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平和と公正をすべての人に

日本における難民受け入れ状況とは?難民問題への日本・海外の反応について

SDGs(持続可能な開発目標)の16番目のゴールは「平和と公正をすべての人に」です。
この目標は世界中の人全員に平和と公正を約束できる未来の実現を掲げています。

日本においてこのゴールに関連する課題は難民問題でしょう。
難民ときいて、日本とは関係がないと感じる方も多いかもしれませんが、日本には年間1万人を超える難民と呼べる人々が渡航してきています。

本記事では、日本における難民の受け入れ状況や国内の支援体制、また国外での支援活動などについて学んで行きましょう。

難民とは

難民とは

難民の定義

難民条約では、難民を「人種、宗教、国籍もしくは特定の社会的集団の構成員であることまたは政治的意見を理由に迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために、国籍国の外にいる者であって、その国籍国の保護を受けられない者またはそのような恐怖を有するためにその国籍国の保護を受けることを望まない者」と定義しています。

また、国連広報センターにおいても「難民とは、迫害のおそれ、紛争、暴力の蔓延など、公共の秩序を著しく混乱させることによって、国際的な保護の必要性を生じさせる状況を理由に、出身国を逃れた人々をさします」と明記されています。

同じように紛争などによって住み慣れた家を追われたが、国内にとどまっている、あるいは国境を越えずに避難生活を送っている人々は、国内避難民と呼ばれています。
彼らの場合は国境を越えていないために難民の定義から外れてしまい、支援の対象外になってしまうことが問題になっています。

難民が多い国・理由

難民の出身国は、全体の3分の2以上、68%が5カ国に集中しています。

1位 シリア660万人
2位 ベネズエラ 370万人
3位 アフガニスタン 270万人
4位 南スーダン 220万人
5位 ミャンマー 110万人

シリアやアフガニスタン、南スーダンは長く続く中東~北アフリカでの紛争や宗教問題などにより常に難民が集中しています。

このなかでも近年著しく避難民の数が増加したのが、政情不安と食糧難により困窮する南米ベネズエラで、多くのベネズエラ難民が近隣諸国へと避難したことで、近年の南米において最大規模の難民危機となっています。

また、ミャンマーのラカイン州北部で起きた民族迫害の暴力行為により、2017年8月以降ミャンマーからの難民がバングラデシュに流入し、未曽有の人道危機となったロヒンギャ難民危機も影響しています。

参照元:数字で見る難民情勢(2019年)|UNHCR

世界の受入国ランキング

驚くべきことに、世界の難民の85%は開発途上国で受け入れられています。

1位 トルコ 360万人
2位 コロンビア 180万人
3位 パキスタン 140万人
ウガンダ 140万人
5位 ドイツ 110万人

世界最大の難民受け入れ国はトルコで、5年連続1位となっています。
しかし、実際の難民事情は深刻で、トルコが難民を多く抱える理由として、EU諸国がトルコを通過して自国にきた庇護希望者を「トルコが安全な国」として送り返す件数が増加していることに起因しているのです。

また、コロンビア、パキスタン、ウガンダは近隣諸国が政情不安定で内戦が続いているなどの事情により、受け入れ態勢を強化しているという背景があります。

また、ドイツはメルケル首相が100万人規模の難民受け入れをすることを発表し、大きな話題となりましたが、その背景には国内の高齢化による労働人口の不足を解消するという狙いもありました。
ただ、実際には難民に対する就職するうえでの差別などもあり、課題は山積みのようです。

日本の難民受け入れ状況

日本の難民受け入れ状況

難民の支援を考えるうえで重要になってくるのは、難民の受け入れと難民認定です。

日本は難民問題に対する国外での積極的な支援対策を行っているものの、実際に日本に難民を受け入れるとなると、途端に道が狭まっているのが現状です。

この背景と受入数、海外からの反応について学んでいきましょう。

難民認定とは

難民認定をうけた外国人は、原則として締約国の国民あるいは一般外国人と同じように待遇され、日本においては国民年金、児童扶養手当、福祉手当などの受給資格が得られることとなっており、日本国民と同じ待遇を受けることができます。

参照元:難民認定制度|出入国在留管理庁

日本の難民認定の歴史

日本はベトナム戦争が終結後、約30年間にわたり1万人以上の難民を受け入れ支援をしてきた過去があり、大きく間口を広げて難民を受け入れていました。

しかしながら、その開いていた門が閉じかけている背景に、偽装難民が増えたことがあります。
命の危険をおかして必死で逃げてきた難民以上に、就労目的で難民申請をする人々が増えたことにより、日本は難民認定の厳格化を実施したのです。

