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多くの人の暮らす難民キャンプとは?現状と課題、私たちにできること

難民キャンプという言葉を聞いたことがありますか。
もしかしたらテレビの報道で見たことがある方もいるかもしれませんし、なんとなく困っている人たちが命からがら逃げてきた場所というイメージを持っている方もいるかもしれません。

難民キャンプとは国を追われた人に安心を提供する場所を指します。

この記事では、難民の定義を確認するとともに、難民キャンプではどのような人が、どのような暮らしをしているのかという現状を探っていきます。
また、多くの人の命を守る難民キャンプにおける課題点も洗い出していき、自分たちにできることは何かまで考えていきたいと思っています。

なんとなく自分の生活には関係のない気がしてしまう難民問題ですが、遠い国にいるからこそ改めて目を向けて勉強することが大切です。

難民とは?

難民の定義|どのような人たち?どこから来ている?
「難民」という単語はメディアなどの報道で見かけることも多く、とくに最近ではベネズエラからの難民問題が話題になることが多く、聞いたことがあるという人も多いと思います。

そんな「難民」ですが、具体的にはどのような人のことを指すのか、どれくらいいるのかを見ていきましょう。

難民とはどのような人たちなのか

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、難民とはこのような方々のことを指します。

1951年の「難民の地位に関する条約」では、「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人々と定義されています。

今日、「難民」とは、政治的な迫害のほか、武力紛争や人権侵害などを逃れるために、国境を越えて他国に庇護を求めた人々を指すようになっています。
引用元:難民とは?|UNHCR公式ホームページ

第二次世界大戦後の1950年に設立したUNHCRは、戦争を受けて家を失った人々を助ける活動から始まりましたが、今もなお「家を失った人」は増え続けている現状です。

難民はどこから来ている人たちなのか

UNHCRの統計によると、難民の主な出身国は5か国。
この5つの国から逃れてきた人たちが、世界の難民の約7割を占めているという現状です。

難民の出身国
1.シリア  6,700,000人
2.ベネズエラ  4,000,000人
3.アフガニスタン 2,600,000人
4.南スーダン 2,200,000人
5.ミャンマー  1,100,000人

これらの国から逃げ出した人は、トルコやコロンビア、パキスタンなどの周辺国にて受け入れられ、多くの場合は難民キャンプにて生活を余儀なくされています。

難民の数過去最大級に増えている現状

2020年時点で、世界における紛争や迫害によって移動を強いられた人は8,240万人と過去最大級の数字をたたき出しています。
そのうち、難民と認定されている方々が2,640万人とされています。

ベネズエラやミャンマーにおけるニュースは日々聞こえてきますが、2020年の間に新たに故郷を追われた人は1,120万人もいると想定されています。
今もなお、命からがら自分の国から逃げ出している人がいる、というのが現実です。

なお難民として故郷を離れ、なんとか難民キャンプにたどり着くことができたとしても、これで安心ということではありません。
援助を求める人が多すぎる場合、受け入れ可能人数を超えてしまうこともあります。

運営している支援団体による審査を受け、「難民」と認められて、やっとキャンプで暮らすことができるのです。

参照元:数字で見る難民情勢(2020年)|UNHCR公式ホームページ

難民キャンプとは?支援内容を知ろう

難民キャンプでの生活|支援の取り組み

難民として近隣諸国にたどり着いた方々に対して、安全な場所を提供しているのが難民キャンプです。

ここではどのような暮らしぶりなのか、どのようなサービスが受けられるのか、支援内容について学んでいきましょう。

食料分野

UNHCRの運営している難民キャンプでは、国連の食糧援助機関である世界食糧計画(WFP)と連携しながら、難民キャンプでの食料調達に努めています。
一日一人当たり、1,900Kcalの食糧が提供できるような食事プログラムが組まれています。

