環境問題は世界中の問題になってきており、G20を中心に世界各国では環境問題への対策を講じています。
日本の企業も例外ではなく、日々進行する環境問題の解決に貢献できる取り組みを行っているのがポイントです。
しかし、日本の企業でどんな取り組みを行っているのか気になる人もいるのではないでしょうか?この記事では、環境問題に取り組む企業は具体的にどんなことをしているのか解説していきます。
環境問題に取り組む体制はCSRからサステナビリティへ
日本の企業は、かつてCSRによって環境問題に取り組んでいました。
CSRとは、社会的責任によってどんな環境活動をしているのかというテーマです。
CSR活動として主に行われてきたのは、環境保全活動、ボランティア、寄付活動、環境汚染の防止、生物の保護、植林活動、文化支援、人権保護など、様々な活動によって社会貢献が行われているのが特徴です。
一方のサステナビリティは自然環境と社会経済、人間の生活が調和を取りながら持続し、発展していくことを指します。
CSR活動は基本的に社内で完結するような環境活動が行われていますが、サステナビリティによって社内の枠を超えて地域や地方自治体などと一丸になって様々な環境問題に取り組んでいくのが特徴です。
今はまだCSR活動を行っている企業が多いですが、実際にサステナビリティ活動に移行している企業もあります。
しかし、CSRでもサステナビリティでも環境問題に取り組むことに変わりはないので、2つの違いによる問題は特にありません。
環境問題に取り組む企業がどんなことをしているのか一挙解説します
今現在でも、環境問題に取り組んでいる企業は多くあります。
それぞれの企業が環境問題に対し、どのようにすれば環境問題の解決に貢献できるのかを考えて実践しているため、企業ならではの財力を活用しているのではないでしょうか。
それでは、環境問題に取り組む企業がどんなことをしているのかご説明しましょう。
ユニクロ
衣類はブランドや流行の関係で移り変わりが激しく、ブームが去った後の衣類や売れ残った衣類は不要になってしまいます。
当然ながら環境問題の観点で不要になった衣類を処分してしまうのは非常にもったいないですし、回収せずに廃棄処分してしまうと、二酸化炭素を増やす可能性があります。
このように、処分する過程で環境を汚染してしまうでしょう。
しかし、ユニクロでは1着も無駄にすることなく、環境活動を行っているのがポイントです。
ユニクロが行っている環境問題は、不要になった衣類を店舗で回収し、国連などを通じて世界各国の難民キャンプや被災地へリユース品として届けることです。
これなら排気する予定だった衣類が無駄になることがありませんし、環境汚染を回避できるので一石二鳥になります。
大量に廃棄すれば二酸化炭素を大幅に増やしてしまうことになりますし、衣類の元となる資源も無駄にしてしまいます。
難民キャンプや被災地へ排気予定だった衣類を提供することによって、お互いに得がある環境保護活動が実現するのがポイントです。
カルビー
お菓子メーカーのカルビーは、北海道千歳市にある水源涵養森の一部を「ミナミナの森」と名付けて保全活動を行っています。
水源涵養は絶対になくてはならない場所であり、降った雨を蓄え、浸透させた土壌がろ過して綺麗な水にしてくれます。
また、豪雨などで河川が増水して氾濫しないように防いでくれる働きもあるので、地域住民の安全と生活を守ってくれていると言えるでしょう。
そんな大切な森を守るために、カルビーは地元の北海道林業技士会と協力して植樹や雑草刈りなどを行うといった環境保全活動を行っています。
サントリー
飲料メーカーのサントリーは、水育というプログラムを子ども達に教えているのがポイントです。
水は生涯に亘って私たちの生活を支えているだけでなく、世界中に住む人々や自然などに欠かせないなど、まさになくてはならないものです。
水育は自然の素晴らしさや森の大切さなどを子ども達に教えるプログラムで、森と水の学校、出張授業の2つの活動が行われているのが特徴です。
森と水の学校は2004年~2019年にかけて約2万7,000人もの親子が参加しており、白州や奥大山、阿蘇などの大自然の無あkで森と水の大切さや素晴らしさを教えています。
出張授業は2019年までに約15万4,000人の子どもが参加しており、小学校に出張して授業が行われます。
授業では自然の仕組みや未来に水を引き継ぐために何ができるのかを考えるといった内容になっているのが特徴です。
KDDI
KDDIでは2017年に策定し、2030年まで行われる「KDDI GREEN PLAN 2017-2030」を取り組んでいます。
このプランは基本的に環境問題の解決に貢献できるように二酸化炭素の削減を行ったり、携帯電話をリサイクルしたり、各支社で地域の森林や海岸をはじめとする保全活動も行われています。
特に各支社で行われている保全活動は全て地域に根差した環境活動なので、地域によって行われている活動内容が大きく違います。
KDDIは多くの企業がCSR活動を行っている中、社員や社長自ら地域社会に貢献する活動を行っているため、積極的に環境問題の解決に貢献している企業だと言えるでしょう。
ダイキン
ダイキンは「空気をはぐくむ森プロジェクト」という活動を行っています。
このプロジェクトは、世界の原生林を初めとする7つの地域で森の保全活動を積極的に行っており、地元住民やNGOと協力しています。
この活動は森を「地球のエアコン」と捉えた上で植林や自然保護活動を行っており、違法伐採や密猟の取り締まりも積極的に行っているのが特徴です。
ダイキンはサステナビリティ活動を行う代表的な企業で、自然の保全活動に留まらず、地元住民の生計を確保するために畜産や農作などの支援を行っています。
その他にも水や電気などを初めとするインフラ整備も行っているなど、森林と地域経済の両立を図る活動が行われているのもポイントです。
ソニー
ソニーは「Blue Ocaen Project」と呼ばれる自然を綺麗にする活動を行っています。
このプロジェクトでは、主に海洋プラスチックゴミを削減する環境活動を行っており、海洋生物に悪影響を与えるあらゆるゴミの削減を目指しているのが特徴です。
プラスチックゴミを排出しないように再生プラスチックを使用したり、プラスチックストローやカップ、レジ袋の提供を廃止したり、各地の社員が海岸でゴミ拾い活動をするなど、とにかくプラスチックゴミを排出しないように積極的に活動しています。
綺麗な海岸は海洋生物にとって楽園のようなものであり、健康的に生命を育む重要な環境です。
人が海を汚すのは環境破壊以外の何物でもないので、こうしたソニーの環境保全活動が環境問題の解決に貢献できると言えるでしょう。
まとめ
環境問題は、各地のいたるところで行われています。
環境破壊の要因を作っているのは人であり、環境保全活動などをするのも人です。
一人一人ができることには限界がありますが、経済力がある企業であれば環境問題に取り組むためのプログラムやプロジェクトを推進することができます。
これからも多くの企業が環境保全対策を行い、自然と共にある生活に少しずつ近づけてくれるでしょう。