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マイクロプラスチックとは?私たちができる対策や原因についても解説!

近年、SDGsが国際的なトピックになり、環境問題に対する問題意識が世界中に広がっています。
環境問題は一つの原因によって生じているわけではなく、様々な原因が重なって、大きな問題になっているのです。

環境問題の原因の一つになっているのが、マイクロプラスチックです。

この記事では、マイクロプラスチックとは何か、対策や原因についても解説致します。

マイクロプラスチックとは?

マイクロプラスチックとは?
マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下の小さなプラスチックのことです。
プラスチックのゴミは、ポイ捨てやごみ処理施設へ送られる過程において雨で洗い流され、道路の排水口や河川を通じて、やがて海に流れ着きます。
プラスチックは自然分解されないため、細かな片として残って陸上でマイクロ化し、海の中のゴミに変わります。

プラスチックには、ポリエチレンやポリプロピレンなどといった種類がありますが、全てのプラスチックがいずれマイクロプラスチックになります。

これは、プラスチックという素材に根本的な問題があるためです。

金属などに比べると炭素の結合が緩く、加工しやすくて便利な素材です。
しかし、次第に紫外線によって結合が切れて劣化し、少しずつマイクロ化するのです。

マイクロプラスチックは地球環境だけでなく、私たち自身にも関係しています。

欧米消化器学会は、2018年に人体にマイクロプラスチック片が取り込まれていることを証拠とともに発表しています。
また、韓国の研究者グループらが行った調査では、食塩の9割にマイクロプラスチックが含まれていることが明らかになっています。

体内のマイクロプラスチックが、人体にどのような悪影響を及ぼすのかはまだ明らかにはなっていません。
しかし、マイクロプラスチックに化学物質が吸着し、より有害なものへと変わる可能性もあるため、早急に解決すべき問題だと言われています。

マイクロプラスチックの分類

マイクロプラスチックの分類

マイクロプラスチックは発生源の違いによって、”一次マイクロプラスチック”と”二次マイクロプラスチック”の二つに分類されます。

一次マイクロプラスチック

一次マイクロプラスチックは、洗顔料や歯磨き粉などのスクラブ剤に利用される小さなプラスチックを指します。
洗顔料や歯磨き粉などのスクラブ剤に利用される小さなプラスチックです。
小さなプラスチックの粒が含まれているため、該当する商品を使うと排水溝を流れて、下水処理場をすり抜けることもあるようです。
微細なため、一度流出してしまうと回収できず、製品化された後の対策は難しいとされています。

また、プラスチック製品を作る原料に使用する小さい粒状のレジンペレットや、ポリエステルなどといったプラスチックの合成繊維を使った服からも、洗濯するたびに小さな繊維として流れ出していると言われています。

二次マイクロプラスチック

二次マイクロプラスチックは、プラスチック製品が外的要因で劣化することで発生するプラスチックです。

ゴミとして捨てられたビニール袋やペットボトルなどのプラスチック製品が、側溝から川を経由して海へ流出します。
そして、太陽の紫外線により劣化して脆くなり分解され、マイクロサイズになります。
人々が環境を配慮していないことで発生しており、海洋で最も多いマイクロプラスチックと言われています。

ゴミの発生を意識的に抑制し、マイクロ化する前であれば対策も可能です。

マイクロプラスチック汚染の広がり

マイクロプラスチック汚染の広がり
世界中の海には、50兆個以上のプラスチックが漂っていると言われています。
食物連鎖によって汚染は生態系全体に広がり、大きなプラスチックから小さなプラスチックまで、隅々に行き渡っています。

海の表面に浮かぶマイクロプラスチックは一部にすぎず、ほとんどは海底に溜まっています。
東京湾で行われた調査では、海底の泥の中に多くのマイクロプラが入っていることが明らかになり、河川から東京湾に流入したマイクロプラの約95%が海底に堆積していると考えられています。

