣習だけでなく、文化的背景にも紐づいているため、まだまだ時間がかかることでしょう

世界や日本で行われている取り組みとは

世界や日本で行われている取り組みとは

2015年のSDGs目標の採択を受けて、具体的には8番の「働きがいも経済成長も」に向けて、どのような取り組みが進んでいるのでしょうか。

発展途上国における取り組み

発展途上国においては、経済を発展させるところからアプローチが必要です道路や電気、水などのインフラを整えることが経済成長に繋がり、他の経済活動がしやすい環境へと繋がっていくからです。各国政府や企業が資金・技術提供を通じて、発展の底上げのサポートを行っています。

このような地域では、経済成長に注力するあまり、労働環境の整備や、ルール作りなどが後手に回っているケースが散見されます。文化的背景からジェンダーギャップも極めて大きいことが多く、雇用条件などの制度作りも大切となります。

先進国における取り組み

先進国においては、すでに労働にまつわる法律ができていたり、制度は整っていることが多いですが、実際に「ディーセントワーク」に繋がっているかというと、必ずしもそうではありません。

相変わらず日本は世界の中でも「残業が多い国」として有名ですし、子育てや介護との両立に苦しむ人もますます増えています。政府や企業が「ワークライフバランス」を掲げて労働時間の目標時間を設定したり、フレックス制度やリモートワークを駆使した新しい働き方を模索している最中と言えるでしょう

全世界でディーセントワークが当たり前になる日に向けて

全世界でディーセントワークが当たり前になる日に向けて

経済の発展に集中するあまり、その周りで働いている人や環境のことを蔑ろにしてきたことを反省し、SDGs目標8番「働きがいも経済成長も」が掲げられました。目標達成のために、クリアしなければいけない課題は、全世界に広がっているため、考えるだけで圧倒されてしまうというのが正直なところかもしれませんが、私たち個人にもできることがあります

  • 世界の労働状況に目を向けること
  • SDGs目標を掲げる企業の商品を購入すること

まずはこの問題を理解するところから始まります。そして、例えば原材料を適切な価格で現地農家から買っているフェアトレード商品であったり、現地の工場の労働状況を日々改善している企業の商品などを、意識して探してみましょう。もしかすると近くのお店で買うよりも値段が張るかもしれませんが、それが現場で働いている人をサポートすることになります。

一個人の小さな消費意識を変えることで、商品やサービスを提供している企業側も「全社員のディーセントワーク」への意識や取り組みを無視できないものとなっていき、ひいてはSDGs目標8の達成に向かって動き出すことに繋がります。

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