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気候変動に具体的な対策を

環境問題とは?その種類や企業の取り組み事例も解説!

以前、地球温暖化の影響によるサンマの不漁が話題になりました。

日本近海の海面水温が、地球温暖化の影響で上昇。
通常であれば、北太平洋から寒流に乗り南下してくるはずのサンマが、日本海の外で停滞してしまいました。

サンマは高温が苦手なため、海水温が上昇した日本海に近づけません。
そして日本海の外にいたサンマは、外国船によって捕獲されてしまいました。

このように、近年環境問題が原因で海や陸など、さまざまな場所で被害がでています。
環境問題は何が原因で起こり、どのような種類があるのでしょうか。

本記事では、

  • 環境問題の種類
  • 企業の取り組み事例
  • 個人にできる取り組み
  • SDGsとの関係性


などをまとめました。

まずは、環境問題がどのようなものかを見ていきましょう。

環境問題とは?

環境問題とは?

環境問題とは、人間活動が原因で起こる周囲の環境変化によって、自然や人・生き物・社会などに問題が発生することを指します。
そして環境問題は年々深刻化しており、少しずつ私たちの生活にも影響を与えています。
しかし一括りに環境問題と言っても、種類はさまざまです。

環境問題の解決を目指すのであれば、どのような問題が発生しているのかを知る必要があります。
まずは、環境問題の種類について確認しましょう。

環境問題の種類

環境問題の種類

環境問題には、下記のような種類があります。

■地球温暖化

地球温暖化は、気候変動と密接に関わる環境問題です。
主な原因は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスと言われています。

本来温室効果ガスには地球の暖かさを保つ役割があり、なくなってしまうと地球の温度はマイナス19度まで低下します。
しかし、温室効果ガスが増えすぎてしまうと必要以上に熱が地表に溜まり、気温上昇や気候変動が起こります。

そして近年は地球温暖化の進行が急激に進んでおり、原因の1つに化石燃料の使用が関係しているのです。
石油や石炭などの化石燃料を燃やすと、二酸化炭素が発生します。

私たちが地球環境のことを考えずに化石燃料を使用してきた結果、大量の二酸化炭素が排出され地球温暖化を悪化させてしまいました。
これ以上の悪化を防ぐには、二酸化炭素の排出量削減に取り組むことが必要です。

参照元:地球温暖化とは?温暖化の原因と仕組みを解説|WWFジャパン

■海洋汚染

生態系や海洋環境を悪化させる海洋汚染ですが、とくに海洋プラスチックごみによる汚染が問題になっています。

海に流れ込んだペットボトルやレジ袋などのプラスチック製品は、砕かれて5mm以下のマイクロプラスチックに変化。
このマイクロプラスチックを海洋生物がエサと間違えて食べると、付着している有害物質の影響を受ける可能性があります。
その魚を私たち人間が食べる可能性もないとは言い切れません。

そして海洋汚染の原因はマイクロプラスチック以外にも、

・船舶やタンカーの事故で石油が流出
・工場排水や生活排水
・ごみの不法投棄

などが挙げられます。

上記のような原因に対して対策をせずにいると海洋汚染が進み、海洋環境や生態系のバランスが崩れてしまいます。
海洋生物も生きていけず、数の減少につながるでしょう。

さらに、海洋生物の数が減ると、魚を獲ることで生計を立てていた漁業関係者が職を失いかねません。
私たち消費者も、魚を食べられなくなる可能性があります。

参照元:海洋ごみとマイクロプラスチックに関する環境省の取組|環境省

■水質汚染

産業排水や生活排水の影響を受けるのは、海だけではありません。
河川や湖沼なども当てはまります。

昔は、工場や農場から出る有害な化学物質が含まれた排水を、そのまま河川や湖沼に流していました。
しかし、それが原因で水質汚染の悪化や生態系へ影響を及ぼすことに。
現在は排水の処理方法も決められていますが、排水の放流が完全になくなったわけではありません。

キッチンやお風呂・トイレなどから排出される生活排水は、産業排水のように処理方法が決められていません。
しかし、規制もなく日常的に排出しているため、少しずつ環境に負荷をかけているのです。

改善するためには一人ひとりが、水質汚染の悪化を防ぐにはどうしたらよいかを考え、行動することが大切です。
例えば、食器を洗う際は洗剤の使用量を減らす、環境に優しい成分の洗剤を使用するなどが挙げられます。

