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企業・団体事例

不二家のSDGsに関する取り組みとは?6つの柱で描く持続可能な企業活動をご紹介!

「ペコちゃん」でお馴染みの株式会社不二家(以下、不二家)が、SDGsの達成に向けてどのような取り組みをしているかご存知でしょうか?

SDGsに関して “6つの柱” を設け、全方位的に社会と環境問題に対してさまざまなアプローチを行なっています。

今回は不二家が掲げるビジョン・ミッションとSDGsに対する取り組みをご紹介します。

不二家のビジョン・ミッション

不二家は、1910年の創業以来、変化する時代に対応しながら現在に至るまで、多くの人に親しまれる商品を提供してきました。なかでも不二家と言えば「ペコちゃん」で、誰もが知る存在です。

ペコちゃん

©FUJIYA

「世界のすべてのお客様に愛される企業を目指す」というビジョンの通り、不二家の商品は多くの人に「食」を楽しんでいただける存在となっています。

幅広く展開する不二家ですが、お客様へ「安全、安心な商品を提供する」といった想いが根底にあり、食品安全衛生管理の徹底や「クレームゼロ」を目標とした取り組みに注力しています。
また、世界中でサステナビリティが重視されるようになった昨今、不二家でも環境保全や資源の有効活用に関する取り組み、ダイバーシティの推進などを手がけています。

不二家のSDGsにおける6つの柱

不二家では、SDGsに関して以下の6つの柱を設け、それぞれで取り組みを行なっています。

  • 1. お客様に対して
  • 2. 地域社会に対して
  • 3. 環境に対して
  • 4. 株主・投資家に対して
  • 5. 取引先に対して
  • 6. 従業員に対して

各取り組みの中から一部をご紹介します。

1. お客様に対して

お客様との信頼関係は、商品の美味しさはもちろん安全な品質あってこそ成り立ちます。
不二家では、美味しさの追求と合わせて、お客様が安心して食を楽しめる商品を提供する努力を行なっており、不二家における最優先課題です。

不二家食品安全の日

不二家では、2007年1月に期限切れ原料を使用した出来事から一連の問題が発生しました。この問題と真摯に向き合い、風化させないために1月11日を「不二家食品安全の日」と定めています。
また、毎年1月に従業員に対して、過去の歴史と向き合い、食品安全を守ることの重要性を再認識する教育を実施しています。

AIBフードセーフティ

AIBフードセーフティとは、原材料の入荷から製品出荷に至るまで、すべての工程で安全性を確保し、食品安全衛生管理を有効に機能させる事を目的とした取り組みです。
アレルゲン管理や有害生物管理、清掃活動など、100項目を超える項目がまとめられた「AIB国際検査統合基準」に則って活動をしています。

2007年2月にスタートして以来、洋菓子製造6工場、菓子製造3工場、およびレストラン店舗にまで取り組みを拡大しました。(2023年6月現在)

2. 地域社会に対して

不二家では、地域社会の良き一員として、健全な企業活動をするとともに、積極的な社会貢献活動を行なっています。

キッズアカデミー

2003年4月に設立した「不二家ファミリー文化研究所」では、「食育」「自然」「親子のふれあい」をテーマにした親子参加型のイベント「キッズアカデミー」を開催しています。

キッズアカデミーオンライン

キッズアカデミーオンライン

2022年10月28日には、第10回ペコちゃんキッズアカデミーオンラインを開催しました。
2019年のコロナ禍による活動休止以来、約3年半ぶりの実施となり、キッズアカデミー初のWEBを活用した企画でした。

多くの方にご応募いただき、抽選で10組29名の親子が参加され、「ミルキーの製造工程紹介」「ミルキーに関するクイズ」「お菓子かばん製作」に取り組みました。

『お菓子かばん』完成後の記念撮影

『お菓子かばん』完成後の記念撮影

「こども宅食」事業

近年、子どもの貧困が問題視され、各地でさまざまな取り組みがなされています。
不二家でも、2017年より東京都文京区とNPO法人など6つの団体が協働しスタートした「子ども宅食」事業に協力をしています。

同事業では、経済的に困窮している子育て世代を対象に食品を無償で届けています。対面で届けることをきっかけにコミュニケーションを図り、子どもたちを見守り、必要であれば適した支援につなげることも大きな目的としています。

地域社会から子どもたちや家族が孤立することのないように、今後も不二家のお菓子を通じてサポートを続けていきます。

チャイルド・スポンサーシップ

不二家では、2020年から特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)の取り組みの一環である「チャイルド・スポンサーシップ」に参加しています。
途上国に生きる子どもたちは、貧困や衛生問題、紛争、児童労働など非常に過酷な環境の中にいます。

チャイルド・スポンサーシップは、こうした劣悪な環境を改善し、子どもたちの健やかな成長をサポートする活動です。
長期的な支援を通して、子どもだけでなく途上国で暮らす人々すべてが「未来を切り拓く力」をつけられるよう、この先も支援を続けていきます。

3. 環境に対して

不二家では、「環境基本理念」および「環境基本方針」にもとづき、「地球にやさしい企業」を目指した活動を行なっています。

地球温暖化防止への取り組み

2030年までにCO2排出量を2013年比で46%削減することを目指し、低炭素社会の実現に向けた取り組みを行なっています。
不二家の富士裾野向上、吉野ヶ里向上、秦野工場では、屋上に太陽光パネルを設置しています。

