「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」をパーパスに掲げ、就職や生活に関する情報発信を行う株式会社マイナビ(以下、マイナビ)。サステナビリティ推進部ではESGはもちろん、これから社会に出る中学生に向け、ひとつでも多くの職業を伝えることを目的にキャリア教育に取り組んでいます。今回はそんなマイナビの取り組みについて、昨今授業でもSDGs教育が盛んに行われる高校生や大学生に伝えるべく、MIRASUS編集部がお話を聞きました。
<プロフィール>
株式会社マイナビ
サステナビリティ・トランスフォーメーション推進室 サステナビリティ推進部
部長 大仲美幸 様 (左)
サステナビリティ・トランスフォーメーション推進室 サステナビリティ推進部 企画推進1課
課長 今井普彦 様 (右)
サステナビリティ・トランスフォーメーション推進室 サステナビリティ推進部 企画推進1課
古城結佳菜 様 (中央)
マイナビが行う中学生向けのキャリア教育
──サステナビリティ・トランスフォーメーション推進室 サステナビリティ推進部の設立時期と経緯、現在の体制を教えてください。
大仲美幸様(以下、大仲様):サステナビリティ・トランスフォーメーション推進室 サステナビリティ推進部は、弊社が従業員数1万人を超える規模となり、環境や社会課題への取り組みを本格的に進める必要があるという認識から2024年1月に設立しました。部長の私と男性2名、女性2名の5名体制で仕事をしています。推進室が立ち上がる3~4年前から、コーポレート部門のメンバーが集まり、SDGsプロジェクトとして活動を行っていましたが、50周年を迎えたことを機に、これまでの取り組みをより組織的かつ継続的に推進していくために正式に設立されました。
──サステナビリティ推進部では、どのようなお仕事をされているのでしょうか?
古城結佳菜様(以下、古城様):主にESG対応とキャリア教育です。私は中学生に向けたキャリア教育を担当し、全国の中学生に向けて、「そもそもキャリアとは何か?」を伝える取り組みを行っています。将来の仕事を考える際に、知っている職業からしか選ぶことができないという現実があります。そこで、ひとつでも多くの職業を知ることで、彼ら彼女らの選択肢が広がればと考えています。実際の活動としては、私たちが中学校に出向いて50分2コマの授業を行います。1時間目は、カードゲームを使った授業。世の中には17,000以上の職業があると言われているので、カードを使って自分がどんな職業や業種に興味があるかを考えるきっかけを作ります。2時間目は、ワークシートを使いながら学びを振り返り、より深く職業について考える時間を設けています。
弊社は全国に支社があるので、中学校がある地域の社員と一緒に訪問し、授業の中ではその地域に合わせた具体的な職業について話します。現在、47都道府県制覇を目指し、すでに北海道から熊本まで行っているのですが、例えば北海道と熊本ではその土地にある職業が違います。すべての学校で同じ事例を使うのではなく、地域にある仕事について話すことで、自分が住んでいる地域にもまだ知らない職業があることや知っている職業も改めて興味を持ってもらえればと考えています。2024年度は43校で実施し、2025年度は60校の訪問を予定しています。
今井普彦様(以下、今井様):キャリア教育への取り組みの始まりは、弊社が50周年を迎えた2023年にスタートいたしました。社会と共生する活動を行うという意味で、弊社の強みである人材と、幅広い職業に関する知見を持っていること、そして全国に支社があることから中学生向けの出張授業を行うことが決まりました。中学校を取り巻く環境として、2000年頃からからキャリア教育が普及したのですが、コロナ禍で、職場体験が急激に減ってしまいました。コロナ禍を経て、オンラインでのキャリア教育は増えましたが、対面で行う出張授業は減少したままです。そんな中、当社が行っている対面での出張授業は学校のニーズともマッチし、幅広い学校から受け入れられています。
──2024年12月に修学旅行で東京に来た新潟の中学生向けに授業を行ったということですが、これはどの様な取り組みでしょうか?
大仲様:これは弊社のキャリア教育とは別で、大手旅行会社が実施している企業訪問プログラムの一環で、修学旅行中の中学生が「SDGsの目標5.ジェンダー平等を実現しよう」について学びたいという希望があり、弊社への訪問が決まりました。弊社は、全社員の男女比が男性52%、女性48%という割合で、比較的女性社員の割合が高い会社です。また、管理職に占める女性の割合も35.5%となっています。こうした背景を踏まえ、「弊社の女性活躍推進の実績」や「ジェンダー平等に関する取り組み」についてお話ししました。参加した中学生から「マイナビとして、女性も働きやすい社会を実現するためにどのような取り組みをしていますか?」という質問もいただき、私たちは、学生を対象としたキャリア支援だけでなく、弊社のクライアントである企業の求人情報の掲載や採用活動に対しても「ジェンダーの正しい理解」を促す役割を果たしていることをお伝えました。
サステナビリティに対する考え方
──SDGsやサステナビリティは、受け取り方が様々だと思います。どのようにお考えですか?
今井様:現代の若い世代は、サステナビリティに対してより強い当事者意識を持っているように感じています。例えば、小学生からユニバーサルデザインや、家庭から排出されるCO₂を削減する方法を学んでいるそうです。
私自身は、サステナビリティを概念として学ぶだけではなく、小さなことでも具体的な行動にうつすことが重要だと考えています。社内の研修では、多様な世代や背景を持つ社員のギャップを埋めるために、できることから始めることを強調しています。
──古城さんは学生時代から社会人になっても続けていたことがあるそうですが。
古城様:大学時代にゼミの一環で難民問題を多くの方と一緒に考えるために、「難民写真展」を開催していました。この活動は社会人になっても続けたいと思い、卒業後も大学生と一緒に難民写真展やクラウドファンディングの実施などを継続してきました。現在は後輩にバトンを引き継ぎましたが、この活動で培った経験が現在の部署の業務にも生かせていると感じています。
サステナビリティについての情報共有と発信
──サステナビリティは推進室の方が中心となって全社で行っていると思いますが、社内共有としてはどのようなことをされてますか?
古城様:社内では、Teamsを使いサステナビリティに関心がある希望者を募って情報発信し、一緒にできることを行っていこうと考えています。また、中学生向けキャリア教育授業におきましては、全国の社員からの協力が必要不可欠です。そのため、一方的な発信だけではなく、全国の支社長や社員とともにサステナビリティを推進している気持ちでいます。
サステナビリティは、多くの人を巻き込んでいくことが必要だと思っています。今後も社員と密に連携しながら、マイナビのサステナビリティを拡充していきたいと思います。
──社外への情報発信はどのようなものですか?
古城様:社外へはXとnoteで行っています。発信する際は、一方的に伝えるのではなく「一緒に力を合わせたいです」という意識を持って行っています。サステナビリティの取り組みは、ひとつの企業、一人の力だけでは成り立たないものです。だからこそ、多くの方と協力しながら進めることが重要だと考えています。
──最後に高校生や大学生の読者に向けてのメッセージをお願いします。
大仲様:サステナビリティやESGは壮大なテーマですが、実は私たちの身近なところに存在し、日々の小さな積み重ねの中にあると考えています。身近なものや出来事との関わり方を見つめ直し、自分ができる範囲のことを大切にしていくことが、日々のサステナビリティに繋がっていきます。そして、力を合わせることでさらに大きなアクションへと広がっていきます。まずは身の回りに目を向け、できることから始めることが大切だと思います。
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