沢山の人が暮らす難民キャンプにて、食糧配給をスムーズに行うことは容易なことではありません。
単純に同じ食事を配れば良いという訳ではなく、子どもや妊婦さんには栄養価の高いものを渡したり、栄養状態が芳しくない人には補助食を追加したり。

難民キャンプごとに人数の把握から、個々人の体の状態までを把握する必要があり、調達側と現場側での連携が求められています。

衛生分野

難民キャンプにおいて重要視されていることの一つが、トイレの設置と汚水の処理です。

日本でも大震災がおこると、一早く衛生部門を整えることが求められます。
その理由は明らかで、衛生管理が滞ると、感染症を始めとする病気の蔓延に繋がるからです。

多くの人が暮らす難民キャンプですが、1世帯に1基のトイレがいきわたるようにというガイドラインで運営されています。

加えて、公衆衛生専門家を現場にて採用し、水回りだけでなく、マラリアが怖い蚊の対策や、ノミ・シラミ・ネズミなどの対策にも力を入れています。

医療分野

難民として逃れてきた方々が、集合住宅という形で暮らす難民キャンプ。
慣れない環境での生活とあり、体調不良を訴える人も少なくありません。

難民キャンプには保健センターを設置し、必要な最低限のケアを受けられるような体制をとっています。
また、病気の治療はもちろんですが、幼児に対する予防接種なども実施しています。

また、女性に対するケアも不可欠です。
必要な衛生用品を支給したり、妊婦さんには妊娠検診をキャンプ内で行います。
出産も医療関係者の立会いの下で、キャンプにて行われます。

教育分野

2020年年のデータによると、故郷を追われて難民となって人達の42%が17歳以下の子どもたちです。
難民キャンプでは、子どもたちの将来に備えて、教育の提供も行っています。

子どもたちに教育を行うことは、問題解決能力を磨いたり、将来に向けて目を向けるきっかけを作ることに繋がり、重要視されているプログラムです。

しかし、祖国において教育を受けていた子どももいれば、そもそも一度も学校に行ったことがない子どももいるため、学校のような教育スタイルを取り入れることは簡単ではありません。

難民キャンプでの生活における課題

難民キャンプでの生活|現場における課題

多くの人にとって「安心できる場所」を提供しようと頑張っている難民キャンプですが、現場における課題は依然として残っています。

どのようなトラブルが起きているのでしょうか。

食料分野

突発的に難民が増えた場合は、そもそもの食料調達が困難になることがあります。
紛争地域の近くにキャンプがある場合は、最優先である食料を届けることもかなわなくなることも。

また、食糧は十分にある場合でも、難民キャンプに暮らす人たちに公平に配られているかどうかまで目を光らせることはとても困難です。
世帯主にまとめて食料を渡すケースも多いですが、子どものために配られた高栄養価な食糧を父親が食べてしまい、子供にたどり着かないということはいくらでも想定できます。

医療分野

UNHCRのガイドラインでは、キャンプでの人口1~2万人に対して1つの医療施設を設けるようになっています。
難民キャンプに暮らす方々の体調不良には、内科・産科・外科と最低限の設備にて対応できるような体制をとっています。

しかし、受け入れ国からのサポートやNGO団体の草の根活動はされているものの、十分な医療施設が整っているとは言い難いのが現状です。
期限のある医薬品を常備することが難しかったり、医療機器が整っていなかったり、壊れていたり。

資金不足が大きな原因ですが、キャンプで暮らす人が安心して通える場所とは言えないケースも多々あります。

教育分野

キャンプごとに子供の比率は異なりますが、難民認定されている人たちの4割は17歳以下の子どもという現状があります。
この子どもたちに対して、難民キャンプは教育の機会を提供できるように取り組んでいます。

