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地熱発電とは?仕組みやメリット、日本の課題を解説!

世界有数の火山国である日本は、各地に火山の地熱を利用した温泉地が存在します。
しかし、地熱の利用方法は温泉だけではありません。
エネルギー資源としても利用できます。

日本はアメリカとインドネシアに次ぐ、地熱資源大国です。
この豊富にある地熱資源を、うまく活用できないかと現在注目されているのが地熱発電になります。
地熱発電が普及すると、日本のエネルギー自給率の向上だけではなく、環境負荷の軽減にもつながります。

本記事では、地熱発電の仕組みやメリットについてまとめました。
まずは、地熱発電がどのようなものか仕組みを知りましょう。

地熱発電の仕組み

地熱発電の仕組み

地球は、中心部にいくにつれて温度が上がります。
その温度は、深さ30〜50kmで1,000度ほどにもなるそうです。
しかし現代の技術では、この深さにある熱源を利用するのは難しいと考えられています。
そのため、現在は地熱帯にあるマグマ溜りを利用。

火山や温泉・天然の噴気孔などが存在する地熱帯には、深さ数kmの場所に1,000度前後のマグマ溜りが存在します。
マグマ溜りで発生した熱は地下水を加熱し、地熱貯留層と呼ばれる地層に溜まっていきます。
この地熱貯留層に溜まった熱エネルギーを利用して電気を発生させる方法が地熱発電です。

地熱発電は、下図の流れで行われます。

【地熱発電のしくみ】

地熱発電のしくみ

引用元:地熱発電|九州電力

そして地熱発電には、2種類の発電方法が存在します。

続いては、その発電方法について見ていきましょう。

フラッシュ発電方式とバイナリー発電方式の2種類がある

地熱発電には、フラッシュ発電方式とバイナリー発電方式の2種類があります。

フラッシュ発電方式は、蒸気を利用し発電機をまわして発電する方法。

バイナリー発電方式は、加熱された地下水の熱エネルギーを利用して、水よりも沸点の低い媒体と熱交換を行った際に、発生した蒸気を利用する発電方法です。

【バイナリー発電方式のしくみ】

バイナリー発電方式のしくみ

引用元:地熱発電のしくみ|日本地熱協会

日本ではフラッシュ発電方式を採用している地熱発電所が多いのですが、新エネルギーとしてはバイナリー発電方式に限られています。
そのため、近年バイナリー発電方式が注目されているのです。

ここまでは地熱発電の発電方法を紹介しました。
地熱発電がどのような仕組みで行われているのか、理解できたのではないでしょうか。

続いては、地熱発電のメリットについて見ていきましょう。

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地熱発電のメリット

地熱発電のメリット

地熱発電のメリットは3つあります。

発電量を季節や天候に左右されない

地熱発電は太陽光発電や風力発電のように、発電量が季節や天候に左右されません。
また時間も発電に関係していないため、昼夜問わず24時間の発電が可能です。

発電設備の規模で比較すると他の再生可能エネルギーに劣るかもしれませんが、設備容量に対して発電できる電力量も多く、安定しています。

二酸化炭素の排出量が少ない

ライフサイクルCO2排出量(※)を算出すると、地熱発電は排出量が少ない発電方法の1つに分類されます。

引用元:地熱発電の特徴|日本地熱協会

二酸化炭素は地球温暖化の原因の1つだと言われているため、排出量が少ない地熱発電が普及すると地球温暖化の改善につながるでしょう。

(※)ライフサイクルCO2排出量:発電所の建設〜運転中・発電所の解体までに発生する二酸化炭素を表す数値。

純国産エネルギー

経済産業省の資源エネルギー庁によると、日本のエネルギー自給率は2018年時点で11.8%。

引用元:2020年日本が抱えているエネルギー問題(前編)|資源エネルギー庁

これは、エネルギー資源の約9割を輸入に頼っていることになります。
もともと日本は、石油や石炭・液化天然ガスなどの化石燃料がほとんど採れない国です。
そのため、輸入に頼らなければいけません。

しかし日本は、地熱資源は豊富に持っています。
地熱発電が普及し、純国産の地熱エネルギーを有効利用できれば、エネルギー自給率も上昇するでしょう。

ここまでは地熱発電のメリットを紹介しました。
エネルギー資源も輸入に頼らず発電でき、発電量も安定している地熱発電ですが課題も残されています。

続いては、その課題に焦点を当てていきましょう。

参照元:地熱発電の特徴|日本地熱協会

日本が抱える地熱発電の課題とは?

