エネルギーをみんなに そしてクリーンに

バイオマス燃料を活用して持続可能で無駄のない社会を目指す

地球は今、人間が出す二酸化炭素やメタンガスの影響で過去に例のないほどのダメージを受けています。

温室効果ガスがこのまま増え続ければ、世界の海の界面は上昇し続け、人が住む土地は減少し続けます。
更に人間が出すゴミを埋める場所は、近い将来無くなってしまう可能性が高いのです。

そして石油や石炭、天然ガスなどの資源は、この状況を続ければやがて枯渇してしまいます。

この状況を打開しようと、世界全体で再生可能エネルギーの使用が急ピッチで進められています。

再生可能エネルギーの種類

再生可能エネルギーの種類

現在、地球上で我々が利用しているエネルギーは、石油や石炭、天然ガスなどの化石エネルギーと、世界でも徐々に普及が始まっている再生可能エネルギーです。

化石エネルギーが地球上の有限な資源であるのに対し、再生可能エネルギーは「枯渇しない」「どこにでも存在する」「二酸化炭素を排出しない(増加させない)」のが特徴です。

再生可能エネルギーの具体的な種類は、「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「太陽熱」「大気中の熱」「バイオマス(動植物に由来する有機物)」の7種類で、主に電気、熱、燃料製品として利用されています。

社会では、主にこれらのエネルギーを電力に変換しており、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電として利用されています。

ここでは主に、バイオマスエネルギーについて見ていきます。

バイオマスエネルギーの仕組みと種類

バイオマスエネルギーの仕組みと種類

バイオマスエネルギーは、主に3つの種類に分けられます。

<木質燃料>
資源:木くず、建築廃材 など

バイオマス発電の仕組みは、燃料を燃やすことによって出る水蒸気やガスを利用してタービンを回している火力発電と同じ仕組みです。

火力発電の燃料は主に、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を利用していますが、バイオマス発電の燃料は、木くずや藁、生ごみなど再生可能な燃料を使用しています。
バイオマス発電に利用される再生可能な燃料を総称して、バイオマスエネルギーといいます。

またバイオマス発電のための燃焼時に二酸化炭素が発生するとしても、燃料として使用される植物が育つ際に二酸化炭素が吸収される(光合成)ため、差し引きすればゼロないし微量の二酸化炭素放出量と考えることができるのです。

この構造をカーボンニュートラルといいます。

<バイオ燃料(バイオエタノール)>
資源:とうもろこし、さとうきび など

バイオエタノールは、主にとうもろこしやさとうきびなどを発酵させ、蒸留して作られる植物性のエチルアルコールです。

「バイオエタノール製造施設」で作られたエタノールは、主にガソリンに混ぜ車の燃料として利用されます。

日本では、法律上3%までならガソリンに混ぜて利用することが可能で、二酸化炭素排出量を抑制し、石油の使用量を削減することに貢献しています。

<バイオガス>
資源:生ごみ、家畜の糞尿 など

バイオガスは、生ごみなどの有機性廃棄物から抽出し生成されます。

天然ガスと同様に、主にメタンガスを主成分とするガスのためそのまま燃焼させることができ、ボイラーやガスエンジン、ガスタービン、燃料電池に利用することが可能です。

日本のバイオマスエネルギー活用事例

日本のバイオマスエネルギー活用事例

世界最大級のバイオマス発電所

バイオマス発電大手のイーレックス株式会社と石油元売り大手のENEOS株式会社は、来る2026年に向けて世界最大級のバイオマス発電所を新設する予定です。
40万平方メートルに建設されるこの発電所では、年間200万キロワットを東北電力へ売電する計画が立てられています。

通常、再生可能エネルギーによる電力を電力会社に売電する場合、国が定めるFIT制度が適用されます。

FIT制度とは、売電される電力会社が再生可能エネルギーを発電する業者に、一定期間国の定める価格を支払うというものです。
しかしこの価格、実は電力会社が負担しているのではなく、最終的に電力を利用する人、すなわち国民一人一人の電気料金に上乗せされています。

