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火力発電で挙げられるメリットは何?活用を続ける理由を解説

経済産業省資源エネルギー庁によると、2020年度の日本における発電のうち76.3%が火力発電でした。
数字を見ても明らかなように、ほとんどの発電を火力発電でまかなっています。

パリ協定によるカーボンニュートラルが叫ばれる昨今、再生可能エネルギー発電が進められていますが、未だ日本は火力発電に頼っている状況です。
これだけ火力発電が主流となっているのには、それなりの理由があります。

今回は、火力発電のメリットを解説するとともに、なぜ日本が火力発電を活用し続けるのかを紐解いていきましょう。

参照元:令和2年度(2020年度)におけるエネルギー需給実績(確報)|経済産業省資源エネルギー庁

火力発電とは

火力発電とは

火力発電は、水力発電や原子力発電、風力発電と同じように日本に限らず世界においても主要な発電方法の一つです。
中でも、日本の電気は火力発電がなければまかなえません。

まずは、火力発電の原理や種類について解説します。

火力発電の仕組み

火力発電は、燃料を燃やすことで水を温め、熱せられた水の蒸気を利用してタービンを回転させて電力を発生される手段です。

電力を発生させた蒸気は、冷却されて水に戻り、再びボイラー内で電気を作るために熱せられます。
お湯を冷ますためにも大量の水が必要になることから、海に近いエリアに設置されるのが一般的です。

火力発電の種類

火力発電には、「汽力発電」「内燃発電」「ガスタービン発電」「コンバインドサイクル発電」の4種類があります。
中でも汽力発電は日本の発電におけるメインで、蒸気でタービンを回す仕組みです。

内燃発電は、ディーゼルエンジンなどの内燃機関を使って発電させる方法で、離島のような小規模発電が活躍する場所で利用されます。
ガスタービンは、燃料を燃やし高温の燃焼ガスを発生させた際に出るエネルギーでタービンを回す仕組みです。

ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方法がコンバインドサイクル発電といいます。

火力発電のメリット

火力発電のメリット

再生可能エネルギーが注目されている現代において、火力発電はネガティブな印象を与えかねません。
しかし、火力発電には大きなメリットがいくつもあります。

続いては、火力発電がどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

エネルギー変換効率の高さ

火力発電は、何と言ってもエネルギー変換効率の高さが魅力です。
エネルギー変換効率とは、いかにロスをすることなく効率的に発電できるかを表す数字で、一般的な火力発電では、35~43%程度となっています。

最もエネルギー変換効率が高いのは水力発電で80%ですが、原子力発電は33%、太陽力発電で10%となっているため、火力発電も非常に効率がいい発電方法であることがわかるでしょう。

出力調整が可能

火力発電のメリットは、出力を微調整できる点にもあります。
電力の需要に合わせて調整できるため、無駄がありません。

例えば、太陽光や風力といった発電方法は、自然の力に依存するため天候によっては需要よりも多く発電することもあり、反対に足りなくなる可能性もあるでしょう。
また、水力発電や原子力発電も火力発電ほどの微調整は困難です。

電力需要は常に一定ではありません。
日々変化する電力需要に対して、柔軟に対応できるのは火力発電だからできることです。

この先、再生可能エネルギーが浸透したとしても、火力発電がなくなることはないとされる要因の一つでもあります。

安定した発電量

火力発電に必要なのは、燃料です。
燃料が確保できれば、発電量も安定します。

一方、太陽光や風力などの発電方法では、自然の力を利用するため天候に左右され、発電量を安定させることが困難です。

建設地の自由度が高い

再生可能エネルギーとして注目される風力発電は、ある一定の風速が確保できなければ設置しても意味がありません。
また、水力発電は河川を遮ってダムを作らなければならず、水が豊富な場所が必要です。
そのほか、地熱発電も期待される発電方法ですが、火山の近くにある平地が設置場所としてベストとされています。

このように、ほとんどの発電方法は設置場所に制約や条件があり、どこでも建設できるというわけではありません。

一方、火力発電であれば、ほとんど条件がなく狭い土地でも建設可能です。
そのため都市部にも建設でき、送電ロスを抑えられるといったメリットもあります。

事故の被害が限定的で済む

主要な発電方法である原子力発電では、万が一事故が起こった場合、かなり広範囲に影響を及ぼします。
有害な放射線が漏れ出し、近隣の環境が汚染されれば、長期間使えない土地になってしまうでしょう。

一方、火力発電では放射性物質を使わないため、万が一のことが起きても限定的な被害で済みます。
その点で言えば、原子力発電よりも安全な発電方法といえるでしょう。

火力発電の現状

火力発電の現状

火力発電と聞くと、二酸化炭素の排出量が多い発電方法というイメージを持つ人が少なくありません。
実際、再生可能エネルギーと比べると、燃料を燃やすことで二酸化炭素が排出されます。
しかし、近年は環境に配慮された火力発電所もあり、より効率的に発電がなされるようになりました。

続いては、こうした環境配慮の面を踏まえながら、火力発電の現状を解説します。

石炭火力発電の取り組み

火力発電では、石油火力発電と合わせて石炭火力発電があります。
近年、日本の石炭火力発電は開発が進み、昔とは比較できないほどクリーンな仕組みが導入されました。
横浜市にある磯子石炭火力発電では、「クリーンコールテクノロジー」と呼ばれる技術が使われています。

クリーンコールテクノロジーとは、石炭を燃やした際に発生する二酸化炭素や窒素酸化物といった有害物質を減少させる技術です。
この結果、2002年に建て替えをする以前の状態と比較して、窒素酸化物92%、硫黄酸化物83%の削減となっています。

日本の技術は世界でもトップクラスであり、発電効率がさらにアップすれば、燃料を減らすことも可能です。
燃料が減れば、二酸化炭素が排出される量も減るため、よりクリーンな発電方法として期待されます。

火力発電を新しく建設する意味

現在、日本では新たに石炭火力発電の建設計画がなされています。
すでに火力発電所がある中で、こうした新しい建設に疑問を持つ人も少なくありません。

しかし、石炭火力発電の発展からもわかるように、火力発電の効率化を高めることで環境に配慮した発電が可能になります。
反対に、古い火力発電所のまま稼働し続ければ、二酸化炭素の排出量は増える一方でしょう。

日本では、地形的に再生可能エネルギーだけで電気まかなうことが難しく、火力発電に頼らざるを得ません。
最先端の技術が導入され、新たな火力発電が増えていけば、再生可能エネルギーと合わせて二酸化炭素削減を踏まえた電力供給が実現できます。

参照元:なぜ、日本は石炭火力発電の活用をつづけているのか?~2030年度のエネルギーミックスとCO2削減を達成するための取り組み|経済産業省資源エネルギー庁

まとめ

まとめ

現在、世界では持続可能な暮らしを目標として様々な動きが進んでいます。
そんな中で火力発電と聞くと、時代に逆行しているのではないかと感じる人も多いでしょう。

しかし、火力発電も昔とは異なり進化を遂げています。
再生可能エネルギーとうまく連携を取りながら、効率よく発電していくこが今後の大きな課題です。
また、電力を消費する側の省エネ対策も進んでおり、相互的な作用があってこそ二酸化炭素削減の目標が達成できるといえるでしょう。

一つの側面だけを見て火力発電を悪いと決めつけるのではなく、トータル的な視点で情報を得ながら自分にできる省エネ活動をしていくことが、将来的な環境保護につながります。

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