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ジニ係数とは?わかりやすく解説!ジニ係数の日本での推移や世界ランキングも

社会の所得格差をわかりやすく数値化することができる指標をジニ係数と言います。

ジニ係数は、1936年にイタリアの統計学者のコッラド・ジニが考案しました。

収入の格差社会は、その実態が表面化しにくいことが問題を深刻化させている理由のひとつです。

ジニ係数を理解することで、所得格差の原因や課題を浮き彫りにし、わたしたちひとりひとりにできることも見えてくるかもしれません。

今回は、ジニ係数とは?ジニ係数の日本の推移や今後の予想、ジニ係数の世界ランキングなどをわかりやすくまとめてご紹介します。


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ジニ係数とは?

ジニ係数とは

ジニ係数は、0~1の数値間で所得格差の割合を表すことができます。

主に厚生労働省の「所得再分配調査」や総務省統計局の「全国消費実態調査」で発表されていて、0に近ければ近いほど所得の格差はなく、1に近づくにつれ所得の格差が広がっている状態を示しています。

ジニ係数は3年ごとに厚生労働省の所得調査によって発表されていますが、例えば今回のジニ係数が0.559、前回のジニ係数が0.570の場合、今回の数値の方が0に近づいているので所得格差が少なくなったといえます。

また、わかりやすくパーセンテージで表すと、ジニ係数40%以上は警戒ライン、60%以上は危険ラインとされています。

「当初所得ジニ係数」と「再分配所得ジニ係数」2種類のジニ係数とは?

「当初所得ジニ係数」と「再分配所得ジニ係数」2種類のジニ係数とは?

ジニ係数には、「当初所得ジニ係数」と「再分配所得ジニ係数」の2種類あります。

・当初所得ジニ係数  単純に前年度の収入を対象に計算した数値のこと。

・再分配所得ジニ係数 社会保険料や税金などを控除し、公的年金や医療・介護保障給付、生活保護給付などを加味した所得を対象に計算した数値のこと。

所得格差への対策効果のわかるジニ係数とは?ジニ係数の推移とジニ係数の見方

所得格差への対策効果のわかるジニ係数とは?ジニ係数の推移とジニ係数の見方

下記のグラフで示されているように、厚生労働省の調査結果によると、1990年代から現在にかけて徐々に当初所得ジニ係数は上がり続けていることがわかります。1999年は0.472であった当初所得のジニ係数は、2017年には0.5594にまで上昇しています。

当初所得ジニ係数が上がり続ける原因のひとつは、出生率が低下し働き世代が減っていく一方で、1970年代から始まった高齢化とされていました。

その対策のひとつとして、今まで一生懸命働き、保険料を払い続けてきた人がもらえる「退職一時金」や「企業年金」「生命保険金」などを「再分配ジニ係数」に計上し、所得の多い人には税金を多く払ってもらうなどをしてバランスが取れるようにしました。

その甲斐あって再分配所得ジニ係数については、1990年から0.3643と比較的0に近く、2017年でも0.3721と、当初所得ジニ係数と比較すると、数値上で改善されているといえます。

税金が上がったり社会保険料が上がったりすることで「いたたた・・・」と思う気持ちも正直わかりますが、できる限り所得格差がなくなるような対策だと知ることで納得できる部分もあるはずです。

ジニ係数推移グラフ

参照元:図表1-8-9 所得再分配によるジニ係数の改善の推移|厚生労働省

世界各国のジニ係数とは?世界のジニ係数推移からわかる日本の特徴

世界各国のジニ係数とは?世界のジニ係数推移からわかる日本の特徴

日本だけの推移ではなく、グローバルな視点を持つことで見えてくる課題や対策もあります。

世界各国と比較していくことが、日本のジニ係数の推移をわかりやすくするポイントです。

積極的な経済成長と、公正で公平な世界を目指すOECD(経済協力開発機構)のランキングを見ると、2008年の日本はイギリスやアメリカなどの先進国より低く、ジニ係数0.336と平均的にみてもやや低い水準でした。

また最新の調査結果では、日本のジニ係数はOECDの平均を上回る数値ということに加え、ほとんどの先進国より所得格差が広がってしまっているという結果が出ていました。

参照元:経済政策改革 GOING FOR GROWTH 2019(成長に向けて)カントリーノート|日本-OECD
参照元:図表1-3-1 OECD主要国のジニ係数の推移|厚生労働省


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所得格差の少ない国のジニ係数とは?低水準ジニ係数国の特徴

所得格差の少ない国のジニ係数とは?低水準ジニ係数国の特徴

OECD主要国の先進国でありながら、低い水準のジニ係数をキープしている国があります。

その国は、スウェーデンとデンマークです。

これらの国は常にジニ係数0.3以下をキープしていますが、日本と比べるとGDPも15歳以上60歳未満の人口もそれほど多くありません。

しかし、厚生労働省の国際比較のデータを見るとジニ係数の数値が低い国に共通するのが「女性の就業率の割合」と「余暇と個人的ケアの時間の長さ」「日常生活の充実感の高さ」です。

この調査結果には、日本の所得格差を改善していくヒントがあると考えています。

参照元:国際比較からみた日本社会の特徴|厚生労働省

中国のジニ係数とは?ジニ係数危険水準にある中国社会

中国のジニ係数とは?ジニ係数危険水準にある中国社会

近年急激な経済発展を遂げ、新型コロナウイルスが世界中で蔓延するもなおGDPが18.3%と過去最高の増加を記録し、何かと話題の中国。

しかし、ジニ係数からわかる所得格差はというと、未だかつてない深刻な状況です。

四川省にある西南財経大学研究チームが行った推計では、2010年の中国のジニ係数は0.61と、比較的ジニ係数が高いといわれている南米諸国や東欧諸国より高い数値を記録しています。

