海の豊かさを守ろう

富栄養化とは?SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」で注目される問題

地球の面積の7割を占める海。
地球に生命が誕生したのも、海の存在が必要不可欠でした。

そんな私たちにとって大切な海が、いま危険にさらされています。ご存じでしょうか?
海の危機的状況を脱するため世界で取り組む持続可能な開発目標、つまりSⅮGsの目標14に「海の豊かさを守ろう」が設定されています。

今回は海の未来とは切っても切り離せない問題、「富栄養化」に注目していきます。

SDGs14「海の豊かさを守ろう」とは?

SDGs14「海の豊かさを守ろう」とは?

海の豊かさとはどのようなものでしょうか?
何となく「青いきれいな海」を想像するかもしれません。

もちろん、海が昔と変わらない美しさを取り戻すことも必要です。
加えて生態系のバランスが崩れていないことも必要です。

しかし、世界では海の資源を守ろうとする動きの裏で、違法な漁業が増えています。
2017年には十分に利用できる水産資源は全体のたった6.2%になってしまいました。

取りすぎている水産資源は34.2%です。
40年前は、この数字がほぼ逆でした。

この数十年の間にどれだけ水産資源を取りすぎてしまったのか、恐ろしくなります。
このままいくと、当たり前のように食卓に並んでいたあの魚もこの魚も、お目にかかれなくなるかもしれないのです。

他にも、ゴミを海や川などに捨ててしまうゴミ問題も深刻です。
有機物と違ってプラスチックのゴミは海で分解されることはありません。
長い間海を漂流し、どこかの砂浜にうちあげられます。

世界中の海には,毎年約800万トンものプラスチックゴミが流れ込んでくると言われています。
これは,東京スカイツリー222基分もの量です。

一人の人が軽い気持ちで捨てたプラスチックゴミ。
その集まりが海を汚しているのです。

SDGs14「海の豊かさを守ろう」では、10個のターゲットを設定して海全体に働きかけようとしています。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://mirasus.jp/sdgs/oceans/1888]

今、問題視されている「富栄養化」とは?

今、問題視されている「富栄養化」とは?

SDGs14「海の豊かさを守ろう」では10個のターゲットが設定されていますが、その1個目に「富栄養化」という言葉が出てきます。

『14.2025年までに,海洋ごみや富栄養化を含む,特に陸上活動による汚染など,あらゆる種類の海洋汚染を防止し,大幅に削減する。』
参照元:海の豊かさを守ろう|Edu Town SDGs

では、「富栄養化」とは一体どのような意味なのでしょうか。

富栄養化とは?

簡単に言うと、海に必要な栄養が多すぎる状態のことを言います。
「栄養が増えるのならば問題はない、むしろ良いことではないのか」と思ってしまうかもしれません。
ところが、全然良いことではないのです。

海を含め、自然界は一定のバランスを保つことで、その自然が守られています。
栄養分が増えすぎることで、自然界のバランスを崩してしまっているのです。

具体的には、海水に窒素やリンが増えることで、それらを餌にする水中の植物プランクトンが増えてしまいます。
さらに植物プランクトンを餌とする動物プランクトン、動物プランクトンや魚までもが一気に増えることになります。

急に魚が増えたら漁業の人も楽ができるかも、というのは大きな間違いです。
一気に増えた生物のおかげで、水中の酸素が少なくなってしまいます。

さらに大量のプランクトンが海面を覆うことで、水中の植物が光合成できず、酸素不足は加速。
酸素不足で死骸となったプランクトンを餌に、また魚が増えていくのです。

よくテレビなどで見かける水面を赤や青で染めているのを見たことがありませんか?
海面を赤色で覆うものを赤潮、湖や沼の水面の覆うものをアオコと言います。
どちらも大量のプランクトンが発生している海の異常事態なのです。