■森林破壊

2020年の世界森林評価(FRA2020)によると、世界の森林総面積は40億6,000万ヘクタール。
陸の31%を占めています。

引用元:世界森林資源評価2020主な調査結果(仮訳)|林野庁

1990年以降は、地球上から1億7,800万ヘクタールの森林がなくなりました。
その原因が、森林破壊だと言われています。

森林破壊による森林減少の理由は下記の通りです。

・森林火災
・森林伐採
・農地や放牧地として利用
・焼畑農業
・道路などのインフラ整備

森林の回復するペースを考えずに行う違法な森林伐採や、発展途上国で多い焼畑農業など、私たち人間が森林破壊の原因になっていることも少なくありません。
現在も森林面積の減少は続いていますが、各国の植林活動によって減少スピードは緩やかになってきています。
とくに中国では大規模な植林活動が行われ、森林面積が大幅に増加しました。

そのほかにも、

・オーストラリア
・インド
・チリ
・ベトナム
・トルコ
・アメリカ合衆国
・フランス
・イタリア
・ルーマニア

でも森林面積が増加しています。

参照元:
世界森林資源評価2020主な調査結果(仮訳)|林野庁
世界の森林減少の現状|独立行政法人森林総合研究所
世界で最も包括的な森林資源の分析 新たな形式で発表|国際連合食糧農業機関(FAO)駐日連絡事務所

■生態系への影響

環境問題によって、地球上に暮らす生き物にも影響が出ています。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(※)によると、2021年時点では約3万8,543種類以上の野生動物が絶滅の危機にあると発表しました。
外来種の増加や密猟なども原因ですが、気候変動や森林破壊など環境に関する影響も受けています。

例えば、東南アジアのスマトラ島に生息するスマトラオランウータン。
熱帯雨林に生息しフルーツを食べて暮らしていましたが、農地開発による森林伐採や乱伐の影響で多くの森が消えていきました。
そして住処を失ったスマトラオランウータンは、生きていくことが難しくなり絶滅の危機に。

このように人間の都合で生態系や自然環境のバランスを崩すと、環境問題の悪化に拍車をかける結果となるのです。
そして、その影響は人間だけではなく、ほかの生き物にも及ぼします。

(※)レッドリスト:絶滅の可能性がある世界中の野生動物をリスト化したもの。

ここまでは、環境問題の種類を紹介しました。
さまざまな種類があることを理解していただけたのではないでしょうか。

次は、この環境問題を解決するために日本の企業がどのような取り組みを行っているのか見ていきます。

参照元:地球温暖化による野生生物への影響|WWFジャパン

環境問題の解決を目指す企業の取り組み事例

環境問題の解決を目指す企業の取り組み事例

●【イオン株式会社】イオン ふるさとの森づくり
1991年から開始した「イオン ふるさとの森づくり」では、環境問題の解決を目指し、日本や世界のお客さんと一緒に植樹活動を行っています。

植樹は2021年2月時点で1,222万6,872本になりました。

参照元:イオンの植樹活動|環境の取り組み|イオンのサスティナビリティ|イオン株式会社

この植樹活動は環境問題の解決はもちろんですが、植樹を通して人と人との交流や地域に根ざした森づくりを実現。
ただ木を植えて育てるのではなく、育てる中で得られた気づきを地域の人と共有し、一緒に成長していく場にもなっています。

現在は日本以外に中国・マレーシア・タイなど、アジア各国でも植樹活動を行い、世界の環境問題の解決に貢献しています。

内部リンク:環境問題に取り組む企業は具体的にどんなことをしているのか解説!

環境問題の解決のために身近なことから始めよう

環境問題の解決のために身近なことから始めよう

私たち個人にも、環境問題の解決に向けてできることはあります。
身近なことから始めましょう。

取り組み例としては、下記の内容が挙げられます。

・過剰包装の商品やプラスチック製品の購入を控える
・長く使えて質の良いものを購入する
・環境ラベルの付いた商品を選択する
・衝動買いをせずに、本当に必要かを考えて購入する
・地産地消を心掛ける(移動の際に出る二酸化炭素の削減)
・マイボトルやマイバックを持ち歩く
・近距離であれば自動車を使用せずに、自転車や徒歩で目的地まで向かう
・家の電気を再生可能エネルギーにする
・照明はLED、家電は省エネ型を選択
・お風呂は沸かし直さなくてもいいように、時間を空けずに入る

何か特別なことや大きなアクションを起こさなくても、環境問題の解決に向けて取り組めます。
自分ができそうなことから、少しずつ暮らしに取り入れてみましょう。

今回紹介した企業や個人の取り組みは環境問題の解決に繋がるだけではなく、SDGsの目標達成にも関わってきます。

内部リンク:環境問題を解決するために私たちができることとは?