また、インド洋にあるモルディブ諸島には、国内の製造業はほとんど存在しないにもかかわらず、観光客によって大量のゴミが排出されています。
さらにオーストラリアの大学の海洋科学者たちによる調査研究では、モルディブの砂浜や海岸近くの水域に、世界最高レベルのマイクロプラスチックが含まれているということが明らかになっています。

このように、日本をはじめ、世界中の海でマイクロプラスチックの汚染が広がっているのです。

海の表面や砂浜に浮かぶゴミですら、見るに絶えないほどの量が確認できます。
海底にあるマイクロプラスチックは、それの何倍もあるということを常に認識しておく必要があります。

マイクロプラスチック問題の対策

マイクロプラスチック問題の対策

このように、マイクロプラスチックによる問題は年々大きくなっています。

私たち自身が私たちの住む地球を破壊しているという意識を持つべきです。

将来の子供たちのためにも、一人ひとりが家庭でできる対策をしっかりと行い、それと同時に国や政府も対策を行わなければならないと筆者は考えます。

私たちにできる家庭での対策

私たちにできる家庭での対策は沢山あります。
1つ目の対策は、テフロン加工のくっつかないフライパンは使わないようにすることです。

テフロンはマイクロプラスチックに分解されていきます。
下水システムを通って水路や海洋に流出し、それらの細かいプラスチック粒子を食べた魚を私たちが食べることになります。
自分たちが捨てたゴミを自分たちで食べ、それによって人体に問題が生じるというのは、あまりに愚かです。

フライパンの種類に注意するだけで、自分たちの体を守ることができるのです。

2つ目の対策は、シリコンや石油などのプラスチックの材料が含まれないヘアケア製品を使うことです。
買う前にラベルを確認するようにしてください。

また、プラスチックで包装されたシャンプーの代わりとして、自然由来のシャンプーバーを使ったり、天然植物油で髪をケアしたりするのも有効です。

3つ目の対策は、できるだけプラスチックフリーの包装を選ぶことです。
できるだけプラスチックフリーの包装を選びましょう。

既にあるプラスチックはリサイクルし、プラスチックの使用を減らします。
生分解性プラスチックであっても、完全に分解することはできません。
リサイクルされているプラスチック包装14%のうち、仕分けと再処理の後に使用できるのは5%のみです。

4つ目の対策は、天然の生地や繊維を選ぶことです。

ワードローブにある合成プラスチック繊維の服の量を減らすことが大切です。
こういった合成繊維は、小さなマイクロプラスチックダスト粒子を放出しており、最終的には私たちの人体に届きます。

合成カーペットやラグもマイクロプラスチックダスト粒子を放っているため、注意してください。

私たちの生活の身近にあるマイクロプラスチックが含まれる製品については下記のコラムで詳しく扱っていますので、ぜひ確認してみてください。

国や政府による対策

国や政府による対策も行われています。
日本政府は、2019年のG20大阪サミットで、”大阪ブルー・オーシャン・ビジョン”を世界共通のビジョンとして共有しました。
“大阪・ブルー・オーシャン・ビジョン”は、2050年までに海洋プラスチックゴミによる追加的な汚染をゼロにまで削減することを目指すというものです。

日本政府はこの目標の実現のため、廃棄物管理、海洋ゴミの回収及びイノベーションを推進し、途上国においての能力強化を支援していくアクションプラン発表しました。

具体的には、プラスチックのポイ捨てや非意図的な海洋流出の防止、環境中に排出されたごみの回収、そして海洋生分解性プラスチックや紙を開発し、こうした素材への転換などの技術革新を起こすなどといったものです。

こういった国や政府の目標を私たち一人ひとりが意識し、実際に取り組むことが重要なのではないでしょうか。

まとめ

まとめ

この記事では、マイクロプラスチックとは何か、そして、マイクロプラスチックによる問題の対策や原因について解説しました。

大きな問題に見えますが、私たちが普段の生活で意識できることはたくさんあります。

ぜひ、まずはこの問題をきちんと理解して、一つずつでも良いので、できる行動を心がけてみてはいかがでしょうか。

  • 記事を書いたライター
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