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難民が多い国はどこ?受け入れ国と出身国をそれぞれ紹介【2025年末の最新データ】

難民が多い国はどこ?受け入れ国と出身国をそれぞれ紹介

難民が多い国はどこかを2025年末時点で見ると、出身国ではベネズエラ、ウクライナ、シリア、アフガニスタン、スーダンが上位に並びます。受け入れ国ではコロンビア、ドイツ、トルコが200万人を超えています。国連難民高commissioner(UNHCR)の最新報告では、世界の難民は4,160万人で前年より3%減り、強制的に移動させられた人の総数も10年ぶりに減少しました。ただし減った理由の多くは「帰還」であり、危機が解決したとは言い切れません。この記事では、受け入れ国と出身国の最新の顔ぶれ、数字の読み違えやすい点、日本の状況までを整理します。

この記事で学べること

  • 2025年末時点の難民の受け入れ国・出身国の上位と、その背景
  • 数が減ったのに安心できない理由(帰還の中身と新しい危機)
  • 難民、国内避難民、庇護希望者の違いなど、数字で誤解しやすい点
  • 日本の難民認定の最新数値と、私たちが取れる次の一歩

2025年末の世界の難民はどうなっているか

最初に全体像をつかんでおきます。UNHCRが2026年6月に公表した報告書「グローバル・トレンズ」によると、紛争や迫害などで強制的に移動させられた人は2025年末に1億1,780万人でした。2024年末の1億2,320万人から減り、減少は約10年ぶりです。内訳は、国境を越えた難民が4,160万人、国内にとどまる国内避難民が6,870万人です。

難民の人数には、UNHCRが保護の対象とする人に加え、パレスチナ難民約600万人などが含まれています。UNHCRの所管に限ると3,560万人という数え方もあり、資料によって数字が違って見えるのはこのためです。数値を引用するときは、どの範囲を数えているのかを確かめる必要があります。

減少を支えたのは帰還です。2025年には難民と国内避難民あわせて約1,470万人が故郷に戻りました。前年より50%多く、記録が残る1965年以降で2番目の規模です。帰還が目立った国は、コンゴ民主共和国、スーダン、シリア、アフガニスタン、ウクライナ、ミャンマーでした。

一方で、難民の約70%は5年以上、避難先で暮らしています。新たに故郷を離れた人も2025年に約540万人いました。数字が減っても、長く帰れない人と、新たに逃れる人の両方がいます。

難民を受け入れている国|2025年末の上位

受け入れ国の顔ぶれは、2020年末時点の「トルコが1位、2位コロンビア」という並びから変わりました。2025年末の上位3か国はコロンビア、ドイツ、トルコで、いずれも200万人を超えています。UNHCRの統計データベース(Refugee Data Finder)では、コロンビアが約280万人、ドイツが約270万人、トルコが約240万人です。この3か国にウガンダとイランが続くと報告されています。

コロンビアとドイツ、トルコの特徴

コロンビアの受け入れの中心は、隣国ベネズエラから逃れてきた人たちです。経済危機や政情不安を背景に国外へ出たベネズエラの人々の多くは、難民条約上の「難民」としてではなく、国際的な保護を必要とする人として数えられています。コロンビアが上位に入る背景には、国境を接する隣国で危機が長引いていることがあります。

ドイツは、2010年代半ばからシリアなど中東の人々を受け入れてきたほか、ウクライナからの避難者も受け入れています。トルコは長くシリア難民を受け入れてきた国です。2025年にシリアへ戻る人が増えたこともあり、トルコの人数は減る方向にあります。

受け入れは「近隣国」に集中する

受け入れ国の傾向として、UNHCRは難民の65%が出身国の隣国で受け入れられていると報告しています。また、低所得国・中所得国が世界の難民の約68%を受け入れています。「難民はヨーロッパや先進国に押し寄せている」というイメージとは異なり、国境を越えて最初にたどり着ける隣の国が、実際の受け入れを担っています。

ウガンダは周辺国の紛争から逃れる人を受け入れてきた代表的な国です。イランは長年、隣国アフガニスタンの人々を受け入れてきました。こうした国は経済規模が大きくないため、住まいや医療、教育、仕事の確保といった負担が国内の住民の暮らしにも及びます。