日本が抱える地熱発電の課題とは?

日本が抱える地熱発電の課題は、下記の通りです。

調査から運転開始までの期間が長い

地熱発電所の建設は、地下熱源の調査から始まります。
しかし地熱発電に適した場所は、国立公園や温泉地などが多く、自然や温泉資源の保護等を理由に地元の人の理解を得にくい場合が多々あります。

調査後も探査事業や環境アセスメント・開発事業などが行われるため、運転開始までに15〜20年ほどかかってしまいます。

引用元:わが国の地熱発電-現状と課題-|日本地熱協会

さらに、期間が長い分かかる費用も大きくなります。
しかし、これほどの時間とお金を投じても、必ず発電できるわけではないため、地熱発電所の建設は大きなリスクを抱えているのです。

景観の問題

先述した通り地熱発電所は、国立公園や温泉地になっていることも少なくありません。
そのため自然や温泉資源の保護の他に「景観が壊れる」ことを理由に、建設に反対する人もいます。

国立公園や温泉地などは、周りの雰囲気づくりも重要です。
しかし地熱発電所のような、大きな建物が付近に建つと景観を損ねてしまう恐れがあります。
最悪の場合、集客に影響が出る可能性もないとは言い切れません。

これ等の理由から地熱発電所建設に、反対の声を上げる人々もいるのです。

地熱発電とSDGsの関係性

日本が抱える地熱発電の課題とは?

日本で地熱発電が普及すると、SDGsの目標達成にもつながります。

まずは、SDGsのどの目標達成につながるかをお伝えする前に、SDGsとは何かを知りましょう。

SDGsとは

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略であり、日本では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
2015年の9月に開催された国連総会にて、193の加盟国すべてが賛同した国際目標です。

SDGsには、環境・社会・経済に関する課題解決のために、17の目標と169のターゲットが設定されました。
私たちは協力して、2030年までにすべての目標を達成し、誰一人取り残さない世界を目指します。

以上がSDGsの内容になります。
そして、その中でも地熱発電と関係の深いものが、目標7と目標13です。

目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

目標7は名前の通り、エネルギーに関する内容となっています。
地熱発電を含む再生可能エネルギーの拡大やクリーンエネルギー技術への投資など、あらゆる方面から課題解決を目指しているのです。

そのため、地熱発電が普及することによって、目標7の達成に貢献します。

目標13「気候変動に具体的な対策を」

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

目標13は気候変動と、その影響によって起こる課題に立ち向かうための内容となっています。

気候変動の主な原因は地球温暖化です。
そして地球温暖化は、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加が原因の1つだと言われています。

地熱発電は、火力発電のように燃料を燃やして発電するのではなく、地熱によって温められた地下水を利用します。
そのため、二酸化炭素の排出抑制効果が高い点がメリットです。

このことから地熱発電が普及すると、二酸化炭素の排出量削減につながり、気候変動対策や目標13の達成にも貢献します。

参照元:SDGs(持続可能な開発目標)|蟹江憲史

まとめ

まとめ

日本のエネルギー自給率の向上や、自然環境の保全につながると期待されている地熱発電。
せっかく豊富な地熱資源を抱えているのであれば、積極的に活用していきたいところですが、課題が残っていることも事実です。
今後、地熱発電が普及していくには、この課題解決が鍵となってきます。

私たち個人が地熱発電の普及に向けて、直接的に貢献できることは少ないかもしれません。
しかし、地熱発電について調べ理解を深めることは個人にもできます。

「今のままでも不自由なく暮らせているから、自分には関係ない」ではなく、自分事と考え、知ることから始めてみませんか。

  • 記事を書いたライター
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鹿児島県在住のフリーライター。コーヒーをきっかけにSDGsを知り、興味をもつように。普段は、ライフスタイルやSDGsに関する記事を執筆しています。

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