つくる責任 つかう責任

エシカル消費とは?私たちが普段の生活で具体的にできることを知ろう!

最近、耳にする機会が増えた「エシカル消費」

2019年に消費者庁が発表した意識調査では、エシカル消費に59.1%の人が興味を持っていると答えています。
2016年の35.9%と比べると、エシカル消費に対する人々の注目度が高まっていることが分かる結果となりました。

しかし、実際に行動している人は36.1%と半数以下です。
なかには「興味はあるけれど、何をすればよいのかわからない」と思い、行動に移せない人もいるかもしれません。
また、そもそもエシカル消費とは具体的にどういうことかよくわからないという方も多いと思います。

そこで本記事では、エシカル消費とは何かを解説するとともに、エシカル消費が近年注目されている理由や、普段の暮らしで具体的に私たちにできることなどについて見ていきたいと思います。

参照元:「倫理的消費(エシカル消費)」に関する消費者意識調査報告書

エシカル消費とは?

エシカル消費とは?

エシカル(ethical)とは日本語では「倫理的」「道徳的」と訳します。
そのため、エシカル消費は「人や社会・環境を含む地球全体との関わりや、影響を考えて商品やサービスを選ぶ消費」と言う意味で使われるようになりました。

消費者庁のホームページでは以下のように定義されています。

消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと。

例えば、コットン素材の服を低価格で購入したとしましょう。原材料である綿は、主に途上国の人々を低賃金で雇い栽培している素材です。家計を支えるために、子どもが働いていることも珍しくありません。

さらに、綿花栽培には大量の殺虫剤や化学肥料を使用。土壌汚染や水質汚染など、環境への影響も考えられます。労働者の人体への影響も、まったくないとは言い切れません。

このように私たちが商品やサービスを消費する裏で、誰かが影響を受けている可能性もあるのです。

私たちは消費する際に、「誰にどのような影響があるのか」を考える必要があります。
先述したコットン素材の服で言えば、無農薬で栽培されるオーガニックコットンの服を選ぶと誰かへの影響を軽減できます。

ここまではエシカル消費がどのようなものかお伝えしました。
続いては、エシカル消費が注目されている理由について触れていきます。

参照元:
持続的な社会を考える 新しい環境問題 エシカル消費|吉沢広祐監修
オーガニックコットンとは|NPO法人日本オーガニックコットン協会

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なぜエシカル消費が注目されているの?

エシカル消費はSDGsとも関係している

私たちは、技術や輸送手段の発達によって欲しい商品を手に入れやすくなりました。
しかし、欲しい商品が苦労せず手に入るようになり、簡単に捨てる人が増えたことも事実です。

あなたが「欲しい」と思い手に入れた商品は、地球上にある資源でつくられています。
その資源が人の手によって加工され商品となり、輸送後販売されています。

廃棄される場合の多くは、焼却や埋め立てられますが、日本以外の国で処分することもあります。

消費は日本だけでなく世界ともつながっているのです。
そして、私たちが商品やサービスを購入する裏で、誰かが影響を受けていることも忘れないでください。
影響を受ける対象も、環境・地域・人・社会とさまざまです。

このように、あらゆる影響を考え、誰かが困ることのない世界をつくるために、エシカル消費が注目されています。
貧困、児童労働、福祉、食品ロス、衣服ロスなど、不公正な世界の現状を「消費」行動を通して解決していこうという姿勢が「エシカル消費」の特徴です。

