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アフリカ大陸出身の難民はなぜ多いのか?現状とその背景をご紹介

2015年に北アフリカを出発した小舟が続々とヨーロッパにたどり着いたり、途中で難破するなどのニュースを見たのを覚えている方も多いのはないでしょうか。
命を危険に晒してまでヨーロッパを向かったアフリカ出身の人がたくさんいることを、世界に対して知らしめることになった欧州難民危機とよばれる事件です。

そんなアフリカ大陸ですが、残念ながら国によっては今もなおたくさんの難民を生み出してしまっています。

この記事では、具体的にはどこの国から難民が生まれているのか、なぜ難民となるのかをご紹介していきます。

歴史的背景などもあり難しい問題ですが、まずは理解しようと努めるところから始めてみましょう。

アフリカ難民の現状とは

アフリカ難民の現状とは

アフリカと一言で括ってしまいがちですが、その中には50か国以上の国があり、2020年には約13億人が住む巨大な大陸です。

中にはかなり発展している国もあれば、内戦や汚職などで難民を生み出してしまう国もあり、同じ「アフリカ」でも国によっては全く違う世界が広がっているという歪みをもつ大陸です。

UNCHRが2021年6月に発表した、世界の難民の出身国ランキングは下記の通りです。

1位:シリア
2位:ベネズエラ
3位:アフガニスタン
4位:南スーダン
5位:ミャンマー

この中で、4位の南スーダンがアフリカの国です。
現時点で約220万人が難民となり、国外に逃れ避難しています。

またランキング外ではありますが、アフリカの中ではコンゴ民主共和国(約92万人)と中央アフリカ共和国が(約63万人)が、複数年に渡って解決策が見えない中で難民を生み出し続けています。

なお、中央アフリカ共和国は2020年末から内戦の過激化が進んでいて、ますます数字が伸びているとみられています。

参照元:数字で見る難民情勢(2020年)– UNHCR Japan|UNHCR公式ホームページ

なぜアフリカ出身の難民が多いのか?

なぜアフリカ出身の難民が多いのか?

難民を多く生み出している国の中に、アフリカ諸国が入っている原因はなぜなのでしょうか。

単純に「貧しい国だから」という言葉では片づけられない事情をご紹介していきます。

戦争や内乱が原因

難民出身国の4位に入っている「南スーダン」において難民が発生している理由は、10年地近く続く「南スーダン紛争」が大きな原因となっています。

この国は2011年までは、隣国スーダンの一部でしたが、同年に行われた国民投票によって独立が決定しましたが、すぐに南北スーダン国境紛争が始まります。

二つの国の間が激しくもめることになった大きな理由は「油田」です。
お金を生み出す油田の権利を手放したくない両国は、お互いの権利の主張を続けながら、武装攻撃を続けました。

国際機関の介入を受けて、衝突解決合意をするも、定期的に紛争が勃発しています。
加えて、紛争により荒廃した国内にて、銃撃戦が勃発するなどの内戦危機に陥っていて、予断を許さない状況です。

オイルだけでなく、金や炭鉱などの天然資源は、国にお金をもたらしてくれる一方で、利権を主張しあう紛争や対立を引き起こすことが多いです。

前出のコンゴ民主共和国も金や銅、ダイヤモンドなどが豊富に採れる地域とあって、紛争や武力対立などが続いています。

参照元:南スーダン共和国(南スーダン基礎データ)|外務省公式ホームページ

政治混乱や汚職が原因

アフリカの中で、現在もなお難民を生み出している国である中央アフリカ共和国は、UNHCRのデータによると「世界で最も貧しい国の一つ」に選ばれています。

同国が現状の混乱に陥った引き金は2013年の政治混乱でした。
2013年に当時のボジゼ政権に対する野党と武装勢力が手を組んで、首都を陥落。
ボジゼ氏は国外逃亡となりました。

新政権が立ち上がりましたが、武力を使った統治方法を受けて、国内の暴力行為はますます加速する負のスパイラルに突入していきました。

イスラム教とキリスト教の宗教対立まで勃発し、常に人々の生活は危険にさらされています。
国内での移動を余儀なくされる人はもちろん、国外に逃げざるを得ない難民の数も増え続けています。

そんな中で、2020年末に実施された総選挙の前後では、暴力行為が勃発したり、政情不安が高まりました。

これを受けて、70万人にも及国民が国境をまたいで隣国へ逃げたと報告されています。

参照元:Central Africa Republic (UNHCR – Central African Republic situation)|UNHCR公式ホームページ

アフリカの難民はどこへ向かうのか?