イーレックスでは、利用者の負担を軽減するためこのFIT制度を利用せずに東北電力に売電する方針です。
これにより、再生可能エネルギーがより私たち身近なものになるのではないでしょうか。

使用燃料は、ロシアから輸入する木質ペレットの他、ベトナムとフィリピンで栽培を行っているイネ科の雑穀ソルガムです。
栽培されたソルガムは収穫後、固形燃料に加工されて日本に輸送されます。

この発電所の着工は、2023年、運転開始は2026年度を目標としています。

バイオガス生成装置「メタクレス」

建設会社大手の鹿島建設株式会社では、このバイオガスを抽出できるメタン発酵技術の研究を続けており、「メタクレス」という装置を開発しました。

「メタクレス」は、メタン発酵菌を利用して生ごみなどの有機性廃棄物に定着させ高温発酵します。
有機物を効率よく分解処理することで、短時間で大量のバイオガスを発生させ、回収することが可能となります。

すでにこの装置を利用している霧島酒造株式会社では、焼酎粕や芋くずなどの廃棄物を大量に処理することができ、処理したことにより発生したバイオガスを焼酎工場のエネルギー源として利用しています。

さらに、鹿島建設株式会社では北海道十勝地域で、乳牛などの家畜の糞尿をメタン発酵させて回収したバイオガスから水素を製造しています。
回収した水素は、燃料電池自動車やフォークリフトなどに利用されています。

バイオマスエネルギーはカーボンニュートラルか?

バイオマスエネルギーはカーボンニュートラルか?

バイオマスエネルギーは、植物や廃棄物を燃焼する力をエネルギー源として活用します。
そのため、燃焼時にどうしても二酸化炭素が発生してしまうのです。

しかし、植物が育つ過程で空気中の二酸化炭素を吸収しているため、排出される二酸化炭素量は差し引きゼロ=カーボンニュートラルだと言われています。

では、果たして本当に差し引きゼロになっているのでしょうか。

森林で木々が育ちその場所で木々を燃焼できれば、ほぼカーボンニュートラルに近い状態が出来上がります。

しかし、現在日本では原料になる木質ペレットなど原料のほとんどを海外からの輸入に頼っています。

カナダやアメリカなどの森林で育った木々は伐採され、木質ペレットを作る工場に運ばれていきます。
まずこの輸送により二酸化炭素が排出されます。
そして、工場で加工される段階で、さらに二酸化炭素が排出され、日本に向かう船などの交通機関からも二酸化炭素が排出されているのです。

この仕組みは、二酸化炭素排出量の問題に加え、コスト面でも非常に高くなります。

バイオマスエネルギーを永く活用していくためには、主原料を地産地消するか、輸送段階での二酸化炭素放出量やコストをどれだけ抑えられるかが今後の課題となります。

まとめ

まとめ

2021年6月某日、コロナ禍で行われたG7では世界での石炭火力発電の新規の輸出支援を年内で終了することが取り決められました。

これは、二酸化炭素排出量が最も多い中国への圧力もありますが、実際のところ原子力発電が低迷中の日本でも、約3割を石炭火力発電に頼る日本への警告でもあります。
そして、G7の国の中で唯一石炭火力発電への支援を行っているのが、日本なのです。

以上をふまえて、菅首相は他国への輸出支援打ち切りと合わせて国内の石炭火力発電についても今後縮小していくことを表明しています。

このことから、日本でも石炭からバイオマスなどの再生可能エネルギーが必要不可欠になると考えられます。

広大な敷地を持たない島国日本でのバイオマスエネルギーの活用は、木質チップなどを運ぶ物流、国内での燃料調達などまだまだ問題が山積みですが、少しずつ改善を繰り返しながら普及されていくことに期待します。

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