温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにするカーボンニュートラルですが、カーボンニュートラルは各々の企業が取り組めば実現できるものではありません。
企業のみならず、私たち一人一人が意識して取り組まなければ、到底実現できるものではないでしょう。
しかし、カーボンニュートラルを実現するためにどんな取り組みをすればいいのか分からない人も多いのではないでしょうか?
どんな取り組みをすればいいのかが分かれば、実現に向けて意識的に行動できます。
それでは、カーボンニュートラルを実現するためにどんな取り組みが行われているのかご説明しましょう。
カーボンニュートラルを実現するために行っている取り組み
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量から吸収量と除去量を差し引いた時にゼロにする取り組みです。
温室効果ガスは様々な取り組みによって削減することはできても、完全に排出量をゼロにすることはできません。
つまり、他の方法で吸収量と除去量を差し引いた上でゼロにできれば、カーボンニュートラルを実現することができるでしょう。
ここで言われる吸収とは、たとえば植林を行って光合成による題記中のCO2を吸収することなどが挙げられます。
一方の除去は、CO2を他の気体から分離して集め、地中深くに貯留・圧入するといった方法が挙げられます。
カーボンニュートラルを実現するためにも、まずはそれぞれどんな取り組みを行っているのか知ることが大切です。
それでは、カーボンニュートラルを実現するために企業が行っている取り組みについてご説明しましょう。
再生エネルギーの導入拡大
温室効果ガスの排出量を可能な限りゼロにするには、自然エネルギーを活用した再生エネルギーの導入を拡大する必要性があります。
導入拡大を促進させるためには、それを利用する人の認識や認知が大切ですし、いかにしてコストを低減させるかどうかも重要です。
再生エネルギーを活用するには多大なコストがかかってしまうので、コストの低減が実現できれば効率良く導入拡大ができるでしょう。
原子力による安全性が高い発電
電気エネルギーも自然エネルギーの一つではありますが、それを再生可能エネルギー発電をする原子力の安全性も気になる人が多いのではないでしょうか?
原子力発電所を再稼働することに反対する人もいるかもしれませんが、電力部門では反対する人にも納得してもらうほどの安全最優先の再稼働を促進すること、そして安全性などに優れた炉の追及を行っています。
さらに、継続した信頼回復も課題となっています。
カーボンリサイクル
温室効果ガスの排出量を差し引きゼロにするためには、いかに大気中のCO2が回収できるかにかかっています。
そのためにも、カーボンリサイクルによるCO2回収技術の確立および回収したCO2の用途拡大、コスト低減が課題です。
回収したCO2の使用用途が広がれば、積極的に回収することで役立つ上に、カーボンニュートラルを効率良く実現させることができるでしょう。
水素発電
水素発電の技術力が向上することによって、水素だけで発電できるようになるのは大きなポイントです。
水素燃焼火力の技術開発の促進も大切ですが、まだ広く普及されているわけではないので水素インフラ整備も課題となっています。
私たちができるカーボンニュートラルを実現させる取り組み
カーボンニュートラルを実現させるためには、企業だけでなく私たちも意識して取り組む必要性があります。
といっても、難しいことを考える必要性はありません。
温室効果ガスの排出量を少しでも抑えることに注力すればいいので、そのためにできることをすることが大切です。
それでは、カーボンニュートラルを実現するために私たちができる取り組みについてご説明しましょう。
ZEH住宅にする
初期費用こそ高いものの、ZEH住宅にすることによって冷暖房効率を良くし、自然エネルギーだけで生活できるようになります。
ZEH住宅は高断熱化、遮熱化によって外気温による影響を受けず、外部に室内の温度が逃げることもないので、夏は涼しく、冬は暖かい生活ができます。
これによって、エアコンの設定温度を適温以下にすることができます。
設定温度以上にすると環境に負担をかけてしまうので、適温を維持して負担を最小限に抑えられるのが大きなポイントです。
さらに太陽光発電ができることで、日中に電気を蓄電池に貯め込み、夜中は貯めた電気を使うので自給自足の生活ができます。
ガスを使わない
温室効果ガスが増えると地球温暖化が進行してしまうため、なるべくガスを使わない生活にするのがおすすめです。
ガスを使っていたところをオール電化にしたり、IHコンロにしたり、エコキュートにしたりと、全ての設備をオール電化にすることによってガスを使わない生活ができます。
ガスはCO2を発生させるので、ガスを使わない生活に変えることが地球温暖化対策になります。
ただし、ガスを使わない生活にするということはオール電化やIHコンロ、エコキュートなどの設備を導入するためのコストがかかります。
そのコストは導入費用だけで数十万円~数百万円ほどかかる可能性もあるため、無理のない範囲で導入することが大切です。
無駄遣いをしない
オール電化などの設備の導入が難しくても、日常生活の中でできることも多くあります。
たとえば電気をつけっぱなしにしないようにしたり、ガスを使う時間を減らしたりと、少しでも削減できることを意識して行うことが重要です。
実際に電気のつけっぱなしやガスを長時間使っているケースは多く、それだけで地球温暖化を進行させていると言えるでしょう。
まとめ
カーボンニュートラルを実現させるためには、企業のみならず私たち一人一人が意識して取り組む必要性があります。
企業だけではカーボンニュートラルを実現させることは非常に厳しいため、私たちも意識的に取り組まなければ2050年までに実現させることはできないでしょう。
「自分がやらなくても他の人がやってくれる」という考えでは、地球温暖化の進行を抑えることはできません。
地球に住む人全員が意識的に協力することで、カーボンニュートラルが実現できるでしょう。