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安全な水とトイレを世界中に

世界の水不足問題とは?現状や原因、水不足を解消するためにできることを考えてみよう!

日本は水資源が豊かな国だと言われています。
蛇口をひねれば、当たり前のように水が出てくるからです。

地震などの災害や、水道管に何らかの問題が無ければ、水に困ることはほとんどありません。
水のありがたさを実感することがほとんどなく、水に関しては幸せな国です。

水不足とは無縁に感じる日本。
しかし、私たち日本人も『水』の使い過ぎに注意が必要です。

なぜなら、私たち日本人は世界の『水』を間接的にたくさん使っているからです。
世界の水を使い過ぎれば、その報いは巡り巡ってすべてが自分たちに返ってくるのです。

世界の国や地域では、慢性的な水不足が深刻化しています。
水不足の現状や原因を知り、一人ひとりが水をできるだけ節約していくことが大切です。

今回は世界の水不足問題について解説していきます。

水不足の原因と世界の現状

水不足の原因と世界中の現状

世界中に目を向けると、水不足が深刻な国や地域がたくさんあります。
例えば、内陸国や砂漠が多い地帯などに水不足が大きな問題になっています。

干ばつや災害、浄水施設の不足により、さまざまな地域で水不足が起こっているのです。
2019年のユニセフの発表によると、世界で約22億人の方々が、いまだに安全な水の提供を受けられていません。

参照元:水と衛生 進歩と格差 22億人、安全に管理された飲み水入手できず 42億人、安全に管理された衛生施設(トイレ)使えず |ユニセフとWHO共同監査報告書発表|unicef

世界の水不足の原因はさまざまですが、ここでは主な3つの原因について解説していきます。

  1. 世界人口が増加しているため
  2. 水の使用量が増加しているから
  3. 地球温暖化が進んでいるから

1.世界人口が増加しているため

世界人口白書2021によると、2021年の世界人口は78憶7500万人で、昨年に比べ8000万人増加しています。
また人が暮らしていくためには、1日当たり100リットルの水が必要と言われています。

つまり、78億7500万人が毎日100リットル以上の水を使っていることになります。(毎日7875億リットル以上)

世界人口は、2050年には97億人に達する見通しです。今よりも20億人増加します。
20億×100リットル以上の安全な水(2000億リットル以上)が、毎日いまよりも必要になる計算です。

参照元:
世界人口白書
世界の水 日本の水

水の使用量が増加しているため

1950年から1995年の45年間で、世界の人口は約2.2倍になりましたが、世界の水の使用量は約2.6倍になっています。
つまり、人口が増える割合以上に水を消費する割合は増えるのです。

水の需要は2000年から2050年の間に、主に製造業の工業用水で+400%、発電で+140%、生活用水で+30%の増加が見込まれており、全体では55%の水需要の増加が見込まれています。

それに伴い、 2050年には深刻な水不足に見舞われる河川流域の人口は、39 億人(世界人口の40%以上)になるとの予想もされています。

参照元:
世界の水資源と農業用水を巡る課題の解決に向けて
水資源問題の原因|環境省

地球温暖化が進んでいるため

二酸化炭素などの地球温暖化ガスの影響によって、世界中で気候変動が起きており、世界の水不足にも大きな影響を与えています。

温暖化が進むと、洪水や干ばつなどの異常気象が起き、私たちが使える水の量にも大きな変化をもたらします。

氷河や永久凍土の融解→大気に蒸発する水が増加→海面の上昇による環境変化→干ばつによる森林の破壊→ますます地球が温室化

温暖化が進むと以上のような負のループが回ってしまいます。世界では湖が干上がってしまったり、地下水が枯渇したり、水不足による地域紛争が起きたりしています。

日本人は世界の『水』を大量に使っている

日本人は世界の『水』を大量に使っている

機械を動かしたり、製品を洗浄したり、家畜や農作物を育てたりするのには、大量の水が必要です。

例えば、1kg のトウモロコシを生産するには、1,800 リットルの農業用水が必要です。
また、牛肉1kgを生産するには、その約20,000 倍もの水が必要です。

私たち日本人は、海外からたくさんの製品や食料を輸入しています。
それらを生産するためには、大量の水も消費しているのです。

こうした間接的に消費する水のことを『バーチャルウォーター』といいます。
2005年において、海外から日本に輸入されたバーチャルウォーター量は、約800 億立方メートルと言われています。