海からのSOSだと言っても過言ではないでしょう。
さらに大量の死骸が海底に沈み、悪臭の原因にもなっています。

この多すぎる栄養分はどこからきているのでしょうか?
私たち人間が富栄養化を作り出していることを、私たちは知る必要があります。

地域によりその割合はかわりますが、横浜市を例にすると以下の通りです。

『窒素は、生活排水60%、工場排水20%、農業・畜産・その他排水20%、りんは、生活排水50%、工場排水30%、農業・畜産・その他排水20%となっています。なお、数字は水再生センターでの窒素・りんの除去率(約50%)を加味したものです。
発生割合の最も大きい生活排水中の発生割合は、窒素が、トイレ約80%、台所・洗濯などの雑排水20%、りんが、トイレ約70%、雑排水30%となっています。』
参照元:富栄養化の原因となる窒素・りんの発生源は?|横浜市

意外と生活排水が多いことに驚かれたのではないでしょうか?

工場からの排水より、私たちが普段何気なく行う排水が海の豊かさを奪ってしまっているという事実から目を背けてはいけません。

「富栄養化」の対策

「富栄養化」の対策

SDGs14「海の豊かさを守ろう」の目標を達成するためには、富栄養化の問題は通らなくてはいけない課題です。

行政、個人に分けて富栄養化対策を見ていきましょう。

行政の対策

行政が行うべきは、下水処理技術の向上です。
現在、物理化学的リン・窒素除去法や、生物化学的リン・窒素除去法が行われています。
ところが100%除去できるのではなく、除去率は2割から4割ともいわれていて、除去できなかったリンや窒素はそのまま海に流されていきます。

この下水処理での除去率があがれば、富栄養化を防止することが期待できます。
さらに、リン資源は世界的にも今後数百年で枯渇してしまうおそれがあり、リン資源を下水処理の時点で再利用できないかと今研究が進められています。

他にも、工場に対して排水の水質を規制する条例を作る自治体も実際にあります。
法律の基準値以下の数値でないと排水できないのです。

下水処理にたどり着く前、洗剤やシャンプーなどを作る時点でこれらを使わない選択もできます。
台所用洗剤は、一部業務用を除き今ではリン酸塩が入っていません。
数十年前は当たり前に入っていたリン酸塩を使わないためには、相当な努力が必要だったでしょう。

今でも台所用洗剤には少量のリンが使われ、ボディーシャンプーや歯磨き剤には多く使われています。
しかしこれも、技術の向上により解決できる日もくるかもしれません。

個人でできる対策

富栄養化対策として、個人でできることはたくさんあります。

なにせ生活用水が富栄養化の原因の半分を占めているのですから、一人一人の意識改革が必要です。

簡単にできることを具体的に紹介しましょう。

油をそのまま排水しない

揚げ物に使用した油をそのまま排水してはいけません。
油を固める商品もスーパーなどで購入できるので使用しましょう。

揚げ物だけでなく、焼いたときにフライパンに残る油も紙などでふき取って、排水しないようにします。
食べ残しも同じくです。

カレーやミートソースなど、食べ物の中にも油は含まれています。
残さず食べ、さらに紙などでふき取るといいですね。

洗剤類を多く流さない

食器を洗うため、体を洗うため、一切洗剤やシャンプーなどを使わないことは現代生活では難しいでしょう。
しかし、減らすことはできます。

よく泡立つからといって、適量以上使用する無駄遣いはやめましょう。

地球にやさしい製品を使う

今では水を汚しにくい商品も多く開発されています。

少し値は張るかもしれませんが、より多くの人がこのような製品を使用することで、一般的になっていく動きができるかもしれません。

[sitecard subtitle=関連記事 url=https://mirasus.jp/sdgs/oceans/2491]

まとめ

まとめ

私たちの生活とは切っても切り離せない海の豊かさを守るため、富栄養化をとりあげましたが、いかかでしょうか?
恐ろしいのは無知で、いつの間にか水質汚染に加担してしまっていることです。

もちろん一人の努力で防げるものではありません。
しかし一人一人が意識を変えていくことで、確実に海、地球を守ることに繋がります。

個人でできることはそう難しくありません。
いつまでも美しい海、美味しい魚を楽しむために、今日から一歩踏み出してみましょう。

コメント

この記事へのトラックバックはありません。

RELATED

PAGE TOP