つくる責任 つかう責任

アパレル業界が抱える環境問題について―私たちができるSDGsとは?―

「人種、ジェンダー、貧困問題など…すべての人々が平等に暮らせる世の中へ」
「フードロスを減らそう」
「地球に優しい、クリーンなエネルギーへ転換しよう」

暮らしの中で、おそらくほとんどの方がこのようなSDGをテーマにしたコピーを目にしたことがあるでしょう。

世界規模でSDGsな社会を目指す動きがどんどん高まっている中、アパレル業界においても環境問題の観点において、これまでの課題や問題とこれからの取り組みが注目されています。

私たちの生活に身近なファッション。
アパレル業界が抱える課題や問題を知って、その課題に対して私たちができることを一緒に考えていきましょう。

そもそもSDGsとは?

そもそもSDGsとは?

「SDGs」という言葉は聞いたことがあっても実際にどういった取り組みなのか、いまいちピンとこない方も多いかもしれません。

SDGsとは、持続可能な開発目標(:Sustainable Development Goals)という意味を持ち、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指そうとする国際目標のことです。

各国及び各企業は、人種や出身国、ジェンダーなどの差別をなくすことや、地球環境に配慮したエネルギーや素材の開発・活用など、あらゆる観点から持続可能な社会を目指す行動に取り組んでいます。

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大量生産・大量消費が招く環境問題

大量生産・大量消費が招く環境問題

その中でも、環境問題は年を追うごとに深刻化しており、地球の未来を守るために一人一人意識をもつことが必要です。

産業革命以降、特に先進国では大量生産・大量消費スタイルを築き上げ、豊かさと繁栄をもたらしてきました。
その原料となってきた石油、石炭などのエネルギーや化学物質は、CO2の排出による地球温暖化、森林破壊、海洋汚染など様々な形で地球環境に大きな影響を及ぼしています。

自動車や化学工場など目に見えてわかりやすかったり、自分から遠い存在のようなものだけがその影響に関わっているわけではありません。

世界中の消費者が多くの服を大量購入することで、流行のスタイルを安価で生産販売するマーケットが伸長した結果、環境に大きな打撃を与えています。

その影響について詳しくみていきましょう。

1着の服から生まれる水不足・水質汚染

ここから衣服ができるまでの課程を「生産」「販売・消費」「廃棄」の3段階に分けて、各段階に起こる環境負荷について説明をしていきます。

まずは1つ目の段階「生産」。

生産に必要な原料を調達する段階では、天然繊維(コットンなど)では栽培時に大量の水を消費します。
その量は、なんと服1着あたり浴槽の約11杯分!
染料の段階で特に使用され、全生産プロセスで使用する水の85%が染色で使われています。

2030年までには水源の需給ギャップが40%以上にもなると予測されていることから、ファッション業界もいち早く水不足問題に取り組んでいく必要があります。
また、染色の際の水をそのまま川や海に流してしまうことから水質汚染や、土壌汚染などにもつながっています。

また、合繊繊維(ポリエステルなど)では、製造の過程で石油資源を使用しCO2を大量に排出します。
その量は、1着あたり約25.5Kg。500mlペットボトル飲料を約255本製造できる量です。

1着の服を作るだけでも、大きな環境負荷がかかっていることがわかります。

大量の「販売・消費」から生まれる「過剰在庫」と「海洋汚染」

続いて、「販売・消費」の段階。

ここは、消費者のみなさんも身近に感じているのではないでしょうか。ファストファッションや安価で流行のスタイルの衣料品が、国内の供給量をどんどん増加させ、服1着の価格はどんどん安くなっています。

この大量生産・大量消費のスタイルが、衣服のライフサイクルを短くさせ、メーカーは大量の在庫を抱えることとなり、結果として大量廃棄へとつながっているのです。

また、私たちの生活に欠かせない毎日の衣服の洗濯。
衣服の洗濯により、毎年約50万トンの主にポリエステル繊維のマイクロファイバーが海に放出されてしまっています。

このポリエステル繊維は海中での分解が難しいため、そのまま海の生き物への被害や海洋汚染につながっているのです。

1日あたり大型トラック130台分の「大量廃棄」

最後のプロセスは「廃棄」。

あなたは着なくなった服をどのように処分していますか?

リサイクルや資源回収など様々な方法がありますが、家庭から出る約66%の衣料品は可燃ゴミや不燃ゴミとして廃棄されています。1日あたりに焼却、埋め立てされる衣料品の量の平均は、大型トラック約130台分と言われており、その規模の大きさがわかりますね。

ゴミとして廃棄されてしまうと、そこからの再資源化は難しくそのまま焼却、廃棄処分となってしまいます。

アパレル業界が取り組む環境問題

アパレル業界が取り組む環境問題

このように私たちの生活に身近な衣服が、大きな環境負荷をかけてしまっていることがわかります。

アパレルメーカーや各ブランドもこの危機に対して様々な取り組みを行なっており、その例をご紹介します。

日本企業初、アシックスの「THE FASHION PACT(ファッション協定)」へ加盟

2020年12月、ファッション産業の環境負荷低減に向けた国際的枠組み「THE FASHION PACT(ファッション協定)」に日本企業初のアシックスが加盟しました。

この協定は、気候変動や生物多様性、海洋保護の3分野で具体的な目標に向かって取り組むことを誓約した協定で、これまでにグッチやサンローランを擁するケリングや、シャネル、エルメスなどのラグジュアリーブランドから、アディダス、ナイキなどのスポーツブランドまで60社以上のメーカーやブランドが加盟しています。

その中でアシックスは、CO2の排出削減やサスティナブルコットンへの切り替えなどの再生繊維の使用などを目標に掲げています。

私たちができる取り組み「知る努力から正しい選択へ」

私たちができる取り組み「知る努力から正しい選択へ」

以上の生産〜廃棄までの過程の中で、私たち消費者にもアパレル業界に対してできる取り組みがたくさんあります。

まず、生産過程。
ここに関しては、私たちができることは「知る」ことです。

SDGsな取り組みとして、生産過程をホームページなどで発信しているブランドや企業はたくさんあります。
衣服を買う前に、この服はどのように作られているのか。素材は何なのか。
生産過程を知ることで、私たちは環境負荷を減らすための選択をしていくことができます。

次に、販売・消費。
大量生産・大量消費に対する疑問や指摘の声は年々大きくなってきてはいますが、未だ流行りのスタイルを安価で提供するマーケットの市場規模は大きいままです。

私たち消費者も限りある資源を大切にする姿勢を、示すことがこのマーケットの縮小につながっていきます。
今の自分のクローゼットや消費行動を一度見直してみてはいかがでしょうか。

最後に、廃棄段階。
着なくなった服やサイズが合わなくなった子供服など、誰しもが衣服を処分しなければならないことはあるでしょう。

その時にまずは廃棄するのではなく、他の人に譲ったり売るなどできないか考えてみましょう。

次に、店舗や地域での回収所にて資源として再活用する取り組みに参加しましょう。
最近は、SDGsな取り組みとして店舗に回収BOXを設けたり、宅配で回収サービスなどを行なっている企業も増えています。

このように、3つの段階全ての環境負荷の軽減に私たちは関わることができるのです。

まとめ

まとめ

意外と知られていない、アパレル業界が及ぼす環境問題。

まずは知ることから始まります。知る努力をすることで正しい選択をすることができ、最終的に環境負荷を減らすことにつながっていくのです。

各国、各企業、そして私たち消費者が同じ危機感と目標を持って取り組むことで、地球の未来のための希望を描いていきましょう。

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