つくる責任 つかう責任

食品ロスとは?現状と対策について、個人で始められる取り組みもご紹介

食品ロスという単語を聞いたことはありますか?
2019年に食品ロス削減推進法が施行され、10月が「食品ロス削減月間」に指定されたこともあり、少しずつ耳にすることも増えてきたのではないでしょうか。

この記事では、SDGs目標カテゴリ「12. つくる責任、つかう責任」の中でも強調されている、食品ロスについて現状や原因を探ります。
その上で、個人単位で出来る食品ロス削減への取り組みをご紹介していきます。

大きな問題に見えますが、まずは一人ひとりが食品ロス問題を理解し、小さな一歩を踏み出すところから始めていきましょう。

食品ロスとは?世界と日本の食品ロスの現状

食品ロスとは?世界と日本の食品ロスの現状

そもそも「食品ロス」とは何なのでしょうか。またどのような問題に繋がっているのか、理解していきましょう。

食品ロスとは?なにが問題なのか?

食品ロスとは、「まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物」のことを指します。食材として収穫・製造したにもかかわらず、「食べる」のではなく、「捨てる」という点に問題があると考えられます。

ただ、食品ロス問題を考えるときには、「食品を捨てるなんてもったいない!」という常識的な感覚を超えた深刻な課題を見逃してはいけません。具体的には、食品ロスは次の4つの問題を抱えているのが実情です。

1. 世界規模での食料資源の不均衡
2. 食品ロスは環境負荷要因になる
3. 製造効率性を下げる要因になる
4. 個人の家計レベルで無駄が生じる

食品ロスの問題点1:世界規模での食料資源の不均衡

幸いなことに、経済的に豊かな日本では、「今日明日の食べ物が手に入らない」ということにはなりません。各家庭のお財布事情はさておき、スーパー・飲食店に足を運べば、何かしらの食料は手に入るでしょう。

しかし、その一方で、世界には、貧困などが原因で飢餓のリスクに晒されている人がたくさんいます。

つまり、「世界には食料が手に入らなくて困っている人がいるのに、豊かな国では食べきれない食事をどんどん捨てられている」という大きなゆがみが発生しているのが実情です。

食品ロスの問題点2:環境負荷要因になる

食品を破棄する時に発生する温室効果ガスは地球温暖化の要因となると言われています。

つまり、焼却処理される無駄な食料が増えるほど多くの温室効果ガスが発生するため、食品ロスは環境負荷要因、地球にとっても良くないことだと考えられるでしょう。

食品ロスの問題点3:製造効率性を下げる要因になる

私たちの元に食料が届くまでには、製造サイクル・輸送サイクル・販売サイクルという流れを経ることになります。市場に流通した食材がすべて人々の口まで届けば、「人々が食事をするために食材が製造された」といえるでしょう。

しかし、食品ロスが発生する分だけ、「廃棄するために食材を製造した」という事態が発生することになります。つまり、製造に使用した水・肥料・燃料や、運送費・人件費などはすべて無駄になってしまうということです。

食品ロスの問題点4:個人の家計レベルで無駄が生じる

食品ロスは世界的・社会的な問題であると同時に、個々の家計レベルでも問題となるものです。

つまり、食品を購入するために投じた費用がそのまま無駄になるということ。食品ロスを削減すれば、家計の節約にも役立つでしょう。

日本の食品ロスはどれくらい?

そんな食品ロス問題ですが、日本では具体的にどれだけのロスが出ているのでしょうか?
農林水産省によると、本来まだ食べられるのに捨てられてしまう「食品ロス」は年間600万トンにも上ります。

あまりに数字が大きのでイメージが湧きにくいですが、「日本人一人当たりが毎日お茶碗一杯分のごはんを捨てている」のと同じ量だそう。

食品ロス参考資料

画像参照:食品ロスとは|農林水産省ホームページ

「SDGs目標」「グローバルな食品ロス問題」と聞くと、一個人ではどうしようもない大きな問題のように感じてしまいがちです。
ただし、日本で廃棄されている食料の46%が家庭から出ているというのは驚きではないでしょうか。

世界における食品ロス

食品ロスはもちろん日本だけの問題ではありません。今世界中で食品ロスに対する課題が生じています。
世界の食品ロスの量は年間で13億トン。実はこの量は消費者向けに生産された食料の3分の1の量にあたります。

そして、世界の飢餓人口は約8億人と言われていますが、その人々を救うために、WFP(国連世界食糧計画)は、年間420万トン(2019年)の食料支援をしています。

つまり、食べ物が十分に手に入らずに飢餓で苦しむ人たちがたくさんいる一方で、足りないと言われる食料のはるかに多くの量が食品ロスとして毎年廃棄されているのが現状なのです。