ただし、このような地域に「先生」が派遣されるようなことはないため、難民キャンプの中からボランティアとして教師役を募ることが多くあります。

すると、教師の質や数を確保するのが難しかったり、子どものレベル別に分けての教育が難しかったりなど、課題は沢山あります。

子どもや女性分野

難民キャンプという過密地帯において、子どもと女性をターゲットにした虐待や性的暴力が発生しています。

難民キャンプでの生活中は、一般的な経済活動が禁止されているため、今まで仕事に出ていた男性が手持無沙汰に暮らしていることになります。
この不安感とストレスの矛先が、子どもや女性に向かってしまうことがあります。

悲しい思いをする人を減らすためにも、AIDS/HIVの蔓延を防ぐためにも、キャンプごとに性教育の実施が行われているものの根本的な原因解決ではありません。

また、そのような暴力を受けた人に対する心のケアも不十分なうえ、難民キャンプという閉塞的な環境で加害者と顔を合わせながら暮らすというストレスにさらされていることも現状です。

難民の課題に対して私たちにできることとは

わたしたち個人にできることとは

難民を多く受け入れている国はトルコやコロンビア、パキスタンと日本から離れた国であり、これらの国で運営されている「難民キャンプ」と聞くと、自分とは関係ないことのように思えてしまいます。

しかし、以前として増え続けている難民問題について、私たちが何か出来ることはあるのでしょうか。

勉強すること

まずは、どのような人たちが、どのような暮らしをしているのか勉強していきましょう。
分からないことには、自分事として捉えることも難しいですし、何をしたら良いのかも見えてきません。

UNHCRのホームページは、世界中の難民問題についての記事もたくさんありますし、分かりやすい動画も配信されていて、かなりボリュームがあります。
ほかにも、現地での活動レポートを上げているようなNGO団体は複数ありますので、調べながら現地の様子を探っていきましょう。

また、読んだ記事をSNSでシェアするだけでも多くの人に拡散することに繋がります。
実は気になっていた!という人が、周りにもいるかもしれません。

一人で解決できる問題ではありませんが、難民問題に興味をもつ人が増えることを祈って、シェアやいいねをしていきましょう。

寄付すること

難民キャンプの運営は、世界中からの資金援助を受けて成り立っています。
個人でできる寄付は一握りかもしれませんが、一つ一つをかき集めて運営されています。
ホームページなどから寄付を募っていることが多いので、気になる支援団体へサポートしてみるというのは如何でしょうか。

サポートといっても、今ではいろいろな方法があります。

・お金を送る
・団体の発行している書籍を買う
・イベントに参加して参加費を払う
・チャリティグッズを買う

自分にあった形で、小さなアクションを取ることが、大きな問題の取り組みへの一歩に繋がります。

まとめ|自分にできるアクションから

まとめ:移民キャンプとは国を追われた人に安心を提供する場所

この記事では、今もなお増え続けている難民の現状と、なんとか国を逃げ出した方々が、難民キャンプという場所にてどのような暮らしをしているのかをご紹介してきました。

難民キャンプとは、難民の方々にとって「安全を保障する場所」であるべきです。
そのためには、きれいな水があり、食糧があり、寝る場所、勉強の場所などを整える必要があります。

今もなお現場で頑張っている人たちはいますが、環境を整えて、維持するのは簡単なことではありません。
また、資金調達も大きな課題です。

「自分の国から逃げ出さないといけない」という状況を、日本人が想像するのは少し難しいものがあります。
ただし、震災大国に住む私たちだからこそ「何かあった時に家を失う」ことは理解できます。
そして、今このような状況に置かれている多くの難民を思うことはできます。

遠く離れた場所で暮らしている人に思いを向けて、自分にできるアクションを取っていきましょう。

  • 記事を書いたライター
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アフリカ在住フリーライター。現在はルワンダにて、2歳児を育てながらwebライターとして活動中です。無理しない範囲で「エコな暮らし」「サステイナブルな生活」を楽しむよう意識しています。実践しているのは、布おむつ・マイボトル・エコラップ・自宅ではできるだけベジタリアンなど。読者の背中を押して、明日からの生活に小さな変化をもたらせるような記事を書いていきたいです。

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