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安全な水とトイレを世界中に

できることから少しずつ!安全な水とトイレを世界中に届けるために

私たちはもちろん、地球上のすべての生き物が生きていく上で欠かせない「水」。

世界では慢性的な水不足で苦しんだり、不衛生なトイレの影響で健康被害や伝染病に繋がったり、汚れた川や海で生きられなくなったりする生き物がたくさんいます。

もしかすると日々生活する中で、「きれいな水だな」と実感しながら暮らしている人は少ないかもしれません。

今は豊かな水であっても、水は資源のひとつであり、有限です。
将来的には、日本も水不足の国になる可能性は大いにあります。

「水」が原因で全ての生き物が朽ちてしまう前に、安全な水とトイレなどに関わる衛星環境現状を把握し、私たちにできることを一緒に考えましょう。

SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」とは?

SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」とは?

世界中の自然や環境、生き物を守り、誰もが幸せに暮らしていくことを目標とし、2015年に国際サミットで採用されたのが「SDGs」です。
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字をとった全世界共通のSDGsには、2030年までに達成すべき17項目の目標が設定されています。

SDGs目標の6項目は、「安全な水とトイレを世界中に」がテーマです。

SDGs目標6「安全な水とトイレを世界中に」は、2030年までに安全な水とトイレなどの水に関わる衛生環境の汚染を減らし、山や川などの水資源と関わる自然を守り、誰もが水に困ることなく暮らしていくため、全世界で協力していこうという内容の6項目の詳細な達成目標があります。

その達成目標に対し、2030年までに海水から真水を作る技術や排水の処理の工夫など、きれいな水を保っていくための活動を推進していくとともに、発展途上国も巻き込んで「きれいな水を保っていくための活動」のコミュニティーを作り進めていこうという内容の2項目の達成のためにできることが決められています。

日本と海外での安全な水とトイレの現状

日本と海外での安全な水とトイレの現状

世界人口約78億人のうち、約22億人がトイレのない生活を送っているという発表をユニセフとWHOがしています。
また、安全で衛生的に管理されたトイレを利用できない人は約42億人おり、清潔な手洗い場がない生活をしている人は約30億人です。

日本のトイレはきれいで、海外の方が驚くという話はよく聞きます。
その背景には日本の文化や教育、日本人の特性からトイレが清潔に保たれていることはもちろん、衛生施設に関するインフラが整っていることが理由だと考えられます。

しかし、人口の5%以上が屋外排泄をしている国は中国やインド、スーダンなどをはじめ、26ヵ国あります。

不衛生なトイレや手洗い施設や手洗いの習慣がないのが原因で、コレラ、赤痢、A型肝炎などの感染症を引き起こし、5歳未満の子どもが毎年29万7,000人も命を落としています。

日本では当たり前に思えることも、世界を見渡してみると恵まれた環境にいることが分かります。

参照元:水と衛生 進歩と格差 22億人、安全に管理された飲み水入手できず 42億人、安全に管理された衛生施設(トイレ)使えず|ユニセフとWHO共同監査報告書発表

「安全な水とトイレを世界中に」関わる水についての課題点

「安全な水とトイレを世界中に」関わる水についての課題点

「安全な水とトイレを世界中に」に関わる水についての課題点は、現状と今後の大きく2点あります。

まず1点目が、「安全な水とトイレの水格差」です。

世界では、現代でも屋外排泄をしていたり、手洗い施設がない場所で生活をしていたりする人が大勢います。
今後は、衛生設備に対しての知見や設備がある企業や国レベルで積極的に連携していくことが必須です。

例えば、株式会社リクシルでは設置が簡単で洗浄する際の水もわずかで済む簡易トイレ「SATO(Safety Toilet)」を発展途上国に導入したり、株式会社ミカサでは水の取り組みが不要な「バイオトイレ」をペルーやカメルーンに設置したりする取り組みをしています。

一個人で企業が行うような取り組みを行うことは難しいですが、こういった世界の現状と改善していくための行動を起こしている人たちがいることを知るのは、誰にでもできることです。

2点目は、「安全な水資源には限りがある」です。

人口が増え続ける中、今後もし何の対策もせず水資源を消費した場合、2030年までに世界の入手可能な水は40%不足し、2050年には4人に1人が水不足になると国連が発表しています。