参照元:持続的な社会を考える 新しい環境問題 エシカル消費|吉沢広祐監修

私たちにもできる!エシカル消費はここから

私にもできる!エシカル消費はここから

「エシカル消費」の大切さがわかったとして、それでは具体的にどういう買い物をすれば「エシカル消費」になるのでしょうか。

ここでは、私たちができることについて解説します。

買い物の時「エシカル消費」でできること

エシカル消費の具体例を知って真似してみよう

まずは「消費」と聞いて真っ先に思いつく「買い物」で、「エシカル消費」でできることの例を見てみましょう。

      • マイバッグ、マイタンブラーを持参する(脱プラスチック)
      • 食品は必要な量だけ購入する(食品ロスを防ぐ)
      • 地元の生産品を購入する(地産地消・輸送エネルギーの削減)
      • 被災地の生産品を購入する(被災地支援)
      • フェアトレード(発展途上国の原料や製品を適正な価格で取引したもの)商品を購入する(世界の労働力の搾取を低減)
      • 障がいがある人の支援につながる商品を購入する(障碍者支援)
      • 寄付付き商品を購入する(売上の一部が寄付される)
      • リサイクル素材を使ったものや、資源保護に対する認証のある商品を購入する(環境に配慮)
      • 雑貨や衣類などをリサイクルショップ・アウトレット・リユースショップなどで購入する(ごみの削減、衣類ロスを防ぐ)
      • リサイクルできるものを購入する(ゴミを減らす)
      • エシカル消費に関連する認証ラベル・マークのついた商品を購入する

買い物の時のマイバッグをはじめ「すでにやっていた」という方も多いのではないでしょうか。

最近の注目としては、そもそも商品を輸送するのに生じるエネルギーを減らすことです。
地産地消とは住んでいる地域で育てられた農産物や水産物を、その地域で消費することを言います。

日本は特に物流が発達していて、「お取り寄せ」をはじめとした通販が盛んですが、物を運ぶにはそれだけエネルギーが必要で、温暖化ガスの発生原因となります。

地元で生産されているものをなるべく買うようにすることは、地域産業を振興するとともに、省エネにもつながるのです。

最後の、エシカル消費に関連する認証ラベル・マークは、第三者機関によって一定の基準を満たしていると認証された商品につけられています。

認証ラベル・マークには、以下のような種類があります。

エコマーク:「私たちの手で地球を、環境を守ろう」という願いを込めて、「環境(Environment)」および「地球」(Earth)の頭文字「e」を表した人間の手が、地球をやさしくつつみ込んでいるすがたをデザインしたもの。「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品につけられる環境ラベル
国際フェアトレード認証:開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す認証
・MSC認証:「海のエコラベル」と呼ばれ、持続可能な漁業で獲られた天然の水産物
ASC認証:責任ある養殖により生産された水産物
FSC®認証:環境保全の点から見て適切で、社会的な利益に適い、経済も継続可能な、責任ある管理をされた森林や、林産物の責任ある調達に対して与えられる。FSC認証製品が消費者の手に届くまでには、最終製品になるまでの生産、加工、流通に関わるすべての組織が認証を受けている必要がある。
GOTS(オーガニック・テキスタイル世界基準):原料の収穫から環境に優しく社会的に責任のある製造を経て、消費者に信頼できる保証を与えるラベリングに到るまで、「繊維製品が正しくオーガニックである」という状況を確保する世界的なルールを定めるために開発。GOTSは認証のための要件を明確に示した総合的な基準であり、「認証された原料とそのトレーサビリティー」「ケミカルの使用について禁止と制限の規定」「分離と識別」「環境管理」「残留物の限界」「社会的規範」などから構成されている。

何気なく目にする商品でも、こうしたエシカル消費に関連する認証を受けているものが増えてきました。

朝から夜まで働いても、1日生活できるだけのお給料をもらえない。人権を無視され酷い環境で働かされる。大人と一緒に過酷な労働を強いられている子ども少なくありません。

私たちが購入した商品が、裏ではこのような問題を抱えている可能性もあるのです。

この問題を解決するためにフェアトレード(※)のような、環境や貧困に注目した商品が登場しています。
これらの商品には目印として、認証ラベルが付いていることが多いため、購入する際はラベルの有無を確認しましょう。

(※)フェアトレード:「公平・公正な貿易」を意味する言葉。途上国で生産された原料や製品を適正な価格で継続的に取引することで、生産者や労働者の生活改善と自立を目指す貿易の仕組み。

種類としては、下記のようなラベルがあります。

■国際フェアトレード認証ラベル

国際フェアトレード機構の定めた基準にそって製造された商品についています。生産者へ生産物に見合った金額を保証し、児童労働の禁止・環境への配慮などの基準を守っている証です。

参照元:認証ラベルについて|fairtrade japan公式サイト

■レインフォレスト・アライアンス認証マーク

労働者の権利の保護や環境に配慮した、持続可能な農業に取り組む農園の農作物についています。
カエルのマークは生産農園の持続可能性・作物の輸入・加工する企業の生産流通の方法・トレーサビリティ(※)が確認できる印です。

