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企業・団体事例

親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する|認定NPO法人フローレンスの取り組み

日本では親子を取り巻く問題が山積しています。病児保育問題、ひとり親問題、待機児童問題、障害児保育問題、赤ちゃん虐待死問題など。社会問題が多くの親子を苦しめています。

フローレンスのミッションは「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」。事業を通して社会問題を解決しているフローレンスですが、どのように解決しているのでしょうか?

今回は、フローレンスのみんなで社会変革事業部広報・秘書チームの清野さんにお話を伺いました。

創業のきっかけは病児保育問題

(フローレンスのみんなで社会変革事業部広報・秘書チームの清野さん)

 

ーーフローレンス創業のきっかけや経緯を教えてください。

清野さん 会長の駒崎がベビーシッターだった自身の母親から、病児保育問題の現状を聞いたのが始まりです。「子どもが熱を出して保育園に行けず、会社を休んで看病したら、解雇された」と聞き、訪問型病児保育事業立ち上げに至りました。保育園では子どもが37.5℃以上の熱を出すと預かってもらえません。子どもが熱を出すのはあたりまえのことですが、それにもかかわらず、子どもの看護のため仕事を休まざる得ないことが理由で仕事を失う人々が存在しています。フローレンスは訪問型病児保育事業を通じ、親だけが子育てする社会から、社会全体でそれを支え、共に子ども達を育む社会を目指しています。

 

ーーフローレンスの病児保育事業の特徴は何でしょうか?

清野さん フローレンスの病児保育は、自宅にお伺いする”訪問型”であり、看護はもちろん、病児との遊び方など多様な研修を受けた病児保育のプロが、お子さんの個性や症状に寄り添ったケアを行っています。病児保育件数は2005年の事業開始以来、累計10万件を突破しました。

子どもは急に体調を崩すことが多いもの。ご自宅でのマンツーマン保育なので、はしか以外の感染症でもお預かりが可能なことも、大きな特徴ですね。

 

ーー利用会員の皆さんの反応はいかがですか?

清野さん 2008年には、訪問型病児保育を通してひとり親家庭が安定的に働ける環境を提供し、就労、そして家計の安定を支援するため、「寄付によるひとり親支援プラン」もスタートしました。18年間、10万件を超える病児保育を提供してきた中で、様々なご家庭から、「絶対的な安心感と信頼、保育スキルの高さ。きめ細やかな心遣いでお陰様で仕事に集中できました。」「コロナ禍で在宅勤務が増え、仕事を休まなくても何とか看病を乗り切ることもできる状況にはなったものの、プロの方に見てもらって子どもも楽しく過ごせて、自分も気兼ねなく仕事を進めることができて、親子共に気持ち良く過ごせることに気付きました。」といった感謝の声をいただいています。

 

赤ちゃん虐待死問題と「フローレンスの赤ちゃん縁組」

ーー日本では特別養子縁組の件数がまだまだ少ないですが、取組を通して難しさを感じませんか?

清野さん まず、すべての妊婦さんが安心して出産できる環境づくりが必要だと考えています。それは、子どもが安心・安全に生きられる社会のために不可欠なもの。予期せぬ妊娠を自己責任で片づけては、赤ちゃんの遺棄・虐待は無くなりません。

そのための”手段の一つ”として特別養子縁組を考えているので、養子委託数を優先していません。フローレンスでは、悩みを抱えた妊婦さんに「にんしん相談」も行っています。そこでは、自分で育てるための支援や制度も伝えます。本人と赤ちゃんにとっての最善を一緒にじっくり考え、特別養子縁組につなげるのは、本人が納得して決めた場合だけ。子ども、実親、養親、三者が幸せになることを大切にしています。”人生に寄り添う”支援といえるかもしれませんね。

2016年の開始から2023年3月までに対応した相談4,251件のうち、特別養子縁組に至ったのは28件と、1%以下です。フローレンスの「赤ちゃん縁組」は、特別養子縁組だけでなく、妊婦さんへのきめ細かな支援も含む事業であるということ。私たちが目指すのは、周囲が「育てられない」と決めつけるのではなく、予期せぬ妊娠に悩む女性が安心して支援を受けられる状態。そして、すべての子どもが愛情を感じて生きられる未来です。

活動の大半は、同じ思いを持つ寄付者の皆さんのご支援に支えられています。

 

コロナ禍の緊急支援

ーーコロナ禍にひとり親家庭への緊急支援を行ったとお聞きしました。具体的にどのような活動をされましたか?

