安全な水とトイレを世界中に

水問題に対する日本の取り組みを知ろう!日本の技術でできることとは?

水を確保することは、世界中の人々が生活していく上で必要不可欠です。

日本は比較的水には恵まれている国ですが、水資源を保全する活動や水災害を防止する治山治水は将来に向けて重要な課題です。

本記事では、世界が水問題に関してどのような課題を抱えているかその現状を解説しながら、世界の水問題を解決するための日本の取り組みについて紹介していきます。

水問題の現状について

世界の水問題の現状を紹介

地球上では1990年から2015年にかけて、改良型飲料水源(安全な水道など)を利用できる人類の割合は76%から90%に上昇しました。

一方で水不足は特に開発途上国で深刻さを増しており、UNICEF(国連児童基金)のデータでは、安全な飲み水を得られないことが原因で、毎年150万人以上の子どもが感染症で亡くなっていると推定されております。

干ばつや地下水の枯渇といった水不足は、人体だけでなく農作物や家畜にも壊滅的な被害を与えます。
そこから飢餓問題に発展する恐れもあり、国際河川の流域国間では水の使用量を巡る争いが絶えません。

上記以外で具体的にユニセフのデータを元に現代社会においてどのような問題点が発生しているか、4つ紹介します。

・10人に3人は安全な飲料水サービスを利用できない
・10人に6人は安全な衛生施設(トイレ)を利用できず、8億9200万人以上が屋外で排泄をしている
・居住区で水を十分に得ることができない世帯の80%では女性と女児が水汲みをしている
・洪水や水関連災害による死者は、自然災害による死者全体の70%も占める

さらに直近の世界情勢に目を向けてみると、「コロナ禍において世界の10人に3人は自宅で石けんと水を使って手を洗うことができなかった」と下記のユニセフの記事にて述べています。

参照元:「水と衛生」最新報告書 コロナ禍でも世界の3割が家で手洗いできず 水、トイレ、手洗い設備の普及加速が急務|unicef

このように現代の世界において、「安全な水の確保のために水道などのインフラを整備すること」、「生態系を適切に保全すること」、また「衛生的なトイレを設置すること」などが早急に解決すべき課題となっているのです。

水問題を解決するための日本の技術

水問題を解決するには?【日本の技術を紹介】

日本には、たくさんの豊かな川や森があります。
森林にはきれいな水を地中にため込み、気候変動を緩和する役割があります。

しかし現在、森林伐採などによる地球の砂漠化や温暖化が進行しており、水不足や災害の原因の要因となっています。
そのような地域では、治山治水や地下貯水などの施設やシステムの整備が急務です。

水に恵まれており、水資源に関する技術が進んでいる日本に対して、世界から水源管理や治山治水面での分野での開発や協力に各国から期待を寄せられている状況なのです。

それではここで、日本の治水や水源管理に関する事例を2つ紹介しましょう。

海水淡水化技術【東レの事例を紹介】

飲料用として真水が必要とされる地域の近辺に淡水源(河川、湖沼など)がなく、気候の影響で天水(雨)の利用も厳しい場合、その場所が海辺であれば、海水を処理して淡水を作りだし、それを利用することが試みられています。

このプロセスを、海水淡水化といいます。

この分野において、日本では東レが有名です。

海水淡水化技術には蒸発法と、RO膜でろ過する逆浸透(RO)法がありますが、現在はエネルギー効率の良いRO法が主流で、東レもこの技術を用いて、インドネシアやパプアニューギニアなどの国で、RO膜(逆浸透膜)装置の設計および製作に携わっているのです。

参照元:東レの水処理装置|東レ株式会社HP

治水の技術【日本工営の事例を紹介】

日本工営はケニアでの全国水資源マスタープラン策定プロジェクトや、インドネシアでのコメリン灌漑整備業務など、世界中で水資源開発や管理プロジェクトを実施しています。

各国の水資源・河川分野の問題解決に向けた総合的な技術サービスを提供することで、日本の技術を世界に伝えると共に、世界の水問題の解決に貢献しているのです。

参照元:事業を知る海外 採用情報|日本工営株式会社

水問題を解決するための日本の長期的な取り組み

水問題を解決するための日本の長期的な取り組みも紹介!