秦野工場太陽光パネル

秦野工場太陽光パネル

2022年は、3工場の稼働で149万kwhの電気使用量を削減し、CO2換算で687t-CO2の削減となりました。
2023年6月には富士裾野工場の太陽光パネルを増設予定で、さらなる削減を目指します。

そのほか、空調設備の環境対策や保管・輸送時の環境負荷低減など、さまざまな角度から地球温暖化防止への取り組みを行なっています。

食品ロス・廃棄物削減への取り組み

不二家では、商品の設計からお客様に届くまでに発生する食品ロスや廃棄物の削減に取り組んでいます。

2030年度の食品リサイクル率95%を目標に掲げ、工場の製造工程で発生した廃棄物を、積極的に飼料や燃料などへ再利用しています。
2022年度の商品リサイクル率は、77.6%になりました。

また、各商品に使用していたプラスチック包材の削減にも取り組んでいます。
2022年3月からは、主力商品であるカントリーマアムブランド3品の外装サイズを縮小しました。
その結果、合計で年間約100tのプラスチック削減に取り組んでいます。

カントリーマアム

©FUJIYA

参照元:主力商品におけるプラスチック使用量削減への取り組み。「カントリーマアム(バニラ&ココア)」「カントリーマアムチョコまみれ」など3商品の外装サイズを縮小|不二家 NEWS RELEASE

4. 株主・投資家に対して

企業にとって、株主や投資家の方々との信頼関係の構築は欠かせません。

不二家では、すべての株主の権利および平等性を実質的に確保し、健全な企業経営を推進しています。
そして、企業価値を高めた上で、利益を適正に還元することで受託者責任を果たし、長期的な信頼関係の構築を図っています。

情報開示

不二家では、社長自ら出席する決算記者会見の実施や機関投資家、アナリストとの対話などを積極的に実施しています。
また、一般株主様に向けたわかりやすい「報告書」を当社ウェブサイトに掲載するなど、適時適切な情報開示を意識しています。

CSR報告書 2023(社会・環境報告書)|不二家

5. 取引先に対して

不二家では、取引は常に公平かつ公正であることを重要視しています。
また、取引の内容は、顧客の創造、産業界に発展につながるものであることを目指しています。

クラウド型電子発注システムの導入

不二家の製品に使用する原材料は、200社を超えるお取引先様より購入しています。
お客様に安心して「食」を楽しんでもらうためにも、日々安定的に原材料を調達することが重要です。

そこで、不二家ではお取引先様との業務効率化を目的とした、クラウド型発注システムを導入しています。
従来は、FAXや伝票を使った取引を行なっており、煩雑な作業が伴っていました。
システムの導入により業務効率化だけでなく、ペーパレスが実現し、年間A4用紙30万枚分の削減を達成しています。

WCF(世界カカオ財団)に加盟

不二家は、2018年よりWCF(世界カカオ財団)に加盟しています。
WCFとは、カカオ栽培農家への技術指導や教育支援活動、過酷な児童労働のない社会実現に向けた活動です。

サステナブルカカオ豆の調達

不二家の製品に欠かせないカカオ豆の産地では、貧困や児童労働、栽培地を増やすことを目的とした熱帯雨林伐採などさまざまな問題を抱えています。

こうした課題を解決するため、不二家では2021年より持続可能な方法で生産された「サステナブルカカオ豆」の調達を始めました。
2028年までに、主な調達先であるガーナ産カカオ豆を100%サステナブルカカオ豆にすることを目標にしています。

現地の支援の様子

現地での支援の様子

6. 従業員に対して

従業員なくして、企業は成り立ちません。
不二家では、一人ひとりの個性を尊重し、風通しの良い組織運営を推進しています。

また、平等、公正な待遇を実現することで、従業員が家族に対する責任を十分に果たせるように配慮しています。

ダイバーシティに関する取り組み

不二家では、女性の活動躍進を目的とし、管理職と一般社員の意識改革や女性リーダーの早期育成、育児休業からの復帰支援などを手がけています。

2021年度の女性管理職の人数は23人(9.9%)、2022年度は24人(9.4%)となりました。
2024年度には全体の15%を目指して活動を続けていきます。

また、障がい者雇用や再雇用制度など、さまざまな観点からダイバーシティに関する取り組みをしている他、コンプライアンス室と連携した人権教育も実施しました。

ワークスタイルに関する取り組み

不二家では、早くから働き方改革に関する取り組みを行なっていました。
コロナ禍により2020年4月に発出された緊急事態宣言をきっかけに、ワークスタイルはさらに変化し、会議のオンライン化やテレワーク、本社内におけるフリーアドレスの活用などが始まっています。

2022年3月には、在宅勤務制度を新たに整理し「テレワーク制度」を導入しました。
当制度は、「在宅勤務」「サテライトオフィス勤務」「モバイル勤務」の3種類で構成されており、全従業員が利用可能です。

まとめ

今回は不二家のSDGsに対する取り組みについて一部をご紹介しました。

SDGsは、地球に暮らすすべての人に関わる課題です。不二家ももちろん例外ではなく、地域社会、地球の一員として、今後も積極的に取り組みを進めていきます。
菓子・食品メーカーとして幅広く事業展開する不二家に、是非これからも注目してみてください。

不二家本社受付

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