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アフリカで紛争が起きる原因とは?紛争の現状についても解説

アフリカ大陸には現在、54の国が存在しており、約13.4億人が暮らしています。
13.4億人というのは世界の人口のおよそ17.2%にあたり、世界の6人に1人はアフリカに住む人たちということになります。

しかし、アフリカの国々で起きているニュースを目にする機会はあまり多くないかもしれません。

アフリカでは今もなお、年間約20件の紛争が絶えることなく続いており、国内避難民の数は1,650万人にも達しています。
また、上記の紛争件数は「政府が関与した紛争」のみの統計データであるため、実際にはもっと多くの紛争が起こっているとも言われています。

紛争は、貧困問題を悪化させ、子どもや女性の人権を奪う問題でもあります。
国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)と照らし合わせて考えてみると、紛争問題を解決せずに、世界の未来をよくすることはできないといえるでしょう。

そこでこの記事では、アフリカで起こる紛争について、その原因と現状について解説します。

アフリカの紛争の原因

アフリカの紛争の原因

アフリカで起きている紛争の原因を特定するのは、簡単ではありません。

たとえば、貧困が引き金となって起きている紛争もあれば、宗教の対立によって引き起こる紛争もあるからです。
また、これらの要因が複雑に関係して起きている紛争もあります。

そこでこの記事では、アフリカにおける紛争で最も大きな問題とされている「民族対立」と「資源を巡る対立」について取り上げていきます。

民族対立

大航海時代にヨーロッパによって「発見」されるところから、近代アフリカの歴史は始まりました。

もちろん、ヨーロッパに「発見」されるより前から、アフリカ固有の歴史は存在しています。
これはアフリカが現在も、さまざまな民族と多様な宗教・文化で成り立っていることからもわかります。

大航海時代にアフリカを「発見」したヨーロッパ諸国は、アフリカで暮らす人々を安価な労働力と考え、奴隷貿易を始めました。
また、奴隷貿易が廃止された後も、今度は植民地支配という形で、アフリカに住む人々の人権を奪ってきました。

アフリカで暮らす人々の人権を一方的に奪うのであれば、ヨーロッパとアフリカの対立が生まれるはずですが、実際には、アフリカ内部の紛争が生まれることになりました。
その原因は、意図的な民族格差です。

ヨーロッパ諸国は、アフリカが多様な民族で成り立っていることを利用し、一部の民族を優遇することで、アフリカ内部に格差をつくり出しました。
民族間の格差を作ることで、アフリカで暮らす人々が一致団結してヨーロッパに反抗することを避けられるからです。

つまり、意図的につくられた民族格差によって、内戦が引き起こされることになったのです。

たとえばルワンダ紛争(1990年~1993年)と、その後に起きたルワンダ大虐殺(1994年)は、現地民族であるツチ族とフツ族の争いとして知られています。
ルワンダ紛争は、植民地時代にルワンダの宗主国であったベルギーが、ツチ族を優遇したことが発端だと言われています。

格差によって冷遇されていたフツ族は、1973年にクーデターを蜂起し、新しい政権を発足させることに成功しました。
一方、このクーデターによって追いやられたツチ族は、「ルワンダ愛国戦線」を結成し、反政府活動を強めます。
そして1990年、ツチ族はルワンダに侵攻し、内戦が始まりました。

この内戦自体は3年後に和平が結ばれたのですが、和平からわずか1年後、フツ族の大統領が乗った飛行機が撃墜されるという事件が起きました。

フツ族はこれをツチ族の仕業と断定し、ツチ族の虐殺を行う悲劇が起こり、約80万人もの命が奪われる事態となったのです。

参照元:ルワンダにおける1994年のジェノサイド|徳島大学社会科学研究第19号

資源を巡る対立

アフリカで紛争を引き起こすもう一つの大きな原因は、経済資源を巡る対立です。
これは簡単に言ってしまえば、紛争をすることで儲かる人がいるという問題です。

アフリカには豊富な天然資源があります。
経済産業省の統計によると、アフリカの原油確認埋蔵量は世界の7.5%を占めています。
また、ダイヤモンドのような鉱石や、携帯電話の製造に使われるレアアースなどの貴金属を主要産業としている国がアフリカに多く存在します。

こうした資源は、国家が機能している状況であれば、利益が貧困層へ分配され、国全体を潤すものです。
しかしアフリカでは、国家機能が崩壊してしまっている国も少なくありません。

