人類を含む様々な生き物の生命を維持させている森が、現在消滅の危機にあります。
地球の森林面積のトータルが約40憶ヘクタールです。
そのうちの330万ヘクタール、イメージとして東京ドーム約70万個もの面積の森林が年々消滅し多くの生物が絶滅の危機に立たされています。
また、国際連合食糧農業機関より「100年後には森林はすべてなくなる」という発表もありました。
豊かな森は豊富な水を貯え、きれいな空気や土地を作り、たくさんの生き物の住処になります。
森林の減少だけでなく、密猟によって保護しなければならない動物や植物が絶滅してしまうという危険もあります。
実は、人類も森林や森林に住む生物たちによって生かされているのです。
SDGsでも目標15「陸の豊かさも守ろう」という9個のターゲットから成る目標が設定されていて、豊かな森や動植物を守っていこうという動きが出てきています。
今回は、SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の概要やターゲット、日本や世界での取り組み内容についてまとめてご紹介します。
そもそもSDGsとは?
SDGsとは、持続可能な開発目標として、Sustainable Development Goalsの頭文字をとって名付けられました。
2015年の国連サミットでは、加盟国の完全一致で採択されましたことでも知られています。
簡潔に言うと、2030年までに海や陸や空気などを大切にして、経済の発展も目指したうえで全ての人々が、より良い暮らしをしていくことができる世界にしていくという国際的な目標です。
その為の17のゴールと169のターゲットから構成されていて、コンセプトは地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」とされています。
企業やメディアでよく耳にしたり目にしたりする機会が増えましたが、なんとなく自分事としては考えていないという方も多いのが事実。
SDGsが無関係な人はこの世にいません。
まずは、少しでも意識して情報を収集していくことが重要になります。
参照元:外務省|SDGsとは
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の概要とは?
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の概要は、陸の豊かな土や緑を守りながら生物多様性を実現していけるように、大切にしていこうということを目標にしています。
生物多様性とは、すべての生物は単体では生きていくことができず、食べたり食べられたりと食物連鎖を行い、お互いに支え合って生きていることです。
生物多様性を実現していくことは、陸の豊かさを守っていくことが不可欠なのです。
むやみに森林を伐採したり、地球温暖化などの異常気象等私たちがしてきたことによって森林がどんどんなくなり各地の砂漠化も深刻化しました。
国連主催会合でも、既に動植物100万種が絶滅危機にあると発表されています。
人間も地球上の生物の一部にしかすぎず、今一度すべての生物が住みよい地球にしていくことが最重要課題です。
参照元:BBC NEWS|人類のせいで「動植物100万種が絶滅危機」=国連主催会合
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」のターゲットと実現方法は?
SDGs目標14「陸の豊かさも守ろう」は細かい目標に分かれていて、それをターゲットと言います。
ターゲットは全部で9個に分かれていれ、達成するための方法も定められています。
内容は、世界の森林や山地など、そこに住む生物の生態系をしっかりと管理・回復し、健全に保ち継続可能にさせていくことです。
これ以上、絶滅動物を増やさないよう密猟を禁止したり、外来種の侵入を防いだり、コミュニティーを強化して発展途上国も継続的に森林を管理できるようにするということなども設定されています。
参照元:UNICEF SDGs CLUB|15.陸の豊かさも守ろう
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の取り組み例
国内外ではどのようなSDGs目標14「陸の豊かさも守ろう」の取り組みが行われているかをまとめました。
事例(1)
「ブラザーインターナショナル」による各地の人々を巻き込んだ森林保護活動
2000年から始まるブラザーインターナショナルと環境保全団体アーバーディ財団とのコラボ活動でこれまでに、10万本以上の植樹を行ってきました。
従業員が自ら自分たちのビジネスを行うことで、どんな影響が地球環境にあるのかを考えて、環境活動や環境教育を行い、その一環として、アメリカの12拠点を中心とした森林保護活動を開始しました。
その他にもアースデイのイベントなどを通して、従業員の家族や地元の人々を巻き込んだ清掃活動や自然保護を行ったりもしています。
植樹をすることは土を健全に保ち、二酸化炭素を吸収することができるため、地球温暖化の防止や動植物の住居を作ったりと環境にやさしい循環を作ることができます。
また、子どもたちが参加しやすい活動でもあり、自然に触れるいい機会にもなるので環境教育にも適しています。
誰かにやらされるのではなく、自分たちで気づき行動したからこそ継続している活動の一例です。
事例(2)
各自治体による世界規模の地球温暖化対策コンテスト「ワンプラネット・シティチャレンジ」
2011年からスタートした国際的環境保全団体WWFが主催している各自治体による地球温暖化対策のコンテストです。
これまで5大陸21ヵ国328自治体が参加していて、各自治体が計画した地球温暖化対策を科学的視点を持ち様々な要素を含めながら審査します。
選出された優秀自治体は表彰セレモニーや国際会議、SNSでの発信などをとおして、認知の拡大と専門家のアドバイスやフィードバックを受けることができます。
日本も2017-18期のコンテストから参加可能になり、東京都と横浜市が参加し横浜市が国内優秀自治体に選ばれました。
また、ファイナリストに選ばれた自治体は、コンテスト同時開催の「WE LOVE CITIES」というキャンペーンが開催され、最優秀都市は市民のウェブ投票によりきまります。
さらにSNSでハッシュタグを使って、自身の考えや自治体へのコメントを表明することで応援したい自治体をサポートすることもできます。
参照元:WWF|世界の自治体が参加!温暖化対策の国際コンテスト「OPCC」が開催
参照元:WWF|WE LOVE CITIES
事例(3)
サービスを使えば使うほど森の苗木が増えるビジネスモデル「Sustainability eco Society」
高度経済成長や暮らしの豊かさと反比例してきてしまったのが環境や資源の豊かさです。
その課題に向き合ったのがエコシステムの開発やITコンサルティング、SEOにこだわらないサステナブルな情報発信を行っている「freewill」です。
freewillが展開するサービスを利用することで、森の苗木が増えるシステムと連携しているため自動的に森林保全に関わることができます。
また、今年の秋には社会や地球環境について配慮し、作られたもののみを扱うECサイトをオープン予定です。
ECサイトでは、商品を販売する企業や団体、個人が社会や地球環境についてどんな考えがあり、どんな活動をして、どうやって商品を販売しているのかといったストーリーを伝えていくということに重きを置いています。
消費者が商品の背景や込められている想いを知っていくことで、消費者自身の社会や環境への関わり方も変化できるような画期的なECサイトだと感じています。
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」のために私たちができること
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」のために、私たちが個人でできることは限界があるかもしれません。
しかし、SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」目標を達成するために活動している企業や団体がたくさんいます。
わたしたちも消費者として、どんな企業の製品を購入するか選択はできますし、植樹など森林を守っていくイベントに参加してみたりするのもありだと思います。
まとめ
SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の概要やターゲット、取り組み例について、お伝えしましたがいかがでしたでしょうか?
世界の森林やそこに住む動植物が危機的状況にあることは変わりないのですが、現状と解決方法を知っていき、行動に移していくことで、少しずつ自然環境も便利な暮らしも守っていける明るい未来になっていくと考えています。
まずは、どれかひとつでも、ご自身のできそうなことから始めてみていただけたら嬉しいです。
以上、SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の概要、ターゲット、取り組みについてご紹介しました。