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人や国の不平等をなくそう

人種差別をなくすには何が必要か?私たちにできることを考える

人種差別をなくすことは、とても複雑で難しい問題です。

なぜ人種差別が起きてしまうのか。
それは、私たちのかたよった知識だけで判断した偏見と固定観念が原因です。

今回は、人種差別の原因になる考えについてと実際の人種差別事例、私たちができることについて紹介します。

人種差別をなくすには、まず偏見と固定概念を考える

人種差別をなくすには、まず偏見と固定概念を考える

人種差別がなぜ起きるかというと、あらかじめ個人や社会が持っているイメージなどが偏っているためです。

このイメージの偏りはなぜ起きてしまうのか。
それは、社会で生きていくうえで、誤っていたり偏っていたりする情報によって固定観念が出来上がり、それが行動を伴って差別へと発展してしまいます。

ここでは、人種差別の原因になる偏見や固定観念などのイメージの違いを解説します。

偏見とは

偏見とは、根拠がなく不公平な考え方のことを言います。

偏見は、ネガティブにかたよった考え方や感情です。
偏見を持つことは、特定の集団や個人に対して、科学的根拠が何もなく主観的に判断してしまいます。
決めつけや思い込みも同じようなことが言えるでしょう。

人種や国籍によっても偏見があり、例えば、「〇〇人はマナーが悪い」などの決めつけは、偏見と言えるでしょう。

固定観念(ステレオタイプ)とは

固定観念(ステレオタイプ)とは、ある特定の対象がかたよった知識や不確かな情報などによってゆがめられた一般像が、多くの人に浸透しているイメージです。
例えば、「イタリア人は全員パスタが好き」などです。

固定観念のすべてが悪いことばかりではありませんが、しばしば誤った固定観念を抱かれることで、差別などの不当な扱いを受ける原因になります。
固定観念は、社会で生活していくうえで共通認識として身に着いていくことがあるため、無意識に悪い固定観念を抱いてしまうことはあります。

また、すでに出来上がっている固定観念を覆すような科学的根拠が示されても、簡単に固定観念を入れ替えることは難しいとされています。

先入観とは

先入観とは、固定観念に似ていますが少し異なります。

先入観は、最初に得た知識のみで作り上げた思い込みで、その思い込みのせいで自由に考えることができなくなっている状態です。
人は、最初に学んだことを正しいと考える傾向があるため、最初に知ったことをそのまま思い込み、物事に対して先入観を持って接することがあります。

先入観も固定観念も、安全に生活をするために警戒することができるので、すべてが悪いことではありません。
「暗い道を通らない」「暴力をふるう人とは結婚しないほうが良い」など、知識によって、危険を回避できることがあるからです。

しかし、人種差別につながるような先入観を持つことは、良くないと言えるでしょう。

差別とは

差別とは、偏見や固定観念からくる、かたよった感情や考え方から現れる行動です。
例えば、「黒人は野蛮ですぐに怒り出すから、同じ職場で働いていても、飲み会などには誘わない」など、行動してしまうことです。

これこそ偏見と誤った固定観念からくる行動で、不平等に取り扱われる差別となります。
住む地域の文化や言語、肌の色の違いは当然あることですが、それぞれの社会の中で偏見や悪い固定観念が定着してしまうことで、差別が行われています。

差別は歴史の中でも根深く、現在も大きな問題として認識されています。

実際に起きている人種差別の事例

実際に起きている人種差別の事例

実際に起きている人種差別の事例はどのようなものなのか、起きている問題を2つ挙げます。

黒人差別

黒人差別は主にアメリカで、大きな問題として昔から認知されています。
元々黒人は、17世紀ごろに奴隷としてアメリカに連れてこられ、そこから強制労働などを強いられてきた背景があります。

アメリカ南部諸州法のジム・クロウ法は、1876年~1964年まで黒人などの有色人種を白人と差別するような内容の、実際にあった法律でした。
トイレや公園、学校など一般公共施設等を白人用と黒人用に分離するものです。

1964年に公民権法が制定されるまで続いたとされていて、その経験もありいまだに黒人差別を象徴するような法律として記憶に残っていると言われています。

現代でも2020年に武器も持っていない黒人が、白人警察官に押さえつけられ窒息死する事件をきっかけに、世界中でデモが起きるほど人種差別は大きな問題として取り上げられました。

ヘイトスピーチ

ヘイトスピーチとは、ある特定の国や地域の人を対象にした攻撃的な発言です。
日本でも韓国人に対して、「韓国人は日本から出ていけ」などのデモが起きたとき、ヘイトスピーチとして問題になりました。

日本ではヘイトスピーチ解消法が平成28年に制定し、日本以外の出身者に対しての不当な差別的な発言をしないように規制がされています。

人種差別をなくすには私たちは何から始めるべきか

人種差別をなくすには私たちは何から始めるべきか

人種差別は偏見や固定観念からくる、かたよったイメージから起きることが多いです。

人種差別をなくすには、私たちはどのようなことから始めれば良いのかを提案します。

自分の固定観念や偏見がどこから来るか考える

まずは、私たちがすでに抱えている人種別の偏見や固定観念はどのようなものなのか、しっかり向き合うことが必要です。

そして、その偏見などはどこから来たのかを冷静に考えてみましょう。

周りの人と人種差別について話す

周りにいる身近な人に、人種差別について話し合ってみるのも、他の人の意見が聞けて自分の中の認識が共通して偏っているかもしれないと、気づける場合があります。

同じコミュニティーにいると、同じ固定観念にとらわれる場合もあるため、まずは他の人はどのような認識なのか知ると良いでしょう。

人種差別をなくすには、どのような行動をすればいいのかアイディアを共有できるかもしれません。

人種差別をなくすための行動をする

人種差別をなくすために、まずは本を読むなどの情報収集をして、フラットな目線を手に入れる行動をしてみると良いでしょう。

かたよった知識だけだと、偏見のまま終わってしまいます。
どのような問題が起きているのか、さまざまな視点から物事を見ることができるようになると問題の見え方が変わってくるでしょう。

また、黒人差別について、実際にアメリカなどの不当な扱いを受けている黒人の支援団体へ募金や署名などができます。

人種差別をなくすには、まずはお互いを知り、偏見をなくすための行動をする必要があります。

まとめ

まとめ

人種差別をなくすには、今抱いている偏見や固定観念を一度見直す必要があります。

誰しも社会の中で生きているので、そのコミュニティー特有の固定観念を持っています。
固定観念や先入観は、必ずしも悪いことばかりではありませんが、人種や個人についての差別につながるネガティブな感情や考え方は、改める必要があるでしょう。

まずは、かたよった知識だけではなく、フラットな目線で考えられるように、いろいろと調べて知ることから始めると良いです。

島国の日本でさえ、ヘイトスピーチなどの差別的な発言を聞く場面はあります。
その時、同調せずに自分は差別的な行動はしないと考えられる知識と考え方ができることは、素晴らしいことです。

この機会にぜひ、人種差別について考えてみてはいかがでしょうか。

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