清野さん 主に3つの緊急支援を行いました。1つ目に「食品・日用品の提供」、2つ目に「こども宅食」、3つ目に「1人親を対象とした病児保育」です。

「食品・日用品の提供」では、物を提供することが目的ですが、困っている方と緩やかに繋がることも意図しています。関係性をつくり、困り事に気づければ、支援に繋げることが可能です。

「こども宅食」では食品をご家庭に配送しています。よく比較されるのが「子ども食堂」ですが、「子ども食堂」では子どもが食堂という場に出向く必要があり、それがハードルとなる場合もあるんですね。「こども宅食」はご家庭に食品や物品を配送するため、事情があり「場」に来づらい人にも支援を届けることができるという特徴があります。周囲に分からないかたちで、必要とする家庭にピンポイントで支援が届けることができ、またLINEという手軽なツールで申し込みができるので程よい距離感で繋がれる、という点も魅力です。

「1人親を対象とした病児保育」では、フローレンスの訪問型病児保育を低価格で提供しました。さらにコロナ禍で就職先に困っている親に、就労支援も行っています。

 

デジタルソーシャルワークへの挑戦

ーー従来のソーシャルワークは対面が基本だと思いますが、どんな点が課題だったのでしょうか?

清野さん 対面のソーシャルワークは、地域によって社会資源が乏しかったり、自治体の窓口に行かないと申請できなかったりとハードルがありました。日本は申請主義なので、自治体に出向いて申請しないと、支援が受けられません。「申請しているところを周囲の人に見られたくない。」「平日は仕事をしているから行けない。」などの声がありました。

 

ーーデジタルソーシャルワークの特徴を教えてください。

清野さん オンラインで可能な支援を提供しながら、継続的に声をかけ、ゆるやかに雑談・相談を受けながら、自然な流れで情報提供・支援へつなぐ点が特徴です。
フローレンスで取り組むチャット相談「おやこよりそいチャット」で利用者と対話するデジタルソーシャルワーカーは社会福祉士、精神保健福祉士等の有資格者で、相談実務経験がある方を1名以上配置したチームで対応しています。

デジタルで繋がり、継続的な情報提供や相談支援を通じて関係性を築き、必要に応じて対面支援などの社会資源に繋いでいます。

まとめ

フローレンスは「みんなで子どもたちを抱きしめ、子育てとともに何でも挑戦でき、いろんな家族の笑顔があふれる社会」の実現を目指しています。困っている親子に寄り添いながら事業形態を変化させていることに加え、親子の笑顔を妨げる社会課題を、事業と政策提言の両軸で解決しようとしていることが印象的です。

今回ご紹介した事業以外にも、待機児童問題の解消を目的とした「小規模保育園」や、障害のある子どもの保育の受け入れ先が極度に不足している問題に対する「障害児保育事業」などを運営しています。

最近では事業にとらわれず、政策提言やソーシャルアクションを通して、法改正や川上の改革に力を入れているそう。日本中のすべての親子の笑顔のため、「新しいあたりまえ」がたくさん生まれることを期待しています。

  • 記事を書いたライター
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エシカルライター。南米エクアドルで女性の自立支援を行うNGOへ訪問し、現地の女性たちとの交流をきっかけにフェアトレードを仕事にすると決意。帰国後フェアトレード商品を扱うアパレル雑貨店で勤務し、店長を経験する。店舗でできることの限界を感じ、ライターに転身。「エシカル消費を広める。」をモットーに活動中。

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