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質の高い教育をみんなに

教育格差の課題に悩む中国を救うためには?

IT産業を中心に、経済発展が急成長している中国のGDPは世界第2位を誇ります。
しかし、問題を数多くかかえており、そのひとつに教育格差があります。中国のかかえる教育格差は、SDGs17の目標に掲げられている、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」によって解決できると考えられています。
この記事では、どのように中国の教育格差を解決できるのか、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」との関わりと、中国における教育の歴史と共にご説明します。

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは、どのような目標?

SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは、どのような目標?

2015年の国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)は「持続可能な」を目標としており、世界をより良くするための国際目標として掲げられています。SDGsには17の目標があり、2030年までに目標達成することを目指しています。目標4「質の高い教育をみんなに」もその中のひとつです。

この目標4「質の高い教育をみんなに」には解決すべき問題が多くあります。目標1「貧困をなくそう」や目標2「飢餓をゼロに」、さらに人権やジェンダーに関わる目標5「ジェンダー平等を実現しよう」などの問題解決も求められています。

この目標4が解決することで、世界中の誰もが質の高い教育を平等に受けられる機会を得ることになります。また、同時に他の目標の解決にもつながります。目標4「質の高い教育をみんなに」の取り組みによって、世界が良い方向へ大きく変わるでしょう。

中国を含む世界の教育現場の今とは

中国を含む世界の教育現場の今とは

まず、中国の教育の歴史を簡単にします。中国ではかつて、国民みんなが平等に教育を受けることができました。しかし、1978年の改革開放政策により中国は急激な経済発展を遂げ、経済と教育に大きな変化が生じます。その後1985年、「教育体制改革に関する決定」により、1986年、「義務教育法」が制定されました。

制定された義務教育法には、学費が免除と規定されていましたが、莫大な費用がかかるため、政府は地方の財力で補うことにしました。しかし、広大な国土と多様で膨大な人口を抱える中国では、発展状況が異なるために、全国を3つの地区と階級に分け、義務教育を普及させようとします。

まず経済に有利な地域(沿岸部)に集中投資し、その後活性化された地方の力を借り、発展を遂げた地区が後進地区を援助し、ともに向上していくという考え方です。

その結果、都市化の進んだ沿岸部の所得が上昇しました。しかし、貧困地区では政府からの援助金がなくなり、教育資金が不足します。教育資金が足りない貧困地区では学校を維持するために、保護者から徴収する雑費を増額し、その徴収により家庭が圧迫されたことで学校に通えなくなる児童が増えました。

そこで、2001年「基礎教育と発展に関する国務院決定」で支援援助金が拡大されました。それでも農村地区を中心とする貧困家庭では雑費を支払えず、中退や進級できない児童が多くいる現状がありました。

所得格差が生まれたことで、教育環境に大きく影響を与えました。

中国における教育格差の要因

中国で進められているSDGs目標4「質の高い教育をみんなに」とは

中国の教育格差は、大きく2つの要因によって引き起こされています。前章でも先述した通り、そのひとつが、都市と地方での経済格差や所得格差です。中国都市部(北京・上海)の暮らしは、スイスと同様の世界トップレベルの生活水準とされている一方で、地方の貧困とおおきなギャップがあります。また、もうひとつの問題が根強く残る、学歴主義です。

都市と地方の格差が大きい

都市と地方で教育格差が大きい要因として「戸籍制度」があります。「戸籍制度」は、農業戸籍(農民戸籍)と非農業戸籍(都市戸籍)に明確に区別されたことをいいます。1950年後半に、都市化が進むにつれ、都市部への人口流入の抑制のために導入された制度です。

現在の全人口の6割が「農業戸籍」、4割が「非農業戸籍」と言われています。生まれた戸籍により、医療や社会保障など、多くの行政サービスに違いがあります。また、戸籍が分かれたことで、農民戸籍の人は自由に都市部に行き来することが出来なくなりました。