2026年に入って動いた中東情勢

Reuters通信の報道によると、2026年2月下旬以降、イランでは約320万人が一時的に避難し、レバノンでも3月2日の戦闘開始以降に約100万人が避難しました。これは2025年末の統計には入っていない動きです。受け入れ国の順位や数字は、今後の報告書で変わる可能性があります。

難民の出身国|ベネズエラ、ウクライナ、シリア、アフガニスタン、スーダン

出身国の上位は、UNHCRのデータベースでベネズエラ約650万人、ウクライナ約520万人、シリア約490万人、アフガニスタン約370万人、スーダン約280万人です。原因は内戦、侵攻、政情不安、迫害、経済崩壊などさまざまです。同じ「難民が多い国」でも、国ごとに事情は違います。

帰還で数が減ったシリアとアフガニスタン

シリアの難民は600万人から490万人に、アフガニスタンの難民は580万人から370万人に減りました。シリアでは約130万人が戻り、前年の約3倍に増えています。アフガニスタンでは290万人が帰還し、そのうち難民は190万人で、前年の5倍でした。

ただ、アフガニスタンの帰還は、隣国のイランやパキスタンが滞在に厳しい姿勢を取ったことが大きな要因だと指摘されています。自分で選んで戻る場合と、事実上戻らざるを得ない場合では意味が違います。帰還の数が増えたことを、そのまま「安全になった」と受け取ることはできません。

増え続けるスーダン

スーダンの難民は2025年末に約280万人で、前年より35%増えました。国内でも910万人が家を追われ、世界最大の国内避難民を抱えています。2025年に新たに難民となった人の約60%は8か国から発生しており、スーダンからは約100万人近くが新たに国境を越えたとされています。

長期化するベネズエラとウクライナ

ベネズエラは、かつては周辺国から人を受け入れる側でした。それが政情不安や食料・医薬品の不足で逆転し、数百万人が近隣国で暮らしています。ウクライナは2022年の侵攻以降、多くの人が周辺のヨーロッパ諸国に避難しました。

ヨーロッパの国々は、ウクライナからの避難者に特別な保護の枠組みを設けています。仕組みが整っているぶん、日常生活の再建を始めやすい面もあります。それでも、いつ帰れるか見通せない状態が続いています。

数字を読むときの落とし穴|誤解されやすい3点

ランキングを見るときに、数え方を知らないと印象が大きくずれます。ここでは、よくある3つの誤解を整理します。

難民、国内避難民、庇護希望者は別のカテゴリー

難民は、迫害などを理由に国境を越えて逃れた人です。国内避難民は、同じ理由で家を離れても国内にとどまっている人で、国境を越えていないため難民には数えません。庇護希望者は、避難先の国で難民としての保護を申請し、結果を待っている人です。1億1,780万人という数字は、これらをまとめた「強制移動者」の総数で、難民だけの数ではありません。

「人数が多い国」と「負担が重い国」は同じではない

受け入れ人数は、国の人口や経済力と合わせて見る必要があります。人口の少ない国や所得の低い国が数十万人を受け入れる場合、人数が上位でなくても負担は大きくなります。ランキングは入口として使い、人口比や財政力を合わせて見ると実態に近づきます。

帰還者が増えても、生活再建が済んだとは限らない

帰還した人の多くは、壊れた住まいや働き口の不足、地雷や治安の問題に向き合います。帰還者を受け入れる国には、学校や医療、水道といった基本サービスをどこまで整えられるかという課題が残ります。数字が減った背景に「戻らざるを得ない事情」があるのかを見る視点が欠かせません。

受け入れ国の負担と国際支援

難民の多くを受け入れる国は、経済に余裕がある国とは限りません。日々の暮らしを支えるのは、国連機関やNGOによる食料、医療、教育、仮設の住まいの支援です。受け入れ国政府が運営するキャンプには限りがあり、キャンプの外の街で暮らす難民も多くいます。

そうした暮らしでは、働く権利が制限されていたり、公的な保険に入れなかったりして、貧困に陥りやすくなります。受け入れ国の側でも、住宅や雇用をめぐって地域住民との摩擦が起きることがあります。難民への支援と同時に、受け入れる地域の住民の暮らしを支えることが、長く受け入れを続けるうえで大切です。