(※)トレーサビリティ:追跡「trace」と能力「ability」を合わせた言葉。日本では「追跡可能性」とも呼ばれている。商品の生産から消費までの過程を追跡できるため、流通に関わる業界で使用されている。

参照元:
レインファレスト・アライアンス認証|森林保全制度|フォレスト パートナーシップ・プラットフォーム
サステナブル・ラベルを知ろう!|一般社団法人 日本サステナブル・ラベル教会

買い物以外の「エシカル消費」でできること

エシカル消費は、買い物以外でも心がけることができます。

例えば、以下のようなことです。

  • 食品ロスを減らす(食べ物を残さない)
  • 衣料ロスを減らす(服を捨てない)
  • ストローやスプーンなど使い捨てプラスチックの使用を減らす
  • 使ったものは廃棄せずできる限りリサイクルする
  • 3R(リデュース、リユース、リサイクル)を心掛ける
  • 生ごみをコンポストなどで堆肥化する
  • シェアリングサービスを活用する

買い物以外でも、エシカル消費でできることがあります。第一にあげられるのは、食品ロスを減らすことです。
作ったもの、注文したものは残さず食べること。さらに、生ごみを堆肥化したりしてそのまま捨てないことなども、ちょっとした工夫で行うことができるでしょう。

さらに、服はなるべく捨てずにリサイクルショップなどに買い取ってもらったり、雑巾にするなどしてリユースすることも効果的です。
実は昔から言われている「物を大事にする」ことこそが「エシカル消費」なのです。

そして最近は、シェアリングサービスの普及が急激に進んでいます。
シェアリングサービスでは、自動車・駐車場・会議室・洋服・住宅などのモノやサービスを誰かと共有できます。

自身で購入しないため、不要になった際はごみとして処分する必要もありません。資源やエネルギーの節約にもなります。

1人ひとりができることを少しずつ続けると、持続可能な世界へと近づきます。そしてエシカル消費に取り組むことは、SDGsの目標達成にも繋がります。

SDGsとエシカル消費の関係

SDGsとエシカル消費

2015年の国連総会にて、193の加盟国が賛同したSDGs。
環境・社会・経済の課題解決に向けて、17の目標と169のターゲットが設定された国際目標です。

「誰一人取り残されない」世界を目指すこの目標は、エシカル消費とも深い関わりがあります。

そのなかでも注目したいものが、目標12「つくる責任、つかう責任」です。
目標12は「持続可能な消費・生産形態を確実にする」ことを目指す内容となっています。

この目標は、ただ目の前の商品を「モノ」として見ているうちは達成が難しいでしょう。

「この素材は、どのような環境で生産されたのか」「廃棄やリサイクルの方法はどのようになっているのか」など普段は見えない部分にこそ、目標を達成するための鍵が隠されているからです。

私たち消費者は、見えない部分を考えて商品を選ばなければいけません。
そして、これはエシカル消費にも共通する考え方です。

生産者側も持続可能な生産形態を可能にするためには、人や環境に悪影響を与えない商品の生産が求められます。

つくる側とつかう側が、それぞれの立場から考え行動することで目標12の達成につながるでしょう。

参照元:SDGs(持続可能な開発目標)|蟹江憲史

まとめ

まとめ

欲しい商品やサービスを消費しやすくなった現代ですが、その裏で誰かが影響を受けています。

私たちは消費する際に「誰にどのような影響があるのか」を考えなければいけません。
オーガニックや地産地消を意識するなど、暮らしを少し変えるだけでエシカル消費はできます。

あなたが行動することで、環境悪化の防止につながるかもしれません。
途上国で働く子どもが働かずに、学校へ通えるようになる可能性もあります。

1人ひとりの行動は些細なものですが、世界中の人が行動することによって、現状を変えるほどの大きな力になります。

エシカル消費と関連して、最近では「エシカルフード」や「エシカルファッション」さらには「エシカルウェディング」など、あらゆる分野でエシカル消費を意識する動きが活発になってきています。

まずは「今、自分に何ができるのか」を考え、少しずつエシカル消費を生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

  • 記事を書いたライター
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