その大半は、食料に起因したバーチャルウォーターです。
約800億立方メートルという水の量は、日本国内で使用される年間水使用量と同程度です。

冒頭、日本は水資源が豊かであるとしましたが、実は日本は、日本の水だけでは暮しが成り立たない水不足国家なのです。
世界中の『水』を間接的に大量消費している国なのです。

参照元:世界の水が私たちの生活を支えています|環境省

世界では水紛争が起きている

世界では水紛争が起きている

日本は島国ですので、水紛争にはなじみがあまりありません。
しかし、世界では様々な要因によって水紛争が起きています。

水紛争の原因としては主に、下記が問題点となっています。

・ 水資源配分(湖や河川の上流地域での過剰取水)
・ 水質汚濁(上流地域での汚染物質排出など)
・ 水の所有権
・ 水資源開発と配分

水は上流から下流に向かって流れていきます。
上流にある国が、水の流れを変えてしまったり、水質を汚染してしまったりすると、下流にある国は大きな損害を被ります。

水をめぐる争いは大きな国際問題に発展することもあり、水不足がもたらす影響は計り知れないのです。

参照元:水資源問題の原因|環境省

水不足に対する世界の取り組みを紹介

次に、水不足に対する具体的な取り組みを見ていきましょう。下記に6つの国際的な活動を紹介します。

国連水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB:United Nations Secretary-Generals’ Advisory Board on Water & Sanitation)

水と衛生問題に関するグローバルアクションを活性化させるために働きかける独立諮問機関として、2004年に設立されました。

2015年11月に最終会合が行われ、UNSGABの成果と今後の提案が明記された最終報告書が提出され、活動を終えています。

国連持続可能な開発委員会(CSD:United Nations Commission on Sustainable Development)

CSDは、1992年、リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)において採択された「アジェンダ21」において、「ハイレベルな『持続可能な開発委員会』を国連憲章第68条に従い設立するべきである」とされ、翌年正式に設立されました。

2004年以降、2年を1サイクルとして個別のテーマを設定し、集中的な討議が行われていました。

2012年6月には、地球サミットから20年目の節目として、「国連持続可能な開発会議」(リオ+20)がリオデジャネイロで開催され、水と衛生、洪水や干ばつ、水不足への脅威への対応などを含む、持続可能な開発の実現に向けた様々な分野における各国の取組みの指針として、成果文書「我々の求める未来(The Future We Want)」が採択されました。

その成果文書において、持続可能な開発委員会に代わり、ハイレベル政治フォーラムを創設することが合意されたことから、2013年に最後のCSDとなる第20回会合が行われた上で、同年以降ハイレベル政治フォーラムが開催されています。

国際水文学計画(IHP:International Hydrological Programme)

国際教育科学文化機関(ユネスコ)による政府間の学術協力会議である国際水文学計画(IHP)は、環境保護を含めた合理的な水資源管理に資する手法の開発及び人材の育成を、科学及び技術の面から改善させることを目的に設立された機関で、世界の水収支の解明、人間活動が水資源に与える影響の解明等に関する事業を実施しています。

世界水フォーラム(World Water Forum)

世界各国の政府、国際機関、学識者、企業及びNGOにより、包括的な水のシンクタンクとして「世界水会議(WWC:World Water Council)」が1996年に設立されました。

このWWCにより運営される「世界水フォーラム」が1997年から3年に1度開催されており、様々な関係者が地球規模で深刻化が懸念される水問題に対しての情報提供や政策提言を行う場となっています。

アジア・太平洋水サミット(Asia-Pacific Water Summit)

アジア・太平洋地域諸国における水問題の解決を目的とする非営利のネットワーク組織である「アジア・太平洋水フォーラム」(2006年設立)が、各国政府首脳級及び国際機関代表等を含むハイレベルを招き、幅広い視点から議論を行う国際会議を開催しています。

アジア河川流域機関ネットワーク(NARBO:Network of Asian River Basin Organizations)

水資源施設を管理する河川流域機関(RBO:River Basin Organization)及び関連水部門組織との情報や経験の交換と共有を促進しながら、アジアモンスーン地域の統合水資源管理(IWRM)の推進を図ることを目的として、独立行政法人水資源機構、アジア開発銀行及びアジア開発銀行研究所の呼びかけで、アジア河川流域機関ネットワークが2004年に設立され、各種ワークショップ、流域機関同士の交流促進プログラムなどを実施しています。