国際社会の役割は、資金面の支援に加え、再定住(難民を第三国が受け入れる仕組み)や、地域に根ざした自立支援を広げることです。難民を一時的な「支援を受ける人」として見るのではなく、教育や仕事を通じて自立できる人として支える考え方が広がっています。

日本の難民受け入れは今どうなっているか

日本は、難民の出身国でも主要な受け入れ国でもありません。それでも、庇護を求めて日本に来る人はいます。出入国在留管理庁が2026年3月27日に公表した「令和7年における難民認定者数等について」から、2025年の状況を確認します。

2025年の数字

2025年の難民認定申請者は11,298人で、前年から約1,000人減りました。難民と認定されたのは187人です。このほかに、難民条約上の難民には当たらないものの保護が必要な人を対象とする「補完的保護対象者」として認定された人が474人、人道的な配慮で在留が認められた人が525人でした。これらを合わせると、在留が認められた人は1,186人になります。

数字から見えること

日本では、難民認定の審査に時間がかかることも課題とされています。申請者が結果を待つ間、就労や生活の支援が十分に受けられるかどうかは、制度の運用に左右されます。補完的保護の制度は2023年に始まり、これまでの「認定されなければ保護されない」という二択を広げる役割を担っています。

世界の受け入れ国が数十万人から数百万人を受け入れている数字と比べると、日本の規模は桁が違います。ただ、国の規模や地理的な条件が異なるため、数字だけを並べて優劣を決めることはできません。大切なのは、日本に逃れてきた一人ひとりが、公正な審査と生活の支えを受けられているかという点です。

私たちにできること|数字の次の一歩

難民問題は遠い国の話に見えますが、日常の中で関われることはあります。ここでは、無理なく始められる行動を3つ挙げます。

数字の出どころを確かめる習慣をつける

ニュースやSNSで難民の数を見たら、「難民だけの数か」「国内避難民を含むか」「どの時点の数字か」を確かめてみてください。この記事で触れたように、同じ話題でも数え方で数字が変わります。出典のUNHCRや出入国在留管理庁の公表資料に当たると、誤解を避けられます。

支援団体への寄付やボランティアを選ぶ

UNHCRや国内の難民支援団体は、寄付やボランティアを受け付けています。海外の緊急支援に使われる寄付と、日本で暮らす難民の生活や法的な手続きを支える活動では、役割が違います。団体の活動報告や会計を読んで、自分が支えたい活動を選ぶことをおすすめします。

身近な地域の多文化交流に参加する

自治体や地域の国際交流協会が、日本語教室や交流イベントを開いていることがあります。難民として来日した人に限らず、外国にルーツのある人と顔の見える関係を持つことは、孤立を防ぐ一歩になります。

まとめ

難民が多い国を2025年末で見ると、出身国はベネズエラ、ウクライナ、シリア、アフガニスタン、スーダン、受け入れ国はコロンビア、ドイツ、トルコが上位でした。世界の強制移動者は約10年ぶりに減りましたが、その背景には帰還の増加があり、中には滞在先の政策で戻らざるを得なかったケースも含まれます。同時に、スーダンのように新たに逃れる人が増えている地域や、2026年に入って動き出した中東情勢もあります。

難民の受け入れは、出身国の近隣国に集中しています。低所得国・中所得国が約7割を担っているという事実は、「受け入れ負担は誰のものか」を考える材料になります。日本の2025年の難民認定は187人で、補完的保護や人道配慮を合わせて1,186人の在留が認められました。数字の意味を正しく理解することが、支援や議論の出発点になります。

まず1つだけ試すなら、気になった国の最新数値をUNHCRの公開資料で確認してみてください。

  • 2025年末の難民は4,160万人で、強制移動者は1億1,780万人と約10年ぶりに減少した
  • 受け入れ国の上位はコロンビア、ドイツ、トルコで、難民の65%は出身国の隣国で受け入れられている
  • 出身国の上位はベネズエラ、ウクライナ、シリア、アフガニスタン、スーダンで、スーダンは前年から35%増えた
  • 減少の主因は帰還で、安全の回復を意味するとは限らない
  • 日本の2025年の難民認定は187人で、補完的保護474人と人道配慮525人を合わせて1,186人の在留が認められた

参考文献

  • 記事を書いたライター
  • ライターの新着記事
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