飢餓をゼロ

世界の飢餓人口はどのくらい? SDGsの「2030年までに飢餓をゼロに」は達成できる?

ユニセフをはじめとする国連の5つの機関が、2020年に世界の飢餓状態が劇的に悪化したことを報告しました。

「飢餓をゼロに」は、SDGs(持続可能な開発目標)の2番目の目標に掲げられていますが、2030年までにこの目標を達成することはさらに困難な状況です。

世界の飢餓人口について、その現状とどのような取り組みが行われているかを見ていきましょう。

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世界における飢餓人口と、その割合は?

世界における飢餓人口と、その割合は?

最新のレポートで分かる2020年の世界の飢餓人口は、最大で8億1100万人と推計され、これは世界人口の約10分の1にあたります。

飢餓人口は2014年から徐々に増加し始め、昨年2019年には約6億9,000万人となりました。
2018年から1000万人増加した計算になりますが、2020年までの1年間にはその10倍近い1億人を超える増加となり、状況悪化の深刻さが浮き彫りになりました。

飢餓に苦しむ人々の割合を世界の地域別に見ると、その半数以上(4億1,800万人)がアジア、3分の1以上(2億8,200万人)がアフリカ、6,000万人がラテンアメリカとカリブ海に分布しています。

全人口に対する割合ではアフリカが最も大きく全人口の約21%を占め、これは世界平均(9.9%)の2倍以上にも及びます。

アフリカではまさに5人に1人が飢餓に苦しんでおり、最も飢餓が急速に拡大していると言われています。
この状況が続けば、2030年にはアフリカの半数以上の人が慢性的な飢餓に苦しむ概算になります。

参照元:世界の食料安全保障と栄養の現状|Food and Agriculture Organization of the United Nations

世界の飢餓を加速させる新型コロナウイルス

世界の飢餓を加速させる新型コロナウイルス

ここ数年の状況悪化には、新型コロナウイルス感染症の拡大が大きく影響を及ぼしています。

コロナ禍で多くの人が経済的・物理的に安全な食物にアクセスしにくくなったほか、食品価格の高騰が輸入に依存する貧困国にとって大きな打撃になっているのです。

国連の5つの機関は、パンデミック以来初となる報告書の序文で、「残念なことに、今回のパンデミックは、世界中の人びとの命と生活を脅かす食料システムの弱点を露呈し続けています」と記しました。

2020年の飢餓は絶対値・比率とともに急増し、人口の増加を上回りました。
栄養不足だった人の数も全人口の約9.9%となり、前年の8.4%から増加しています。

同報告書は、このままではSDGsの目標「2030年までに飢餓をゼロにする」は約6億6000万人の差で達成できず、そのうち約3000万人はパンデミックの持続的な影響を受けていると警鐘を鳴らしています。

参照元:国連報告書:パンデミックの年に世界の飢餓が急増|国連WFP

飢餓の原因は

飢餓の原因は

飢餓を引き起こす原因は、大きく以下の3つに分けられます。

自然災害

世界人口の1割を占める貧困家庭の多くは農村地域で農業を営んでいます。
そのような地域で干ばつや地震、洪水といった自然災害が起きると農作物は甚大な被害を受け、飢餓を引き起こす原因となります。

近年地球温暖化の影響により、干ばつや洪水といった自然災害のリスクがさらに高まっていると言われています。

人的災害

人的災害の最たるものは紛争です。
紛争が起これば、その土地で通常の生活を送ることが困難になり、大勢の人が家や農地を捨てて難民キャンプへ避難せざるを得なくなります。

難民の多くは人道支援による食料供給に頼っていますが、その支援も昨今の不況による資金不足で削減傾向にあり、難民を苦しめる飢餓は深刻さを増しています。

慢性的貧困

常に貧困状態に陥っている家庭では自給自足するための資源を十分に持たず、自然災害や経済情勢といった外的な要因にも左右されやすいため、安定的に食料にアクセスすることができません。

また、その家庭に生まれた子どもも飢餓状態から抜け出せないという負の連鎖が生まれる傾向があります。

飢餓がもたらす子どもへの影響

飢餓がもたらす子どもへの影響

飢餓により良質なたんぱく質や免疫力を高めるビタミン類を摂取できなければ、感染症にかかるリスクも高くなり、風邪や下痢といったありふれた病気が命取りにもなります。

実際に5未満児の3大死亡原因は肺炎、下痢性疾患、マラリアで全死亡率の3分の1を占めますが、その原因は飢餓による栄養不足と深く関わっています。

また、飢餓がもたらす栄養不足は、子どもの心身に様々な悪影響を及ぼします。

2019年の世界子供白書によると、

・発育に問題を抱える5歳未満の子どもは3人に1人存在し、1億4900万人の子どもが低栄養による発達障害
・5歳未満の子どもたちの2人に1人が、隠れ飢餓の状態にあり、3億4000万人の子どもが、ビタミンAや鉄分などの必須ビタミンや栄養素不足

の状態にあります。

子ども時代の栄養不足は身体だけでなく、心的・知的障害を引き起こす場合もあります。
脳の働きを助ける栄養分や集中力を高める栄養分などの不足により学習能力が低下し、大人になって就業できない原因ともなりえます。

飢餓による栄養不足は、子どもの長い将来にわたって影を落とすことになるのです。

飢餓をなくすために、今できることとは

飢餓をなくすために、今できることとは

国連は先の報告書の中で、政策立案者に向け飢餓をなくすための提言をしています。

そこには、

・紛争地域において、人道、開発、平和構築の政策を講じること
・気候変動に耐えられる食料システムをつくる
・栄養価の高い食品のコストを下げるためにサプライチェーンに介入する

といった要望が含まれています。

すべての人の健康的な食生活を可能にするためには、恒常的な平和とダイナミックな食料システムの変革が不可欠だと考えられているのです。

では飢餓をなくすために、私たちにできることは何でしょうか。

世界には、飢餓や食糧問題を解決するために活動している国連のユニセフやWFPをはじめとする国際NGOが数多く存在します。
彼らが提供している様々な支援プログラムに寄付をするのも一案ですし、慢性的貧困に陥っている生産者の自立をサポートするフェアトレードの商品を購入することもできるでしょう。

このパンデミックによって、飢餓人口は急増してしまいました。
SDGsに掲げられた「2030年までに飢餓をゼロに」という目標を達成するためには、早急なアクションが必要とされています。

私たち一人ひとりが、今できることからすぐに始めることが求められているのです。

参照元:国連報告書:パンデミックの年に世界の飢餓が急増|国連WFP

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