詳細は、国土交通省の水資源問題に対する取り組みにも記載されておりますので、興味がある方はぜひこちらもご覧ください。

また、このような国際的な枠組みをベースとした取り組みにおいて、日本の優れた技術力は高く評価されています。
日本の水不足に関する取り組みに関しては、下記リンクに詳細が記載されてますので、ぜひご参照下さい。

水不足のために私たちができること

水不足のために私たちができること

水不足は世界中で起きています。
日本は間接的に世界中の水を大量に使っていることもわかりました。

水道をひねればいつでも水が出てくる日本とは言え、水を無駄できない理由が見えてきたと思います。
では、水不足のために私たちにできることは何があるのでしょうか?

  • 普段の生活から節水を心がける
  • 生活排水の汚れを極力減らす
  • 寄付をする

それぞれを詳しく解説していきます。

普段の生活から節水を心がける

まずは身近なところの節水を心がけましょう。

例えば、手を洗う際や歯を磨く際、水を出しっぱなしにしないようにします。
食器洗いをする際も、スポンジでお皿を洗っている間は水を止めるようにします。

お風呂の残り湯を洗濯に再利用すれば、大幅な水の節約になります。
水を節約すれば、家計にも優しくなるので、一石二鳥です。

もし、すべての日本人が1日1リットルの水を節約できれば、毎日1億2500万リットルというとてつもない量の水が節約できることになります。

生活排水の汚れを極力減らす

台所ではたくさんの排水が発生します。
できるだけ水を汚さないように注意しましょう。

下水処理にはエネルギーを消費しますし、汚泥から出るガスは温暖化の原因にもなります。
汚れたものをきれいにするために大量の水やエネルギーを使ってしまうので、水不足や温暖化の原因にもなるのです。

例えば、油汚れやお皿に残ったソースなどはそのまま流すのではなく、新聞紙やキッチンペーパーなどで拭き取ります。
米のとぎ汁は畑や花壇の水やりに。食器を洗う洗剤はたっぷりつけなくても汚れは落ちます。

なるべく水を汚さない工夫をすることが大切です。

寄付をする

世界では水不足が原因で、飲み水さえも確保できない人たちがたくさんいます。
寄付をすることで、井戸を作ったり、浄水したりすることができるようになります。

例えば、ユニセフに3000円寄付すると、汚れた水を安全な飲み水にする浄水剤7,025錠(35,125リットル分)に変わります。

参照元:どんなに水が汚くてもこの水を飲むしかない…|unicef

水不足に対する企業の対策事例

企業による水不足対策の取り組み
日本の企業も水不足の対策として様々な取り組みをしています。その中から2社の取り組みをご紹介します。

株式会社日清製粉グループ

水を多く使用する事業でもあることから、水不足に対する活動を積極的に行う会社の一つです。
特に、加工食品事業では、製粉事業よりも水の使用量が多いため、より一層の水の削減や水質汚染の防止を踏まえた活動に取り組んでいます

また、海外の製造拠点では、効率よく水を使った上で節水の状況を数値化することで、対策強化を図っているのが特徴です。排水処理設備も充実しており、環境負荷の少ない排水処理を心がけています。

参照元:水資源への取組み|日清製粉HP

株式会社ダスキン

清掃業務を中心に行うダスキンはモップやマットを洗浄する過程でたくさんの水を使う業種でもあります。

その背景もあり、ダスキンの生産事業所では取水量を管理した上で、水の量を削減。さらに、排水の管理も行なっており、法令基準よりも厳しいオリジナルの基準を設けています

参照元:水資源の保全・有効活用|ダスキンHP

まとめ

まとめ|水不足とは?水不足の現状や原因、水不足を解消するためにできること

この記事では水不足の現状と原因、そして水不足を解消するためにできることについて解説してきました。

水資源が豊かなように思える日本も、実は水不足とは無縁でありません。
世界の水を間接的に使っていて、その量は国内で使っている水とほぼ同じ量なのです。

国内の水だけでは生活ができない、水不足国家と言えるでしょう。
また、地球温暖化が進んでおり、環境の破壊や温室ガスの発生を抑えなければ、日本も大きな影響を受けることになります。

1人が1リットルの水を節約するだけで、世界で毎日75億リットルの水が節約できます。

一人ひとりの節約が小さなものであっても、世界中で積み上げれば大きな力になります。
まずは日ごろの節水から始めてみましょう!

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