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ミャンマーの難民はロヒンギャだけではない!軍事政権と人権の問題

2021年に来日したミャンマーのプロサッカー選手が、日本に難民認定申請をしました。
生活に困ったという理由ではなく、ミャンマーに戻ると迫害されるという理由です。

なぜ迫害されるかというと、ミャンマー国内の情勢が関わっています。

ミャンマーの国内情勢と、ロヒンギャ難民問題についても紹介していきます。

ミャンマー代表選手が日本で難民申請

ミャンマー代表選手が日本で難民申請
2021年5月にサッカーワールドカップの二次予選のために来日した、ミャンマー代表のピエリヤンアウン選手。
彼はその翌月に、日本政府に対して難民認定申請を行いました。
2021年8月現在の時点では、この選手の日本への在留と就労の許可が出ていますが、まだ難民認定はされていません。

通常難民とは、自分の国籍がある国で迫害を受けるおそれがあるなど、自国で保護を受けられない者を指します。

彼はミャンマーで、プロのサッカー選手として活躍しており、迫害や難民とは無縁だと思うかもしれません。
しかしミャンマーという国の情勢が深く関わり、彼が迫害を受けるおそれが出ているのです。

クーデター抗議で迫害のおそれ

プロサッカー選手が、自国のミャンマーで迫害される理由とは何なのか。

それは、2021年2月に起こった、ミャンマー国内でのクーデターが関係しています。
ミャンマーは長らく軍事政権を続けていましたが、2010年代から徐々に民主化へと流れが変わっていきました。

しかし2021年2月に、国軍がクーデターを起こします。
クーデターへの抗議のデモをしている無防備な国民に対し、国軍は容赦のない暴力での鎮圧を繰り広げました。
こうしたクーデターへの抗議の意思を示した著名人や有名人も逮捕され、拷問などを受け殺害されている事実があります。

今回のプロサッカー選手のピエリヤンアウン選手は、このクーデターへの抗議の意味を示す三本指を掲げるポーズを試合中にとったため、ミャンマーに戻ったら迫害を受ける恐れがあるとのことで、日本に難民認定申請をしたのです。

ミャンマーのクーデターとは

第二次世界大戦後、長らく軍事政権だったミャンマーは、2010年代に入り民政化の流れが強くなっていきました。
2020年には、民主派の政党国民民主連合(NLD)が総選挙で圧勝したのです。

しかし、憲法上でも実質的にもミャンマー国軍は、民主派の政治家たちも無視できないほど絶大な影響力を持ち続けています。

野党と国軍関係者は、この総選挙は不正があったとして、2021年2月1日にクーデターを起こし、民主派の政治家や活動家を拘束しました。
軍の息がかかった政権を樹立させるためにも、国軍関係者は総選挙をやり直したいと考えているようです。

国民は、約10年の間の経済や社会の民主化への流れから、自由な社会を経験しています。
今更軍事政権時代には戻りたくないという気持ちから、デモなどの抗議活動を始めます。

ミャンマー国軍は、以前より反抗組織や少数民族などの殺戮を続けていました。
今回のデモ参加者の国民に対しても、容赦のない暴力で制圧しています。

ロヒンギャ問題はいまだ続くが変化の兆しも

ロヒンギャ問題はいまだ続くが変化の兆しも
ミャンマーの難民問題と言うと、ロヒンギャも忘れてはいけません。
いまだに解決には遠いロヒンギャ難民問題ですが、今回のミャンマーのクーデターを機にミャンマーの若者の意識が変わりつつあるようです。

ロヒンギャの人たちは、ミャンマーの少数民族の一つです。
ロヒンギャは外見や宗教の違いから、ミャンマーの国籍が認められておらず、長らく差別や迫害を受けてきました。
特に国軍による迫害はひどく、2017年にはロヒンギャの住む地域での連続襲撃事件も発生し、情勢不安から70万人以上の難民が隣のバングラディシュに移ったと言われています。

ミャンマーの若者における少数民族への弾圧に対しての関心は、薄いものでした。
しかし、クーデターで、無抵抗の国民を攻撃し殺害する光景を目の当たりにし、今まで目を背けてきた問題にも考えるようになりました。

民主派政党の国民民主連盟も、ロヒンギャに市民権を付与する考えを示しています。

関連記事:ロヒンギャはなぜ迫害され難民となったのか?その理由と背景、今後の課題について

難民問題はSDGsにもつながる解決しなくてはならないこと

難民問題はSDGsにもつながる解決しなくてはならないこと

難民は、自国で安全に生活できないと判断して、遠い地を目指す人がほとんどです。

いまだに他国に受け入れてもらえず、難民キャンプと言われる地域で簡素な食事や生活を強いられている人が何千万人といます。
安心・安全が保障されていない場所も多いです。

将来私たちが誰一人取り残すことなく地球で暮らしていくために、解決しなければいけないSDGs(持続可能な開発目標)に難民問題に当てはまります。
「人や国の不平等をなくそう(ゴール10)」や「平和と構成をすべての人に(ゴール16)」など、複数のSDGsの目標に関係のある問題でもあるのです。

難民のことを知り、支援できる輪を作るのは大切なのです。

関連記事:難民と移民の違いをわかりやすく説明!定義や世界の難民問題も解説します

まとめ

まとめ

2021年にサッカーのミャンマー代表選手が、来日の際に難民認定申請を出しました。
ミャンマーは軍事政権時代が長く、2010年代から徐々に民主化へ向けて社会が変化しつつありました。

しかし、国軍の息のかかった政権を取り戻すために、2021年2月にクーデターが起こります。
その抗議を示したために、ミャンマーに戻ったら迫害されるおそれがあるとして、ミャンマーの代表選手は難民となったのでした。

ミャンマーは少数民族への弾圧などで難民は以前からいましたが、今後軍事政権が続けば、情勢不安からまた新たな難民が増える可能性が出てきます。

難民問題はSDGsに関わることでもあるため、現状を知り、支援の輪を広げる必要があります。

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