大きすぎる問題だからと目を背けるのではなく、実際に「自分は何ができるのか?」と考えていくことで、少しずつ食品ロス削減への取り組みが広がっていくことでしょう。

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食品ロスの原因とは?削減のためには状況ごとの課題を見つけるのがポイント

食品ロスはなぜ起きる?日本における原因

食品ロスの問題を克服するためには、食品ロスが発生する原因に目を向ける必要があります。

ただし、食品ロスの原因は複合的なので、世界中の色々な次元でその原因を具体的に深掘りしなければいけません。

そこで、食品ロスの原因について、次の3つのフィールドで具体的に問題点をピックアップします。

1. 発展途上国の食品ロスの原因
2. 企業レベルの食品ロスの原因
3. 家庭レベルの食品ロスの原因

食品ロスの原因1:発展途上国

「先進国では食品ロスが多数発生し、飢餓などで苦しむ発展途上国の人々に食品が行き渡らない」という観点で見たとき、発展途上国は食品ロスの被害者、発展途上国では食品ロスは発生していないかのような誤解が生まれます。

しかし、発展途上国でも次のような原因で食品ロスの課題を抱えているのが実情です。

  • 農作物の収穫技術不足が原因で効率的に商品化できない
  • 収穫物の保管・保存・運送体制が整っていないので売却までに腐敗する
  • 生産余剰があったとしても経済的貧困を理由に食品を購入できない

たとえば、農作物を育成するためには、気候・土壌に適した育成方法を実践しなければいけません。これには、綿密な研究に基づく適切な設備投資が不可欠です。

しかし、農業技術レベルが低く機械化の進んでいない発展途上国では、充分な種子・余りある土地があったとしても、効率的に収穫まで至るのは困難な状況があります。また、仮に充分な食料を製造できたとしても、購入する側に経済力がなければ結局廃棄するだけでしょう。

つまり、先進国が抱える「食べられるのに捨てる」という切り口ではなく、発展途上国は「食べたいのに捨てる」という構造的な原因を抱えていると考えられます。

食品ロスの原因2:企業レベル

食品ロスの原因として、企業での食品ロス(事業系食品ロス)が挙げられます。

具体的な要因としては、次のような事象が挙げられます。

  • 小売店が在庫を賞味期限・消費期限以内に捌けない
  • 食品の形・サイズ・重さなどの品質規格が厳しい
  • ブランドイメージを優先した食品が販売される傾向が強い

製造側・販売側のいずれにおいても食品ロスは発生します。

たとえば、販売予想が外れて仕入れ過多になった場合、どうしても廃棄処分は免れられないでしょう。特に、日本では厳しく消費期限・賞味期限が設定されているため、基準を守れない食材を販売・譲渡することはできず、食品ロスの原因となります。

また、製造する側の企業に、「食べてもらうこと」ではなく、「購入してもらうこと」を優先した商品を製造する傾向がある点も問題です。「見た目がかわいい・美味しそう」な商品を製造すると価格が高くなり、結果として消費者が手を出さずに廃棄するという流れがあります。

食品ロスの原因3:家庭レベル

食品ロスの原因として、家庭レベルでの問題点も挙げられます。

特に、日本では、「賞味期限を過ぎた食材は食べない」という習慣が根強いです。賞味期限は「おいしく食べられる目安の期限」でしかないので、賞味期限を過ぎても食べることは可能なはず。しかし、期限切れの食材は廃棄することが多いでしょう。

したがって、家庭内で食品ロスを削減するには、「期限までに食べきれないものは購入しない」「賞味期限を過ぎても消費期限以内なら安全に食べられる」という考え方を浸透させることが重要です。

なお、食品ロスの原因については、以下のコラムでも詳しく紹介しています。あわせて参考にしてください。

SDGs目標と食品ロス削減に向けた取り組み

SDGs目標と食品ロス削減に向けた取り組み

日本では食品ロス削減に向けた取り組みとして、2019年に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行されました。
消費者庁・農林水産省・環境省が協力して、イベントなどを通じた啓蒙活動や、企業や自治体に向けた取り組みの支援を進め始めたところです。

10月が「食品ロス削減月間」、10月30日が「食品ロス削減の日」となったことで、急に「食品ロス」という単語を見かけることが増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。

飲食店や自治体に対して食品ロス削減へのアドバイスを行ったり、個人向けに各種イベントが開催されたりと、食品ロスに対する認知度は少しずつ向上してきています。

企業各社も食品ロス問題に対して様々な取り組みを行っています。詳しくはこちらをご覧ください。

食品ロスへの取り組みとして個人ができること

食品ロスへの取り組みとして個人ができること

環境問題や、世界での飢餓問題、食品ロス問題と聞くと、どうしても大きすぎる問題のように聞こえてしまいがちです。
一個人が何か出来ることはないのではないか…と感じる方も多いかもしれません。

