カゴメトマトケチャップ・野菜生活など、人気商品多数のカゴメ(KAGOME)。
実は、飲料・調味料の製造だけではなく、国内外を問わず原料農作物・種苗の生産業へ積極的にチャレンジしています。
このように、人々に欠かせない「食」の充実を目指すカゴメ株式会社(以下、カゴメ)は、SDGs・CSR活動にも積極的な企業です。
2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」を達成するため、大企業としての職責を果たすべく、いろいろな活動に取り組んでいます。
そこで、本記事ではカゴメのSDGs・CSR活動の具体的な取り組みについて、具体例を交えて紹介します。
わたしたちの生活に身近な企業の活動を参考に、一人ひとりがSDGsへの意識を高めるきっかけにしてください。
カゴメが目指すSDGsとは
「自然を、おいしく、楽しく、KAGOME」をブランドステートメントとするカゴメは、自然の恵みがもつ価値を活かした商品開発・提供を通じて、健康的な食生活の実現に貢献する企業。
2015年の国連サミットの採択に呼応するかたちで、2016年には次の3つの長期ビジョンを掲げて企業の社会的責任を果たすために、SDGs・CSR活動への取り組みを進めています。
・食を通じて社会問題の解決に取り組み、持続的に成長できる強い企業になる
・「トマトの会社」から「野菜の会社」に
・女性比率を50%に―社員から役員まで
それでは、カゴメの取り組みについて、具体的に見ていきましょう。
【働き方改革で多様性を実現】「生き方改革」の意識で総労働時間を削減
カゴメでは多様な人材を確保し、各人の成長を促すために、働き方改革をさらに進めた「生き方改革」を提唱しています。
たとえば、副業の解禁・選択制の時差勤務制度・テレワーク(在宅勤務制度)・時間単位有給休暇制度の導入によって、生活の豊かさのなかに労働をうまくフィットできる環境が整備されています。
また、従来年間総労働時間が1,900~2,000時間に及んでいた状況に対して、業務効率化を制度レベル・個人レベルで推進・会議のスリム化やチーム体制を構築。
「省人化と活人化」を目指すべく、2020年には年間総労働時間を1,800時間にまで削減し、従業員のライフスタイルの充実へのきっかけを作っています。
【ダイバーシティの推進】人材の多様性を生産性向上の両立
SDGs目標に掲げられているダイバーシティを推進するため、カゴメでは2040年頃までに「女性比率を50%に―社員から役員まで」を長期ビジョンに掲げています。
もちろん女性だけを特別視するのではなく、性別を問わずすべての従業員が個々のパフォーマンスを最大化できる環境作りをするのが主眼。
多様な人材・価値観が組み合わさることで創造される新しい価値観の創出が目指されています。
たとえば、全事業所の代表メンバーで構成される「ダイバーシティ委員会」では、職場コミュニケーション活性化・円滑化に向けた活動が進められています。
また、ダイバーシティ推進室が主導する「ワークライフセミナー」「インボスセミナー」などのイベントで従業員の意識改革・課題の形成の機会を設定しています。
これらの活動が社会的に評価され、2018年3月、カゴメは「新・ダイバーシティ経営企業100選」にも選出されているほどです。
【社会との絆】企業外との積極的な関わりで社会問題の解決に尽力
カゴメは独善的に企業収益の向上を目指すだけではなく、自治体・大学・他企業との幅広い連携を取りながら、社会問題の解決・企業成長の加速を図る会社です。
閉鎖的な価値観だけに支配された企業では、持続的な成長は不可能。
社会の一員として積極的に社会問題解決に関わることによって、持続的な成長・強い企業を体現できるといえるでしょう。
たとえば、2017年末に、西アフリカのセネガルに営農会社を設立。
トマト栽培をきっかけに、セネガルにおけるトマト産業の活性化を促進し、地域の経済体制の基盤の一助となるものです。
同時に、カゴメの培った営農技術が現地に根付くことによって、地産地消の促進・雇用の促進・途上国における所得向上にも資することになります。
また、2018年1月には、国立大学法人弘前大学との共同研究講座「野菜生命科学講座」を開設。
医学・生命科学と食品化学を融合した共同研究を実践する場所となり、学生支援・日本人の健康寿命の延伸が目指されています。
さらに、2015年から展開している通販事業「農園応援」では、全国の生産者が栽培する希少性の高い果物・野菜を限定販売。
生産者の高い技術・希少品種を次世代に継承する役割を担っています。
【350万人以上への食育支援】カゴメ劇場で子どもたちに「食」の大切さを
カゴメでは、ミュージカル「カゴメ劇場」を定期的に開催。
全国の親子に向けて、食べ物や健康の大切さを伝えています。
また、全国の小学校・保育園にトマトの苗・学習教材を無償で提供。
子どもたちが「食」の大切さや自然の育みの機微に触れられる機会を積極的に提供しています。
SDGsを達成するためには、次世代を担う子どもたちへの教育支援が不可欠です。
感受性の強い時代に「食」への興味を高められるように、カゴメはさまざまな社会貢献活動を展開しています。
【食糧問題への取り組み】野菜商品を主軸にグローバルで効率的な食循環を
カゴメでは、研究・開発・提供の全サイクルを通じて、グローバルで効率的な「食」循環の創出が目指されています。
これは、野菜商品という強みを活かす、世界レベルの食料問題解決に向けた取り組みです。
たとえば、研究領域ではオープンイノベーションを実践。
社会問題の解決を主たるテーマにするからこそ、自社研究と社外研究を組み合わせた取り組みが行われています。
機能性研究、品種・栽培技術研究、素材・加工技術研究などを通して、商品品質・安全性評価、知的財産の保護・活用の好循環が目指されます。
また、カゴメ商品の品質保証活動は、国内事業だけではなく海外グループ会社を通じてハイレベルに統一。
国ごとに異なる法規制・食習慣すべてに対応できるように、日本国内で確立したカゴメのノウハウをグループ共通の品質管理基準(Kagome Best Manufacturing Practice)を設定して、安定的な食生活を全世界に普及することが目指されています。
さらに、加工用トマト生産者の高齢化対策・世界的な食料不足対策のために海外新産地開拓など、持続可能な食料調達を可能にするための取り組みにも積極的。
社内従業員だけではなく、ステークホルダーにまで理念を共有することによって、SDGs目標達成への企業としての社会的責任を果たしています。
「野菜を愛するカゴメ」はSDGsで「世界を愛するカゴメ」へ
1899年創業、約120年の歴史があるカゴメは、トマト・野菜を主軸に事業を展開してきました。
「野菜を愛する」という企業理念を通じて、人々に届けられた豊かな食卓・笑顔は計り知れない数にのぼるでしょう。
そして今、世界はSDGs目標達成に動き出しています。
その世界のなかで大きな役割を担うカゴメも、企業としての社会的責任を果たしてSDGsに貢献するため、さまざまな取り組みに力を入れています。
SDGsに取り組む企業の商品を購入することは、私たちが「消費者という立場からSDGsに関わる機会をもつことができる」ということです。
コンビニやスーパーなど買い物の機会の際には、カゴメのように前向きにSDGsへ取り組む企業の商品を手に取ってみてはいかがでしょうか。
参照元:カゴメ株式会社 公式ホームページ