働きがいも経済成長も

日本でも児童労働は存在する、まずは現状を知ることから始めよう

世界には、多くの国で児童労働が課せられている子どもたちがいます。
その数は、1億5,200万人と言われています。

児童労働はSDGsでも目標8「働きがいも成長も」で取り上げられている問題で、2025年までにあらゆる形の児童労働をなくせるように取り組みが進められています。

世界の児童労働をしている子どもの多くが、アフリカ地域やアジア地域に住んでいます。
主に、開発途上国など低所得国の子どもです。

しかし、児童労働は貧しい国だけでなく、中所得国や高所得国にも存在しているのはご存じですか?
経済大国のアメリカでも、児童労働は存在しています。

それでは、高所得国である日本には児童労働は存在するのでしょうか?

今回は日本の児童労働における実態についてお話しします。

是非参考にして児童労働が減るように、私たち個人でできることに取り組みましょう。

日本における児童労働の定義とは?

日本における児童労働の定義

児童労働とは、15歳未満の子どもが働くこと及び18歳未満の子どもが危険有害労働を行うことだと定義されています。

日本の労働基準法でも就労最低年齢が設けられていて、満15歳未満は就労禁止と定められています。
15歳の4月1日以降なら、コンビニやスーパーなどでアルバイトが可能です。

また18歳未満の場合は、子どもの安全、健康、道徳を害するおそれがある危険有害労働は禁止です。
この危険有害な労働は、人身売買や売春、ポルノ製造、薬物の生産取引などが当てはまります。

さらに満13歳未満の子どもについては、軽易な労働を含むすべての労働が原則禁止です。

しかし、芸能界では子役として働いている子どもがいますよね。子役の場合は例外で、満13未満でも就労が可能です。
この場合は、学校長の許可証明書と親権者の同意書を所轄の労働基準監督に提出する必要があります。
更に監督署長の許可も必要です。働ける時間も決められていて、教育に差し支えがない程度に働くことができます。

参考元:日本にも存在する児童労働 ~その形態と事例~|NGO ACE

日本における児童労働の現状

日本における児童労働の現状

世界には、児童労働を行っている子どもが1億5,200万人いると言われています。
これは、子ども10人に1人の割合です。
特にアフリカ地域は全体の約20%と多く、次いでアジア太平洋地域が約7%となっています。

アジア太平洋地域の中で児童労働が多いのは、バングラデシュやインド、ミャンマーなどです。

それでは、同じアジア太平洋地域に当たる日本の児童労働の現状はどうでしょうか。

日本は先進国ですし、生活している中でも児童労働があるイメージはないかもしれません。
しかし、実際には日本にも児童労働は存在します。

2015年の厚生労働省の調査によると、子どもに関する労働基準法関係法令違反は297件あったとされています。
また同年に、児童労働に相当すると考えられる福祉犯や人身売買の被害者数は合計6,251件と警察庁より報告されています。

労働基準法関係法令違反だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、被害者数を見ると全体数はもっと多いでしょう。

政府による詳しい児童労働に関する調査が行われていないので正しい数は分かりませんが、日本に児童労働が存在するのは事実です。

日本における児童労働が多い職種

日本における児童労働が多い職種

世界における児童労働が多い職種は、多い順に農業、サービス、工業です。

それでは、日本の児童労働ではどのような職種が多いのでしょうか。

日本の児童労働では、性関係のものが多い傾向があります。
ACEの報告によると、児童ポルノでは905人、出会い系ビジネスと援助交際では1,778人の子どもが被害に合っています。

一方、建設業は18事業場、接客娯楽業は4事業場が検挙されています。
事業場ごとの働いていた子どもの人数は定かではないですが、各50人と多めに見積もっても1,100人です。

このことから、性犯罪に関する児童労働が多いことが分かりますね。

参考元:日本にも存在する児童労働 ~その形態と事例~|NGO ACE

日本における児童労働の要因

日本における児童労働の要因

世界の国々における児童労働の要因は、家庭や国自体の貧困が主だと言われています。
親が働きに出すこともありますが、教育への失望から自ら児童労働を選ぶケースもあります。

しかし日本の場合は、教育機関が整っていて中学校までは義務教育ですよね。
開発途上国のように莫大なお金が掛かるわけではないし、授業内容も充実しています。

それでは、日本における児童労働の要因はなんでしょうか。

貧困

日本でも貧困は原因の1つだと考えられます。

厚生労働省によると、2018年の子どもがいる家庭の貧困率は13.1%です。
2019年の生活意識に関する調査では、子どものいる家庭の約60%が生活が苦しいと回答があります。
更に母子家庭の場合は、約86%が生活が苦しいと回答しています。

ここから、日本にも貧困問題が存在していることが分かりますね。

子ども同士の付き合いの変化

貧困問題がある一方で、子ども同士の付き合いが変化しているのも事実です。
現在では子どもの遊びといえば、公園や自然で身体を使って遊ぶことよりも、ゲームや買い物などがメインです。