中国は地域ごとの所得格差が有名ですが、特にリーマンショックが大きな原因のひとつになっているとも言われています。

もともと輸出製造業が盛んな中国では、リーマンショックの影響で大量の失業者が出たことにより、都市部に出稼ぎに来ている農村部の人の働き口もなくなってしまいました。

こういった影響をリカバリーできずに、ジニ係数からわかる所得格差の溝はさらに深まってしまっています。

参照元:中国、GDPが18.3%増 新型ウイルス抑制し過去最高|BBC NEWS
参照元:ジニ係数が示す中国の所得格差|中国焦点

所得格差をなくしていくために私たちができること

所得格差をなくしていくために私たちができること

所得格差をなくしていくために、わたしたちができる5つのポイントをまとめてみました。

1:貧困世帯への理解

増加している貧困層は、やはり高齢者世帯とひとり親世帯です。

特に、ひとり親世帯の貧困は子どもに十分な教育を受けさせられないという教育格差にも繋がり、その子どもの将来の所得格差にも繋がることも少なくありません。

日本では生活保護というセーフティーネットもありますが、うまく機能していないというケースも。

生活保護についての極端な事例や価値観をメディアで大々的に取り上げることで、生活保護への偏見を助長してしまっている節もあると思います。

生活が困窮し、生活保護を受けられるレベルの生活水準であっても、どうしても生活保護を受けたくないという人もたくさんいます。

生活保護を受けることは、恥ずかしいことでもいけないことでもありません。

健康で文化的な最低限の生活をするため、ひとりひとりが持っている権利です。

2:適正な報酬を得る

非正規雇用が増えたことも大きな要因のひとつ。

特に、子ども中心の生活になるひとり親世帯や、雇用自体が少なくなってしまっている地方での所得格差に繋がっています。

労働時間に対しての適正な賃金が支払われない場合も。

働き方や働き口は一つではなく、住んでいる場所に関係なく仕事ができる時代になっています。

自身の適正な労働賃金を正確に把握し、見合わないところであれば見切りをつけるということも重要です。

3:資産形成をする

「老後破産」や「下級老人」などというワードが話題になりましたが、年々深刻化していく高齢者の貧困。

厚生労働省の調査によると、1970年代から高齢化が始まり1995年以降高齢者の生活保護受給も急増しています。

しかし、その受給者の何倍もの高齢者世帯が生活保護受給をするに匹敵する資産状況であるにも関わらず、生活保護申請すらしていないとも言われています。

教育・住宅・老後が人生の3大資金と言われたりしますが、生きている限り老後だけは誰にでも必ず訪れます。

もちろん貯金も重要ですが、低金利の現代では株や投資信託などの金融商品を上手く活用しながら、長い期間をかけてお金を育てることで老後に備えていくことも必要です。

参照元:2019年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

4:自分の幸せを確保する

スウェーデンやデンマークといったジニ係数の低い国では、厚生労働省の調査によると「1日の時間の中で余暇や自分の好きなことに費やす時間」が約16時間と他の国に比べ最長で、幸福度も高いという結果も出ています。

反して、日本の余暇時間は最短で幸福度も低く、その延長線上として自殺率も高くなっています。

嫌なことを嫌々やり続けていたり、案外やらなくてもいいことをやっていて、自分の時間がなくなっているなんてこともあるかもしれません。

とはいえ「自分がやらなくてはいけない・・・」ということもあると思います。

そんな時は、自分の時間を今より15分でも多く確保することで、気分がリフレッシュできたり、逆に仕事のアイデアが浮かんだりして結果的に生産性が上がるのではないでしょうか?

自分自身のリラックスタイムをしっかり用意することも重要なことなのです。

5:他人事をやめる

ジニ係数を低くするためには、貧困層を支援することが重要です。

一方で、貧困層ではない世帯の税金面等の負担が多くなるという不満の声があるのも事実。

実際、厚生労働省のジニ係数に関する調査でも「政府は貧困層への援助を減らすべきだ」という見解に対して、賛同した人の割合は17%とフランス・アメリカ・イギリスの次に多い結果となりました。

また、「わからない」「どちらとも言えない」という意見の人が40%以上と先進国の中ではダントツに高い割合でした。

一見日本人らしい平和的意見のようにも思えますが、無知や無関心という可能性も大いにあります。

所得格差問題に限らずひとりひとりがどうすればいいか考え、自分の意見を持つことはとても大切なことだと思います。

参照元:国際比較からみた日本社会の特徴|厚生労働省

ジニ係数とは?それは、所得格差について考えるきっかけ

ジニ係数とは?それは、所得格差について考えるきっかけ

ジニ係数とは、わたしたちひとりひとりが所得格差の問題について考えるきっかけになります。

無関心な人はいても、無関係な人は誰もいません。
無関心は時に意図せず誰かを傷つけてしまったり、極端な意見に訳もわからず賛同してしまうというリスクを含んでいます。

まずは、「こういう方法があるのか」や「こういう考え方があるのか」という小さな発見を積み重ねてみませんか?

以上、「ジニ係数とは?わかりやすく解説!ジニ係数の日本での推移や世界ランキングも」の記事でした。

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