上記では、世界の水問題の現状、水問題を解決するための日本の取り組み【東レと日本工営の事例】を順番に説明しました。

SDGsの目標6にて宣言されているように、「安全な水とトイレを世界中に」供給させることは、人類にとって最も大事な使命の内の1つでしょう。

水と衛生設備(トイレ)の支援の状況を見てみると、NPO(非営利団体 )や企業などによって、発展途上国における井戸の建設や衛生的なトイレの設置、下水設備などの支援が継続して行われていますが、未だ十分とはいえない状況です。

一方で、水圏生態系の保護の観点からは、河川・湖沼・海などの水圏生態系の保護は、水生生物だけでなく水質や水量、水辺地の保全にも繋がるため、今後も継続して実施する必要があります。

総じて、我ら日本が世界に向けて取り組んでいかなければならないことはまだまだあるでしょう。

次に、水問題を解決するための日本の長期的な取り組みとして、日本の政府開発援助(ODA)の実施機関である国際協力機構(JICA)が遂行する水技術の能力構築支援策を3つ紹介します。

参照元:水資源|JICA 独立行政法人国際協力機構

水道分野の専門家を海外へ派遣

JICAから厚生労働省に依頼する形を取り、地方自治体・水道局・民間企業などから選出された水のスペシャリストをアドバイザーとして毎年25~50名前後、発展途上国に派遣しています。

アドバイザーはチームとして活動し、各地域の水道事業の発展段階や課題に合わせ、井戸の建設、トイレの設置、上水政策、水道事業、水道行政管理、水道行政・水供給、給水改善など多岐にわたる指導を行います。

このような活動においてのポイントは”現地の人々の自立”です。
JICAなどの海外からのチームが帰国してしまうと現地の人々だけで設備を維持しなければなりません。

そこでただ単に設備を導入するだけではなく、現地の人々だけで設備をメンテナンス・運用できるように、現地の人々に対する教育にも力を入れているのです。

海外からの研修生の受け入れ

ODAでは、発展途上国から日本に研修員を受け入れて教育も行っています。

JICAでは、水問題も含むさまざまな問題を解決するために、年間約7000人名の研修員を世界の開発途上国から受け入れ、全国各地で研修を実施しています。

この研修員受入事業は、日本から発展途上国へ技術協力専門家や青年海外協力隊など海外ボランティアを派遣することとあわせて、技術協力の両輪となっています。

参照元:海外からの研修員|JICA 独立行政法人国際協力機構

“統合的水資源管理”の実践と 組織の調整能力の強化

自然環境や生態系に影響を与えることなく、水資源による恩恵を可能な限り享受できるよう計画的に管理する方法を「統合的水資源管理」といいます。

JICAでは、利害関係を超えた第三者として統合的水資源管理プロセスを促進し、国家や地域社会などの組織制度や慣習、政策を分析し、それぞれの特性に応じた調整能力の強化を支援しています。

水問題に対する日本企業の取り組み

水問題に対する日本企業の取り組み

最後に、皆さんにも馴染みのある身近な日本企業の水問題に対する取り組みを紹介します。

これだけ地球温暖化が進み、豪雨災害が各地で起こるようになったこともあり、水不足に見舞われる可能性はゼロとは言えないでしょう。

また、世界における水問題は地球規模の課題として、日本も世界各国と力を合わせて解決につながる動きをする必要があります。

日本コカ・コーラ株式会社による取り組み

飲料メーカー大手である日本コカ・コーラでは、以前より水資源保護を続けて実施しています。

2020年には、水資源の保護を手がける22の団体に対して寄付支援を行いました。

また、自社におけるシステムでも、水の使用量の削減や排水管理の徹底など、水資源保護に関わる徹底した取り組みを行っています。

出典:森を育て、水源を守る「い・ろ・は・すの森活」プロジェクト2020年は水資源の保護を行う22団体に寄付支援実施|日本コカ・コーラ株式会社

TOTO株式会社

トイレをはじめとする水回りの製品を取り扱うTOTO株式会社では、2005年に「TOTO水環境基金」を設立。
この基金は、水質保護や衛生的で快適な生活環境を整えるための活動をする団体の支援が目的です。

TOTO水環境基金の活動事例としては、パキスタンにおける水汲み場の整備や、インドの間伐地域での井戸再生事業などがあります。

また、日本でも水環境を知るための企画やイベント、保護活動などを実施しており、非常に積極的な活動をする企業と言えるでしょう。

出典:水と地球と明日のために|TOTO株式会社

まとめ|水問題に対する日本の取り組み

まとめ

以上、いかがでしたでしょうか?

本記事を通じて、みなさんが世界の水問題に対する日本の取り組みを理解すると共に、水問題を解決すること、さらにはSDGsの活動全般に対して興味を持ち、自身の日々の生活や今後の取り組みに活かしていきましょう。

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