2015年9月の国連サミットで採択された、世界共通の目標「SDGs」。
17ある目標のうち7番目にあたる「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は、私たちの生活に欠かせない、エネルギーに関する目標です。
クリーンエネルギーを推進していくために個人で行えること以下の3ステップです。
- ステップ1:クリーンエネルギーについて必要性を理解する。
- ステップ2:クリーンエネルギーを生活に取り入れる。
- ステップ3:クリーンエネルギーについて周りに広める。
達成期限の2030年へ向けて、国家や企業が様々な取り組みを行っていますが、このページでは個人として今すぐできることに焦点を当てて解説します。
クリーンエネルギーの概要については下記の記事をご覧ください。
ステップ1:クリーンエネルギーの必要性を理解する
どんな目標も、達成のための第一歩は、その目標を達成することが必要な理由を理解することから始まります。
「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」という目標が、世界共通の目標として掲げられている背景には、電力やガスを利用できない人がたくさんいるという問題と、化石燃料の限界という問題があります。
【問題1】電力やガスを利用できない地域の存在
国際連合からの報告によると、現在でも世界人口のおよそ4分の1にあたる人々が電力を利用できていません。
電力が使えないということは、電力が必要な医療措置を受けることができないということです。
十分な光を確保できないので、夜間に仕事や勉強をすることが満足にできません。
また、ガスが使えない地域では、温かい食事をすぐに調理することが難しくなり、ガスの代わりの燃料(薪や石炭など)を使用するために、有害ガスで健康を害したり命を落としたりするリスクが高まります。
参照元:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに|国際連合広報センターHP
【問題2】化石燃料を使用するリスクの存在
現在使用されているエネルギーの大半は、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料を元に生産されています。
化石燃料はエネルギーを作り出す時に二酸化炭素を発生させるので、その二酸化炭素が地球温暖化につながる原因の一つとなります。
また、化石燃料は埋蔵量に限界があるので、このまま使い続けるといずれは地球上から無くなってしまう点も問題視されています。
これらの問題を解決するために注目されているのが、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー(クリーンエネルギー)です。
クリーンエネルギーは再生可能な自然エネルギーなので、枯渇する心配もなく、人体や地球環境へ悪影響を及ぼすこともありません。
ステップ2:クリーンエネルギーを生活に取り入れる
「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」という目標を達成するためには、個人個人の生活様式の変化が欠かせません。
個人が消費するエネルギー量は、全体の30%を占めると言われています。
日頃からエネルギーの節約を心がけ、生活にクリーンエネルギーを積極的に取り入れるなら、目標達成に貢献していることになります。
ここでは4つの方法を紹介いたします。
参照元:第2節 部門別エネルギー消費の動向|資源エネルギー省HP
【方法1】クリーンエネルギーによる自家発電
一つ目の方法は自家発電です。
ソーラーパネルなどの発電設備を自宅に設置し、クリーンエネルギーによって自家発電すれば、その分だけ化石燃料を使用した発電を抑えることができます。
設備投資に高額の費用が必要なので、電気料金の節約という観点ではそれほど高い成果は上がらないかもしれませんが、クリーンエネルギーの推進という観点では、大きな効果をもたらす方法です。
自宅で消費しきれない電力を発電した場合は、余剰分を売却することが可能です。
災害発生時の電源を確保するというメリットもあります。
今回紹介する「クリーンエネルギー推進のため私たちが今すぐできる方法」の中で、もっとも初期費用が高く維持費も必要な方法ですが、もっともシンプルかつダイレクトに成果を得られる方法でもあります。
【方法2】電力会社や料金プランの変更
二つ目の方法は、クリーンエネルギーを取り入れている電力会社や料金プランに切り替えるというものです。
この場合、電気料金は従来よりも割高になります。
より環境に良い電力を供給するためには、電力会社が設備や技術を開発する必要があるからです。
今までより少し高い料金を払って、その余剰分を設備投資や技術開発を行ってもらうイメージです。
多少割高であったとしても、電力会社からクリーンエネルギーで発電した電気を購入するなら、クリーンエネルギーを用いた発電所の普及につながり、個人としてもクリーンエネルギー推進に貢献していることになります。
【方法3】再エネ電力証書の購入
電力会社や料金プランの変更が難しい場合は、再エネ電力証書という手段もあります。
この再エネ電力証書を購入すれば、電力会社や料金プランを変更することなく、クリーンエネルギーを発電するための設備や技術へ出資することができます。
住居の契約上、電力会社を変更できない場合や、お住いの地域でクリーンエネルギーを取り入れた料金プランが無かった場合などに、この方法を用いることができます。
料金プランの変更や再エネ電力証書の購入によって、クリーンエネルギー100%の電力調達をしていると国から認められれば、電気自動車を購入する際に最大80万円の補助金を受けられるというメリットもあります。
参照元:「再エネ電力と電気自動車や燃料電池自動車等を活用したゼロカーボンライフ・ワル先行導入モデル事業」補助対象(車両・設備)一覧|環境省HP
【方法4】関連企業への投資
クリーンエネルギーの普及に貢献している企業の株式を購入する、という方法も効果的です。
SDGsは世界全体で行っている取り組みなので、この目標達成に大きくかかわると予想される企業は、投資対象としても注目を集めてきました。
投資対象としての魅力もさることながら、クリーンエネルギーの普及へ直接出資することに大きな意味があります。
株式投資に不慣れな場合や、銘柄選びに迷う場合は、投資信託を利用するのも一つの方法です。
投資信託でもSDGs銘柄に対応したプランが用意されているので、そのようなプランを利用するなら、銘柄選びにかかる時間や手間を節約することができます。
ステップ3:クリーンエネルギーについて周りに広める
個人で少しでもクリーンエネルギーを取り入れる努力をしたのであれば、次に考えていただきたいのは「その取り組みを社会へ発信すること」です。
SNSなどでご自身の取り組みを発信し、クリーンエネルギーを取り入れることがいかに重要であるかを伝えるなら、あなたの一歩が他の人の一歩につながります。
SDGsは、世界全体の目標です。誰かが一人で100歩進むよりも、世界全体で1歩進むことを目指す方が、より大きな成果を期待できます。
自分一人で頑張るよりも、周りの人たちを巻き込むイメージを持つことが非常に大切です。
まとめ|個人としての取り組みが重要
今回は、SDGsについて「クリーンエネルギー推進のために個人として今すぐできること」というテーマで解説いたしました。
(1)クリーンエネルギーの必要性を理解し、(2)クリーンエネルギーを生活に取り入れ、(3)その取り組みを積極的に発信していくなら、個人としてもSDGs達成のために貢献することができます。
SDGsは世界共通の目標です。
国家も企業も、この目標を意識して様々な取り組みを行っています。
しかし、国家や企業だけに任せておけば良い問題ではありません。
個人としての取り組みが最も重要です。
個人レベルの活動が活発であれば、国家や企業の取り組みは加速し、個人レベルの活動が低調であれば、国家や企業の取り組みも成果が上がりません。
一人一人がSDGsに対する理解を深め、その取り組みを共有していくことが大切です。