アフリカの難民はどこへ向かうのか?

様々な理由によって、自分の居場所を逃げ出す必要に迫られ「難民」となる方々はどこへ向かうのでしょうか。

記憶に新しいヨーロッパへの移民と、多くの実情であるアフリカ大陸内での移民受け入れについてご紹介します。

アフリカの難民がヨーロッパへ向かった欧州移民危機

北アフリカを出発した小舟に乗った、たくさんの移民が、イタリアやギリシャなどのヨーロッパにたどり着いたニュースを覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

2015年に発生した欧州移民危機と呼ばれる事件です。
中東・アフリカ・南アジアなどから、たった1年で100万人ほどの移民・難民がヨーロッパへ押し寄せたという、世界をにぎわせたニュースでした。

命の危険を顧みながらも、ヨーロッパへ行けば少しは生活が変わるかもしれないと望みを託して、アフリカ大陸を出る人たちは後を絶ちません。

ヨーロッパの中では、ドイツが1番の受け入れ態勢を整えていて2021年6月のレポートによると120万人を受け入れています。
またスウェーデンやデンマークなどの北欧の国でも受け入れが進んでいます。

アフリカ大陸内での難民受け入れも拡大中

アフリカや中東からの難民がヨーロッパへたどり着くというニュースは目にすることがありますが、アフリカ難民の多くは、アフリカ大陸の中での移動にとどまっていることが多いです。

陸路で国境を渡り、隣国へ流れるということが実際のところは多いと言えるでしょう。

その中でも、移民の受け入れに力を入れているのが東アフリカに位置するウガンダとエチオピアです。
特に難民が増え続けている南スーダンが近いということもありますが、オープンドアポリシーを実施しています。

難民に対して門戸を開いているとあって、アフリカ各国からの難民が押し寄せてきており、キャパシティが限界を迎えているというのが現状です。

政府の政策だけでなく、国際機関からのサポートも入っているとはいえ、資金面もとても苦しく、食事の提供もままならないという難民キャンプもあります。
食事さえ乏しいとなると、それ以上の医療や教育などのサポートはもっと苦しいということ。

そのような現状であっても、自国にいるよりはまだマシだと、今でも移民としてたどり着く人がたくさんいるという悲しい状況です。

別の国にたどり着いても過酷な生活が待ち受けている現状

ただし、実際のところヨーロッパや周りの国へたどり着いたからといって安心して暮らせるわけではありません。

・長期に渡る難民申請のプロセス
・就労許可を得ないと仕事もできない
・言語や文化の壁から孤立する
・医療ケアが行き届かない
・子供の教育が滞るどころか暴力などの命の危険に晒されるケースも

難民と認定されるまでのプロセスも長いうえ、難民キャンプでの暮らしも決して豊かで安全というものではありません。

国や団体が協力して介入しているものの、まだまだ満足できる支援に至っていないというのが現状です。

まとめ:アフリカ難民は今もなお続々と増え続けているという現状

まとめ:アフリカ難民は今もなお続々と増え続けているという現状

悲しいことですが、今現在もアフリカ大陸のいくつかの国では紛争・内乱などが勃発していて、多くの人の命が危険に晒されています。

この記事でもご紹介した南スーダンに至っては、国民の1/3人が難民として国内・国外への移動を余儀なくされているといわれています。

UNHCRを始めとする国際機関やNGO団体などがサポートを続けていますが、どんどん増える難民の数に、難民キャンプ側の受け入れキャパシティが限界を迎えているというのが正直なところです。

資金面から食料供給が一部カットされてしまっている難民キャンプもあります。
さらには難民キャンプが襲撃されるという悲惨な事件も起きています。

アフリカ大陸における移民問題は、歴史・文化・政治的な背景が複雑に絡んでいることが多く、解決が難しいケースが散見されます。
南スーダンのケースのように、油や金・鉱山などの資源が絡む場合は、各々の利権も絡むため、より複雑化しています。

日本に暮らしていると遠い国で起きていることのように感じてしまいますが、まずは現状を学ぶところから始めてみませんか。

あわせて、具体的に自分たちには何ができるかを考えていきたいですね。

  • 記事を書いたライター
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アフリカ在住フリーライター。現在はルワンダにて、2歳児を育てながらwebライターとして活動中です。無理しない範囲で「エコな暮らし」「サステイナブルな生活」を楽しむよう意識しています。実践しているのは、布おむつ・マイボトル・エコラップ・自宅ではできるだけベジタリアンなど。読者の背中を押して、明日からの生活に小さな変化をもたらせるような記事を書いていきたいです。

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