ただし、先の農林水産省のデータによると、日本での「まだ食べられるのに破棄される食品」の半分近くが各家庭から出ているという点は見逃せません。

一人ひとりの意識を少し変えるだけで、食品ロス削減問題への解決の一歩に繋がります。

誰でも簡単に始められる、ちょっとした取り組みをご紹介していきます。

外食時にできること

外食時に意識できることは2つあります。

一つ目は、オーダーしすぎないこと。
二つ目は、残ったものを持ち帰ること。

「え?これだけ?」というくらい簡単ですが、出来ている人は少ないのではないでしょうか。

一つ目の「オーダーしすぎないこと」は、頼むときの品数だけではありません。

健康管理の為にごはんを減らしていたり、大盛のおかずは毎回残ってしまうという方もいるかもしれません。
そのような場合は、メニューに書いていなくても、オーダー時に「小盛り」をお願いしたり、定食の品数を減らしてもらうようにしましょう。

二つ目の「残りものを持ち帰ること」ですが、飲食店で食べきれないものが出てしまった場合、ドギーバッグ制度を利用しましょう。

ドギーバッグ制度とは、個人が持参した、もしくはお店側の準備するテイクアウト容器に入れて、残り物を持ち帰るシステムです。

これなら食べきれなかったものを持ち帰って、次の食事の時にまた食べることが出来ます。

欧米ではすでに定着しているドギーバッグ制度ですが、日本では衛生問題の懸念からほとんど導入されていませんでした。

食品ロス削減対策として、mottECOステッカーが貼ってあるお店での対応が進んでいます。
これを機に日本での普及が進むよう、見つけたら積極的に活用してみてください。

参照元:食べ残しの持ち帰り行為「mottECO」のロゴができました!| 環境省HP

買い物の時にできること

買い物の時に意識できる取り組みは、2つあります。

一つ目は、「買いすぎないこと」
二つ目は、「見切り品を買うこと」

どちらも既に注意している方もいらっしゃるかもしれません。

まず、一つ目の「買いすぎないこと」ですが、お買い得!などのフレーズにつられてまとめ買いしたものの、結局使いきらなかった…という苦い経験がある方も多いのではないでしょうか。

食品ロスの第一ステップは、必要最低限の買い物に抑えること。
特に生鮮食品は足がはやいので、使い切れる量だけ買いましょう。

二つ目の「見切り品を買うこと」は、賞味期限が近く廃棄されそうなものがあれば、そこから選ぶことも意識してほしいという点です。

その日中に食べるものであれば、見切り品でも問題ないはず。
少しでもスーパーや八百屋さんからの廃棄を減らすべく、チェックしてみてください。

料理をする時にできること

料理をしている時に気を付けるとよい取り組みは2つあります。

一つ目は、「食材が傷む前に使うこと」
二つ目は、「出来るだけしっかり食べきること」

出来るだけゴミ箱に入れる食材が減らせるよう、知恵を働かせていきましょう。

一つ目の「食材が傷む前に使うこと」は、一見当たり前のように見えますが意外と難しいもの。
野菜など足のはやいものからどんどん使い、傷んだり消費期限が切れて処分するということがないように、優先順位をつけていきましょう。使い切れなそうな場合は、調理加工する、冷凍保存するなどの保存方法にも注意をすると良いでしょう。

二つ目の「出来るだけしっかり食べきること」は、食品ロス対策としても沢山のレシピが紹介されています。
いつもなんとなく捨ててしまう大根の葉っぱや、玉ねぎの皮なども、実は美味しく活用することが出来るとご存知でしょうか。
作りすぎてしまったおかずは別の料理にリメイクして変身させれば、飽きずに食べきることが出来ます。

消費者庁をはじめ、食品ロス削減に取り組む企業や自治体が多くのレシピを提供していますので、チェックをしてみると新しいアイディアに出会えるはずです。

参照元:Cookpad | 消費者庁のキッチン

まとめ:食品ロスを減らすためには個人の小さな一歩から

食品ロスまとめ

2019年の食品ロス削減推進法の制定以降、少しずつ耳にしたり目にすることが増えてきた「食品ロス」についてご紹介してきましたが、少しでも身近に感じることが出来ましたでしょうか。
SDGs観点の取り組みは沢山ありますが、特にこの食品ロス削減への取り組みは、一個人が出来る対策が沢山あります。

外食をするとき、食材を買うとき、料理をするとき。
毎日の食事の際に、少しでも「良い選択」が出来るように意識を変えてみてください。
取るに足らないような小さなアクションに見えるかもしれませんが、一人一人が少し気を付けるだけで大きな変化に繋がっていきます。

  • 記事を書いたライター
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