つくる責任 つかう責任

エシカルな暮らしで私たち消費者は世界を変えられる

世界的に大きな流れとなっているエシカル消費。
しかし、日本国内での「エシカル」という言葉の認知度は8.8%(2019年)と、残念ながらその認知度はとても低いです。

「エシカルってなに?」
「エシカルな暮らしってどんな暮らし方?」

そんな疑問にお答えするため、本記事は以下の五点についてご紹介します。

・エシカルとは人・環境・社会などに配慮すること
・それを作ったのは、貧しい国のこどもかもしれない
・エシカル消費は認証ラベルを目印にする
・暮らしにエシカルな要素を取り入れるコツ
・自治体の取り組み

暮らしの中の消費行動を改めることで、私たち消費者は世界を変えられる可能性をもっています。

エシカルとは、人・環境・社会などに配慮すること

エシカルとは、人・環境・社会などに配慮すること

エシカル(Ethical)とは、「倫理的な」「道徳上の」といった意味をもつ英語の形容詞です。
人権や環境、社会などに配慮していることを表す言葉として使われています。

エシカルな暮らしとは、人権や環境、社会などに配慮した暮らし方ですが、その肝となるのが「エシカル消費」です。
これまで購入する商品の選択基準は、安さや品質だったかもしれません。それを、人権や環境、社会などに配慮した商品を選ぶことが「エシカル消費」です。

これまでも頻繁に使われてきた「エコ」という言葉と、一体何が違うのでしょうか。

エコは、エコロジー(ecology)という「生態学」という意味で、生物と環境の相互作用を扱う学問分野を指します。
それが、「地球環境にいい」という意味で使われるようになりました。加えて、エコノミー(economy)のエコとも言われており、こちらは「節約」「経済」という意味を持ちます。

エコが「環境」に着目しているのに対し、エシカルは環境だけではなく、社会全体やそこに存在する人たちや動物のことも含まれています。

SDGsの17項目の目標にもあるように、飢餓や貧困・環境破壊・格差など、世界は多くの問題を抱えています。豊かな生活を送る人がいる一方で貧しい生活を送る人がいたり、国や技術が発展する一方で、環境破壊が進行したり。

私たちがエシカルな暮らしをおくることは、SDGsが目指すよりよい世界の実現につながるのです。

それを作ったのは、貧しい国のこどもかもしれない

それを作ったのは、貧しい国のこどもかもしれない

あなたが手にする商品は、一体だれがどんな場所でつくったものか考えたことはありますか。
表からはみえない商品の背景には、児童労働などの信じがたい事実が隠れているかもしれません。

1997年、スポーツブランド「ナイキ」のサッカーボールを製造する下請け工場で、児童労働や劣悪な環境での長時間労働などが発覚しました。
貧しい家庭のこどもたちが、お金を得るために学校教育も受けず、工場でサッカーボールを作っていたのです。
この問題が明るみになり、世界的な不買運動が起こりました。

近年では、アメリカが大手衣料品ブランド「ユニクロ」の一部製品について、輸入差し止めの措置をとりました。
中国の新疆(しんきょう)ウイグル自治区で強制労働により栽培された綿を製品に使用していると指摘されたのです。
中国政府は全面的に否定していますが、同自治区の綿の使用を中止する企業は相次いでいます。

また、チョコレート原料となるカカオ豆の産地でも児童労働の問題が指摘されています。
産地のこどもたちはチョコレートを食べたことすらなく、何のために働いているのかも理解していないといいます。

これらは一例にすぎず、児童労働や強制労働は残念ながらいまも世界中で起こっています。
こどもたちが教育を受けられず大人になれば、その後も低賃金の仕事に就く可能性が高いです。