現在は改善されつつあるものの、農民出身者は都市部に移住しても、戸籍を変更することができず、農業戸籍のままの行政サービスを受けることしかできません。近年では戸籍の変更が出来るようになっていますが、多くの条件があり、簡単なことではありません。また、戸籍制度は、大学入試にも影響します。

中国の大学入試は、省レベルで統一されています。各省の大学合格割り当て人数が異なっているため、同じ都市や各地方によって合格ラインが違う場合があります。さらに、支払う学費も都市戸籍の学生より高いなど、同じ大学に入るには、農民戸籍の学生は圧倒的に不利な状況にあります。
農民戸籍の人は生まれた時から、教育を受ける機会の制限がされているのです。

根強く残る学歴主義の問題

中国で高学歴に強いこだわりを持つのは、王朝時代の官僚試験の「科挙」が関係しています。「科挙」とは中国を統一した隋で行われていた試験制度で、身分に関係なく実力のあるものを官吏として登用とするものでした。

科挙は家計への負担が大きく、庶民が気安く受けられるような試験でなかったようですが、庶民の身分から階級上昇により、高い地位を得た人もいます。一人が合格することで、家族みんなが豊かに暮らせるという事実により科挙は人気がありました。この科挙制度が清朝末期まで1300年続いたことを考えると、中国社会で広く支持されていたことがわかります。

また、人口増加を抑えるための政策として1979年から2014年の間、「一人っ子政策」が実施されたことも学歴主義にこだわるひとつです。一人っ子政策の実施は、兄弟がいないことで親の愛情を独り占めできた反面、子どもへの親の期待が大きくなりました。科挙のような歴史的な考え方が今現在も根強く残っていることで、親の期待に応えようと子どもたち勉強をし、それが当たり前という社会になっているのです。

このような時代背景により、有名校に入り、高学歴を身につけることでよい就職ができ、社会的地位の高いポジション=勝ち組と考えているのです。

中国の教育格差をなくすには、貧困撲滅がカギ

先述した通り、中国の教育格差をなくし、SDGs目標4の「質の高い教育をみんなに」を達成するために重要になるのが、貧困問題を解決することです。

貧困問題は中国にとって最優先してきたテーマです。改革開放政策以来、貧困削減のためにさまざまな制度を導入し、貧困問題の解決を目指してきました。経済発展に沿って貧困削減目標を調整し、貧困削減業務の標準化、さらに制度化するために新たな部署も創設しました。

その結果、2014年に「標的型貧困撲滅実行メカニズム設定の実施計画」を策定し、2016年国務院は第13次5カ年計画(2016-2020年)が発表され、これは特別貧困撲滅計画を策定する礎となったのです。

その後、中国政府の粘り強い探求と努力で、1978年には7億7000万人いた地方の貧困住民は2019年末には551万となり、貧困率は97.5%から0.6%に減少しました。これは国連の「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の貧困目標削減を10年前倒しした結果です。

貧困問題はSDGs目標1「貧困をなくそう」に掲げているように、全世界でも早急に解決すべき問題とされています。中国は、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダが設定した貧困撲滅の目標達成をした、初めての国となったのです。また、中国の取り組みは中国の貧困問題を解決しただけではなく、世界にとっても大きな成果といえ、国連開発計画(UNDP)はここ数十年の中国の発展を賞賛しました。

まとめ

まとめ

中国の教育格差は、移り変わる時代の制度が大きく影響していました。戸籍制度など抱える問題はまだ多く残り、根強く残る高学歴が良いとされる意識もすぐには変わることはないかもしれません。

しかし、所得格差や貧困問題が解決すれば、目標4「質の高い教育をみんなに」の解決の糸口となり、教育格差をなくせる希望となるのです。

また、全世界で目標1「貧困をなくそう」と目標4「質の高い教育をみんなに」に取り組むことで、多くの人が当たり前のように教育を受けられるようになります。
1人でも多くの人が質の高い教育を受けることで、SDGsへの理解が深まり、持続可能な開発目標を達成することができるでしょう。

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