とはいえ、水資源が豊かな日本にはあまり関係のない話に感じる人もいるかもしれません。

実は、日本は水不足や衛生施設不足に苦しむ発展途上国から、水資源を輸入しています。
特に、通称「バーチャルウォーター」という目に見えない水資源の輸入量は膨大です。

バーチャルウォーターとは、農作物を生産する際に利用される水のことで、食料自給率約40%の日本はバーチャルウォーターに依存しています。

例えば、トウモロコシ1㎏を生産するには、1,800リットルの水が必要です。
牛はトウモロコシなどの穀物を大量に食べて成長するので、牛肉1kgを生産するには、トウモロコシ1㎏の約20,000 倍もの水が必要です。

このように、「日本には関係ない」ということはあり得ません。

日本は海外の国々に助けられていることを知り、今のうちからひとりひとりができることを意識をして、水はもちろん水資源によって得られているものを大切にしていくことが重要です。

安全な水とトイレを世界中に届けるために私たちにできること

安全な水とトイレを世界中に届けるために私たちにできること

安全な水とトイレを世界中に届けるために、私たちにできる3つのことをまとめました。

1.情報をアップデートしながら、水資源を大切に使う

状況は日々変化し、できることも変化していくため、情報は常にアップデートしていくことが重要です。

世界では、日本では、現状何が起きているのか?自分にできることは何かないのか?と常にアンテナを立てることで、今までは入手できなかった情報も手に入るようになります。

また水資源の問題を解決するには、気候変動や食料自給率、ごみ問題など様々な問題を改善していく必要があると理解できます。
想像以上に深刻な水問題を理解できれば、水に対する意識も変わり、日々のちょっとした工夫も自然とできるようになるはずです。

まずは「水道を出しっぱなしにしない」や「すすぎの回数が少なくなる洗剤に変える」、「食べ物を残さない」、「地産地消の食品を選ぶ」などできることを試してみてください。

2.水資源や環境を保護している団体に寄付をする

個人個人の努力で水の消費量を減らしていくことはできても、水資源の不足で困っている国を直接支援するのは限界があります。

今後は個人が、水資源の問題解決を最優先に活動しているNPOやNGOに寄付をすることで、間接的に直接支援に携わることも重要だと考えています。

一般的に非営利団体と呼ばれるNPOやNGOは、人件費や活動費など組織維持をできるだけの利益や財源を確保しつつ、自分たちのコミュニティーだけではなく社会がよくなるため強い意志を持って公益活動をしています。

もちろん企業も社会に貢献していくためのミッションを掲げていますが、貢献できる割合がNPOやNGOの方が高いことが多いです。

安全な水とトイレを世界中に行き渡せるために、活動している団体はたくさんいます。
まずは100円など少額から寄付してみたり、ボランティア活動に参加したりとできることからチャレンジするのが大事な一歩だと感じます。

3.安全な水やトイレを世界中に行き渡せるために、いいと思ったことを発信していく

SNSが普及し、誰でも気軽に発信することができる時代になりました。
水資源を守っていくために自分がした工夫や、活動を行っている団体についていいなと感じたことを共有していくのもひとつです。

実際、一個人の発信が反響を呼び、新たなコミュニティーが生まれたり、団体や企業の目に留まってプロジェクトが発足したりすることもしばしばあります。

たとえ目に見える変化がなかったとしても、興味のある人の目には止まり、その共有が誰かのモチベーションになったり、誰かの背中を押したりすることもあるかもしれません。

自分の何気ない行動も、工夫次第では巡り巡って何かの支援に繋がります。

まとめ

まとめ

安全な水とトイレを世界中に行き渡らせるための問題はたくさんありますが、解決のためにできることもたくさんあります。
私たちが少しずつ水資源を大切にする行動を起こしていき、地道な積み重ねをしていくことが必要です。

他の国で起きていることもが馴染みのないことに感じても、まわりまわって自分たちの生活に関係しています。
地球上で生きている限り、無関係なことはありません。

まずは、2030年に向けてできることから少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

  • 記事を書いたライター
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河川海洋ごみ問題解決を目指すNPO法人にて勤務。 海洋プラスチックを使用したアップサイクルアクセサリーブランドの立ち上げ責任者や広報担当として活動。 出産を機にSDGsに興味を持ち、前職の人材業界や金融業界などでの経験を活かして「わたしたちにできること」にフォーカスしながら情報を発信中。

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