私たちが安い商品を求めることで、企業はより安いコストで商品を作ろうとします。
人件費を削減するため、貧しい国の人たちを低賃金で雇うのです。

私たちは知らず知らずのうちに、遠くの国に暮らす人を不幸にしているかもしれないのです。

参照元:気候変動に人権、農産物支援現場に「幸せ」培う企業努力|日経新聞

エシカル消費は認証ラベルを目印にする

エシカル消費は認証ラベルを目印にする

エシカル消費を実践するためには、どのような商品を選ぶべきか迷うこともあると思います。

その判断基準のひとつとして役に立つのが、認証ラベルです。

MSC認証

海のエコラベルと呼ばれ、水産資源や海洋環境を幅広く考慮して獲られたものであることを示しています。専門家による厳格な審査を通過する必要があります。

FSC認証

適切に管理された森林資源を使用した製品である証です。生産や加工、流通など関わるすべての組織がFSCに関連する認証(COC認証)を受ける必要があります。

国際フェアトレード認証

フェアトレード(公正な取引)は、発展途上国でつくられた作物や製品を適正価格で取引することです。その結果、生産者の生活を支援できます。

国際フェアトレード認証は、世界的に認知されている倫理的ラベルのひとつであり、社会・環境・経済の3つの基準(国際フェアトレード基準)を満たした製品である証です。

その他にも、こんな消費行動がエシカル消費につながります。

・地産地消で、地域活性化に貢献する。輸送エネルギーの削減にもなる
・被災地の特産品を購入し、復興を後押しする
・エコ商品を選ぶ
・売上が寄付される商品を選ぶ
・人権問題に関与する企業の商品を買わない

暮らしに「エシカル」な要素を取り入れるコツ

暮らしに「エシカル」な要素を取り入れるコツ

エシカルに暮らすことは、少し面倒なイメージがあるかもしれません。
確かに、生活スタイルをガラリと変えて、暮らしを完璧にエシカルなものにすることはとても大変で、継続も難しいでしょう。

暮らしに「エシカル」な要素を取り入れるコツは、無理せず気軽に取り組むことです。細く長く継続できるよう、生活に取り入れやすいことから始めましょう。

先ほどエシカル消費についてご紹介しましたが、以下のような例も環境や人に配慮したエシカルな行動です。
ぜひ、取り組みやすいものから実践してみてはいかがでしょうか。

・買い物にはエコバッグを持参する
・残飯などの食品ロスがでないよう気をつける
・必要なものを必要な分だけ購入する
・ゴミをきちんと分別する
・自分のことだけではなく、相手のことも考える
・多様性を尊重する
・服や家具などは、丈夫で長く使えるものやリサイクル品を選ぶ

自治体の取り組み|徳島から全国へ。広がるエシカル消費

自治体の取り組み|徳島から全国へ。広がるエシカル消費

冒頭で、「エシカル」という言葉の認知が日本では進んでいないとお話ししましたが、例外となる自治体があります。
それは四国の徳島県です。

徳島県では、エシカル消費の認知度が2017年の調査で26.4%、2019年では40.9%にものぼりました。

2017年に消費者庁が徳島県に移転して以降、県内ではエシカル消費に関するさまざまな取り組みが実施されてきました。
その取り組みは県民への情報提供にとどまらず、生活にエシカル消費を取り入れてもらうため、教育現場やショッピングモールなどでも積極的に行われました。

現在は、徳島から全国へエシカル消費を普及するための事業も展開しています。

【これまでの取り組み例】

・SNSやタウン誌での情報発信、映画館での啓発動画の放映など、さまざまな媒体を活用しての啓発活動
・全国初となる、エシカル消費に関する条例を制定
・県内の阿波市は、県下有数の農業地域という特徴をいかし、学校給食に阿波市産の農産物を積極的に使用。地産地消の推進を図る
・エシカル消費に関する取り組みを発表する「エシカル甲子園」を開催。エシカル消費の推進に取り組む全国の高校生たちが参加した

地方から全国へと広がるエシカル消費。自治体同士が手を取り合うことで、その輪は確実に広がりを見せています。

あなたの街でもエシカル消費に関する取り組みを行っているかもしれません。ぜひ、チェックしてみてはいかがでしょうか。

参照元:徳島県内で実施された エシカル消費に関する取組事例集|消費者庁

まとめ

まとめ

エシカルな暮らし、エシカル消費などについてご紹介しました。

「エシカル」という言葉は、日本人にとっては外国語であり「SDGs」と同様に、説明がないとそこに込められている意味がイメージしにくい言葉です。
しかし、その本質はとてもシンプルなもので、「人や環境を思いやること」であるといえます。

消費者である私たちが、生活の中の消費行動を改めてエシカルに暮らすことは、商品をつくる企業の事業モデルをも変えることができます。
その結果、世界が抱える問題を解決に導くことにつながるのです。

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