日本の難民受け入れ数

2019年には10,375人が難民申請をしたのにも関わらず、実際に認定されたのはたった44人でした。

2020年には新型コロナウイルス感染拡大により入国者が激減した背景があり3,936人が難民申請をしていますが、47人だけが認定されています。

参照元:令和2年における難民認定者数等について|出入国在留管理庁

日本の難民受け入れに関する海外の反応・批判

上記で示したように、日本の難民認定を受けるハードルは非常に高く、海外からは「難民鎖国」と否定的な呼び方をされることも多いです。

また、ローマ教皇が日本を訪れた際に教会でのイベントに出席して「友情の手を広げてひどくつらい目に遭って、みなさんの国に避難してきた人々を受け入れること」と難民受け入れを訴えたことに対し、Twitterなどでは「カトリックの国にいえ!」などと教皇への批判が相次ぎ、その拒絶反応をワシントンポストなどでも取り上げられ話題になっていました。

その一方で、「国内の治安や就労率を守るためには当然」といったような擁護の声も海外から上がっています。

しかし、日本はUNHCRへの拠出額は上位であり、国連難民高等弁務官は「日本の寛大な支援に感謝している」と述べています。

その一方で「まだ向上の余地がある」とのコメントもあるため、消極的な難民受け入れ態勢は今後の課題と言えるでしょう。

日本国内の難民支援

日本国内の難民支援

難民認定を受けるハードルの高さはお伝えしましたが、日本に難民として渡航してきた人々への支援体制はどのようなものがあるのでしょうか。

いくつか支援例をご紹介します。

医療費補助

日本に入国後、難民申請を提出して受理されるまでの間、治療を受けることができず、孤独感や病気・死の恐れと戦っている人もいます。

できるだけ早く身体と心の治療を受けて、健康的な生活へと戻れるように日本では難民と病院との中継役となる支援活動を行う団体がいます。

また、難民が無料で安心して医療を受けられるような連携サービスも開拓されています。

認定支援

難民は、日本に逃げてきてすぐに難民申請を行わなければいけません。
しかしながら、難民の人は日本語が分からないことがほとんどですし、命からがら逃げてきて疲弊しきっている状態では、自分たちで全てのことをするのは困難です。

そのように、右も左も分からない人でも難民認定を受けられるように、証拠を集めたり、弁護士とかけあうなどを行うための支援をおこなっている団体もいますが、日本ではまだ多くありません。

就労・教育支援

念願かなって日本で難民として受け入れられたとしても、生計を立てていくためには必要な訓練を受け就業し、子女の教育をおこなっていかなければなりません。

彼らのために日本語を教える団体や、支援事業を行う企業の支援をする団体などもあり、様々な団体が難民の支援に関わっています。

世界の難民支援活動

世界の難民支援活動

世界の人口の1%に当たる人が難民として生活する中、国連機関や各国はどのような支援をおこなっているのでしょうか。

緊急支援

緊急支援とは、生命維持にかかわる物資の支援などをすることです。

人々が自国から退避する背景には、紛争や内戦が勃発していることがほとんどです。
このような状況下では一度に多くの人が生命の危険にさらされるため、難民の人々の健康と心を守るための支援が必要となります。

そのため、緊急支援では日用品や食料品、温かい衣類や毛布などが供給されます。

自立支援

自立支援とは、難民生活をする人々が自力で生活できるようにするための支援活動を言います。

自国を追われ、先が見えない難民生活にあっても、子供たちが教育を受け、就労できるための教育支援や就労支援をおこなっています。

難民の中には一人で子どもを育てなければならない女性も多く、そういった母親たちが故郷に帰れなくても違う土地で生計を立てて生活できるように職業訓練や語学訓練など、様々な支援が行われています。

まとめ

まとめ

ゴール16の課題として難民問題を上げましたが、難民問題は実は複数のゴールと関係していて、世界的に非常に重要な課題といえます。

本記事では日本における難民問題の現状や歴史、海外からの評価などをご紹介しました。

人々が真に「平和と公正」を享受した生活をする世界を実現するのは簡単なことではないですが、まずは難民問題について知り、自分ができることからはじめていければよいですね。

  • 記事を書いたライター
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大手カフェチェーンで人材育成に携わり、青年海外協力隊としてアフリカのルワンダにて2年間活動、その後は国際協力機関での勤務経験あり。過去の経験をもとに現在はフリーランスとして途上国支援やキャリア教育の講師・メンター業をメインとして活動しながら執筆活動も行う。趣味は旅とコーヒーと料理。海の街に暮らし始めたことで日々大量の魚をさばく生活を楽しんでいる。

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