お金を使う遊びが多いため、子ども自身がお金を求めています。
そのため、自ら児童労働を行うケースがあります。

子どもの居場所の減少

子どもの居場所が減ってきていることも児童労働に関係しています。
核家族化や地域交流の希薄化で、子ども自身が相談する場所がありません。

またコロナウイルスの影響もあり、ネグレクトや身体的虐待などが増加しています。

厚生労働省によると、2019年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数は約20万件です。
これは相談された件数なので、実際にはもっと多く虐待が発生していると考えられます。
虐待の増加も子どもの居場所を減らすことに繋がり、児童労働へのリスクが高まります。

更にSNSの普及で見えないところでのいじめも多く発生していて、子どもの精神面に影響を与えています。
自分や周りへの失望や逃げ場のなさから、貧困ではないのに児童労働をするのです。

つまり日本における児童労働は、貧困の他に友達付き合いの変化や子どもの居場所のなさなどが原因で発生しています。

参照元:2019年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省HP
参照元:令和元年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数|厚生労働省HP

日本における児童労働の撲滅に向けて私たちにできること

日本における児童労働撲滅に向けて私たちにできること

ここまでに、日本における児童労働の要因は、貧困の他に子どもの居場所や付き合いの問題等もあるとお話ししました。
それでは、困っている子どもたちが児童労働に関わらないようにするために、私たちにできることを考えてみましょう。

ネットで児童労働に関わる遣り取りを見つけた場合には報告

まずは、身近なインターネット上で児童労働に関するやりとりを見つけた時に報告することです。

日本ではインターネットが普及し、子どものほとんどが1人1台携帯電話を持っています。電話や手紙などと異なり、親や教師の見えないところで、SNSを通じて赤の他人と簡単に連絡が取れます。児童労働に関係のある大人などとも知り合えてしまうので危険です。

しかし、ネットで遣り取りをしているということは、周りの人からその遣り取りが見られるという可能性があります。もし、ネットで児童労働に関わるメッセージを見つけた場合には、サイト主や警察などに報告や相談をしましょう。

子どもと話し合い居場所や逃げ場所を作って受け止める

自分の子どもがいる場合には、家庭で子どもの居場所を作ることが大切です。普段から相談しやすい環境を作ることで、いじめや学校でのトラブルなどの悩みがあれば話してくれるかもしれません。

悩みを打ち明けるのは勇気が必要です。それでも話してくれた子どもに「ありがとう」と言い、子どもの気持ちを受け止めましょう。
精神的に安定すれば、子どもが自ら児童労働に手を染める可能性が低くなるでしょう。

また反対に、親の居場所を作ることも大切なのではないでしょうか。近所の人やママ友など、身近な人が悩みを抱えていたり暗い顔をしていたりする時がありますよね。そこでちょっとした会話をしたり手を差し伸べたりすることで、親のストレスが減り虐待も減らすことができます。

子どもの見守り活動に参加する

日常的に手軽に始められるのが、子どもの見守り活動を行うことです。見守り活動とは、子どもの登下校の時間に合わせて、子どもが安全かどうか見守ることです。

登下校の時間である8時や15時前後に、散歩や通勤、庭掃除などをしながら子どもの様子を見るだけなので簡単です。児童労働に関わりのある不審者などから子どもたちを守ることができます。

日常的に見守って挨拶をし合うことで顔馴染みになっておけば、もしもの時に子どもがSOSを出してくれるかもしれません。

子どもの貧困や虐待に関わるボランティアに参加する

実際に具体的に行動するなら、貧困や虐待に関するボランティアに参加することです。

比較的ボランティアの内容として多いのが、貧困家庭への学習支援です。塾に通うお金がなかったり、学校に居場所がなくて行けなかったりする子どもに、場所を提供して勉強を教えます。勉強を教えながら、子どもの居場所づくりもできます。

また、子ども食堂の運営に関わるというボランティアもあります。子ども食堂は、一人親世帯や貧困で困っている子どもなどに、無料や低価格で食事を提供する取り組みです。

子どもを一人きりにせずに美味しい食事と環境を提供することで、子どもの心の負担を軽くする手助けができます。ボランティアについては、募集サイトがあるのでチェックしてみると簡単に見つかります。

まとめ

まとめ
日本にも世界各国と同じく児童労働が存在していて、他人事ではありません。しかし、開発途上国の児童労働の実態とは異なり、性的な児童労働が多いです。

また、貧困以外にSNSや核家族化、虐待、地域希薄化などの様々な要因が複雑に絡み合うことで発生しています。精神的に追い詰められて自分の居場所が見つけられず、子ども自身が児童労働に手を染めているのです。

これからの未来を担う子どもたちを救うためにも、児童労働をなくしましょう。まずは身近な子どもを見守ることから始めてみませんか?

少しの行動が、周りの子どもを児童労働から守ることに繋がります。

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