SDGsの目標達成は環境問題の解決につながる

SDGsの目標達成は環境問題の解決につながる

SDGsには、環境問題に関する目標も含まれています。
そのためSDGsの目標達成は、環境問題の解決にも繋がるのです。

どの目標がどのように関係しているのかを詳しく見ていく前に、まずはSDGsについて知りましょう。

SDGsとは

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略です。
日本では「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
2015年の9月に行われた国連総会にて、193の加盟国が賛同した国際目標です。

世界中の環境・社会・経済に関する課題を解決するために、17の目標と169のターゲットが設定されました。
私たちは2030年までに、すべての目標達成に向けて全員で協力し、誰一人取り残さない世界を目指します。

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

そして、環境問題の解決と密接に関わっているのは下記の4つの目標です。

目標6「安全な水とトイレを世界中に」
目標13「気候変動に具体的な対策を」
目標14「海の豊かさを守ろう」
目標15「陸の豊かさも守ろう」

ここからは各目標が環境問題と、どのように関係しているのかを詳しく見ていきましょう。

目標6「安全な水とトイレを世界中に」

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

目標6は淡水だけではなく、気候変動による水不足や水害・水資源の管理・生態系など、淡水に関係するあらゆる課題を対象にしています。
水の環境問題というと、海洋汚染や海面上昇など海に注目しがちですが、淡水に関する問題も少なくありません。

そして先述した気候変動が原因で起こる水不足のように、ほかの環境問題が引き金となる水問題もあります。
しかし、これは見方を変えると、原因であるほかの環境問題を改善すると水問題も解決されるということです。

このようにSDGsの目標は、ほかの目標と関連性が高いところも特徴です。
1つの目標に集中して取り組むのではなく、関連している目標はないかを考え総合的に取り組むようにしましょう。

目標13「気候変動に具体的な対策を」

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

環境問題の1つであり、世界中でさまざまな影響を及ぼしている気候変動。

目標13では包括的に気候変動の問題を解決するために、

・災害に対するレジリエンスと対応の強化
・国の政策などに対策や計画を盛り込む
・人的能力や組織の対応能力の改善
・緩和・適応・影響の軽減
・災害の早期警戒に関する教育・啓発

などが盛り込まれています。

また、SDGsの約8割は、

・農業対策
・資源効率性の向上
・廃棄物削減・リサイクル
・再生エネルギーの利用拡大

など、気候変動と関連性の高い内容となっているため、ほかの目標に取り組むことで最終的には目標13の達成にも繋がるのです。

目標14「海の豊かさを守ろう」

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

海や海洋資源・海洋生態系に関する課題解決を目指す目標14。
ターゲットも、海洋プラスチックごみ問題や気候変動の悪化を促す可能性のある海洋酸性化への対策などが盛り込まれています。
そのため目標14の達成を目指し取り組むことで、環境問題の解決にも繋がるのです。

私たちは昔から、海の恩恵を受けて生きてきました。
このまま海洋環境が悪化すると、今まで通りの生活ができなくなります。
次の世代の暮らしにも影響を及ぼしかねません。

美しい海を残すためにも、一人ひとりが目標14の達成に真剣に取り組まなければならないのです。

目標15「陸の豊かさも守ろう」

引用元:JAPAN SDGs Action Platform|外務省

目標15は、陸上生態系の保護や回復・持続可能な利用の推進・砂漠化の防止など、陸の自然環境や生態系を守る内容となっています。
そして目標15は、加盟国のSDGs達成度を順位で表した「2021年のSDGs達成度ランキング」で、唯一前年よりも状態が悪化していると評価された目標です。

原因としては、森林伐採や地球温暖化・砂漠化などの環境問題が挙げられます。
私たちは改善を目指し取り組んでいたはずの目標が、悪化している現状を重く受け止めなければいけません。
そして全員が協力し、取り組んでいく必要があります。

参照元:
SDGs(持続可能な開発目標)|蟹江憲史
Sustainable Development Report2021 | 持続可能な開発レポート2021

まとめ

まとめ

今回は環境問題について、お伝えしました。

私たちの暮らしに、さまざまな影響を及ぼす環境問題。
しかし原因を辿ると、森林伐採やプラスチックごみの不法投棄など、人間活動が原因で発生したものが目立ちます。

技術の発展とともに、物が大量に生産され生活環境も豊かになりました。
しかしその裏では、自然環境や生き物達が犠牲になっています。
何も対策をせずに今の生活を続けていると、環境問題は悪化し今以上の被害がでるでしょう。

本記事で紹介したイオン株式会社のように、環境問題解決に向けて取り組む日本企業も増えてきました。
問題解決を企業だけに任せるのではなく、私たち個人が行動に移すことも重要となってきます。

「環境のために何か大きなことをしないといけない」ではなく、自分ができることを無理のない範囲でやりましょう。
その行動が、環境問題の解決に繋がります。

まずはマイバックやマイボトルを持ち歩くなど、気軽にできることから始めてみましょう。

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