国家機能を失った国では、武装集団が利益を独占し、独占した利益によって戦力を整えるため、より強権的な支配が広がってしまう悪循環に陥っています。

天然資源を巡る紛争として有名なのは、シエラレオネ内戦(1991年~2002年)です。
この内戦は、政府軍と反政府軍の衝突によって引き起こされたものですが、反政府軍がダイヤモンド産地を支配したことが紛争の長期化につながりました。
ダイヤモンドを売って得た資金で、反政府軍は武器を密輸することができたからです。

また、第一次コンゴ内戦(1996年)、第二次コンゴ内戦(1997年)も資源を巡る紛争として有名です。

コンゴ共和国は、スズ、金、タンタルおよびタングステンといった利用価値の高い鉱物資源の産出国として有名です。
これらの鉱物資源の輸出によって得られた利益が内戦の資金として使用され、この資金を目当てに、ルワンダやウガンダといった周辺国も参戦し、紛争が激化しました。

このように、アフリカの紛争は天然資源が資金源となっているものも少なくありません。

参照元:平成30年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2019)│ 資源エネルギー庁

紛争が引き起こす問題と現状

紛争が引き起こす問題と現状

紛争は、当事国や周辺国に、さまざまな悪い影響を及ぼします。

特に「貧困問題」と「人権侵害」は、紛争地域で悪化することが多く、世界平和を妨げる大きな問題です。

貧困問題

紛争が起きている国の多くは、国家が統治機能を失っている状況です。
国が統治機能を失うと貧困層への福祉が途絶えてしまい、より一層貧困が進んでしまいます。

世界銀行が発表している統計では、2015年における世界の貧困率は10%と見積もられていますが、サハラ以南のアフリカ地域の貧困率はなんと41.1%にも上ります。
この統計からわかるように、アフリカは現在、世界において最も貧困な地域といえるでしょう。

また、貧困は人々の健康も脅かします。
貧困状態にある人々は、栄養状態も悪く、病気にかかりやすい状況です。
そんな状況でありながら、病気になったとしても治療するためのお金がありません。

また、学校に通うことができず、公衆衛生に関する基本的な知識(手洗いなど)を習う機会を失っていることもあります。

このように、紛争が引き起こす貧困は、飢餓や病気といった問題にも発展してしまうことがあるのです。

参照元:世界の貧困に関するデータ|THE WORLD BANK

人権問題

紛争が引き起こすもうひとつの大きな問題は、人権侵害です。
紛争地域では、社会的弱者である子どもや女性が深刻な差別にあっています。

アフリカで起こる紛争では、子どもが戦闘に参加する、いわゆる「子ども兵士」が問題となっています。
特にコンゴ周辺やシエラレオネ周辺は、子どもを兵士として使う中心地になっているとして、国際的に問題視されています。

子ども兵士は、誘拐された子どもや、貧困から脱するために志願した子どもなど、さまざまな背景を持っています。
しかしどのような理由があったとしても、命を危険にさらす行為であることは間違いなく、子どもの権利が侵害される大きな問題といえるでしょう。

また、アフリカの紛争地域では、女性や子どもが性暴力の対象とされたり、教育を受けさせてもらえなかったりという形で差別が行われているケースが少なくありません。

日本ユニセフの調査では、世界で紛争下において性暴力にあう子どもは、年間2億2,300万人以上と推計されています。

また、女性の権利という観点では、水汲み労働の問題が挙げられます。
たとえばサハラ以南アフリカでは、家庭用の水汲み労働の71%は女性と少女で担われています。

水汲み労働のために学校に通えないなどの問題も起きており、結果としてアフリカの貧困を拡大させてしまっている問題です。
こうしたジェンダー格差による経済的損失は、サハラ以南アフリカだけでも年間総額900億ドルを超えるとも言われています。

まとめ|アフリカで起きる紛争

まとめ|アフリカで起きる紛争

今回の記事で見てきたように、アフリカで起こる紛争は、民族対立や資源争奪など、いくつかの要因によって引き起こされています。
また、紛争によって、貧困問題や人権侵害などが深刻化している地域もあります。

アフリカの現状や未来は、私たちの暮らしと決して無関係なものではありません。
持続可能な開発目標(SDGs)は「誰一人取り残さない」を理念として掲げています。

この記事の内容が、少しでもアフリカについて考えるきっかけになれば幸いです。

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