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ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダー平等についてできること、現状を知ることから始めよう

ジェンダー平等とは、身体的な性別の格差ではなく、文化的・社会的な性的役割を平等にしようというものです。

ジェンダー格差は、まだまだ私たちに強く根付いています。
例えば、『男性は外で働き、女性は家で家事・育児をする』『ランドセルは男の子は黒、女の子は赤』などです。

日本で女性の社会進出は昔よりは広がってきました。
しかし、女性管理職や女性政治家、給与格差などまだまだ女性の活躍は男性に比べて低いです。

世界に目を向けていると、10代前半の女の子でも大人の男性との結婚を強制され、妊娠、出産をするなど、女性というだけで身体的にも精神的にも大きな被害を受けている現状があります。

私たちは、これからより良い世界にするために、社会的な性差別をなくしていかなければいけません。
それは、将来地球で生活していくため、誰一人取り残さない目標のSDGs(持続可能な開発目標)にも定められています。

ジェンダー平等とは

ジェンダー平等とは

ジェンダー格差などの言葉をよく耳にすることは増えましたが、ただ女性の社会進出が遅れているなど、あいまいなイメージの人は多いのではないでしょうか?

ジェンダーとは社会的性別のことを指し、私たちは無意識に『男性だから』『女性だから』と役割を認識していることです。

それでは、ジェンダーについて詳しく解説していきます。

ジェンダーとは社会的性別

ジェンダーとは、『男の子のランドセルは黒、女の子は赤』など、社会的・文化的に分けられた性別です。
身体的な違いによる男女の性別とは別であることを覚えておきましょう。

『男だから外で働き、女だから家事をする』などは、ジェンダーとして区別された役割です。
この文化的にも社会的にも認識されてきた区別によって、特に女性の社会進出などが妨げられている問題があります。

LGBTについて

LGBTは最近よく聞かれるようになってきましたが、生まれつきの身体的特徴の男女としての性別ではなく、心と体の性別が違ったり、同性が好きだったりする人のことを指します。

LGBTは、それぞれの性的特性に合わせた言葉の頭文字をとっています。

L:レズビアン(女性同性愛者)身体の性別は女性で、恋愛対象も女性
G:ゲイ(男性同性愛者)身体の性別は男性で、恋愛対象も男性
B:バイセクシャル(両性愛者)男性も女性も両方が恋愛対象
T:トランスジェンダー 身体の性別と、自分が認識している性が異なる人

最近では、このどれにも当てはまらないQ(クエスチョン・クィア:自分の性別や恋愛対象などを定めていない人など)も存在しているとして、合わせて「LGBT+Q」と呼ぶようになり始めています。

SDGs目標5.ジェンダーの平等を実現しよう

SDGs目標5.ジェンダーの平等を実現しよう

SDGs(持続可能な開発目標)は、将来地球に住み続けるために2030年までに実現しなければいけない、17の目標を定めたものです。
その中に、目標5.「ジェンダーの平等を実現しよう」という項目があります。

ジェンダーによる不利益を受けるのは、女性が圧倒的に多いです。
日本にいると、女性は仕事上の昇進や、給与が男性より少ないなどのジェンダー格差をイメージされます。

しかし世界的に見ると、女性や少女に対してのジェンダー格差には深刻な問題があるのです。

世界的な問題

日本にいると、幼い女の子を大人の男性へ嫁がせるといったことは、今では考えられないと思います。
しかし、世界には未だに18歳未満の女の子が強制されて結婚、妊娠、出産をする事例が数多くあります。

また、文化的な慣習による女性器切除など、身体的・精神的負担が大きい行為も行われています。
そうした弱い立場の女性に対しての残忍な行為が、世界的に問題視されています。

児童婚

世界で年間1,200万人もの子供が、結婚していると言われています。
以前よりは少なくなってきているとはいえ、かなりの数の女の子が、自分の意志とは別に強制的に結婚させられているのです。

特に児童婚が多い地域は南アジアとサハラ以南のアフリカで、経済的理由から子どもを結婚させることも多いようです。
貧困に苦しんでいると、どうしても家族を養えなくなる場合もあります。
その場合、子どもに生活をさせるために結婚させてしまうことがあるのです。

また、十分に教育を受けていない子どもが出産する場合、死亡リスクも高まります。
貧困地域で出産することにより栄養不足に陥ったり、不衛生な生活環境での生活を余儀なくされたり、様々な要因で亡くなる子どもも多いです。

子どものうちに結婚したことで、家庭内で弱い立場に立たされ、虐待などの被害に遭いやすくもなります。
教育を受けていないために、子どもが虐待に遭っていても悪いことだと判断できないこともあるのです。

参照元:ジェンダー平等を実現しよう|ユニセフ

FGM(女性器切除)

文化的な慣習から、FGM(女性器切除)を行う国は、古代エジプトの時代からありました。
一部の地域では、FGMを行わなければ成人女性として扱われなかったという慣習もあります。

しかし、その行為には危険を伴います。
生後間もなく行われることもあるようですが、FGMを行うと大量出血や感染症にかかるリスクがあり、最悪の場合死亡するケースもあります。

現在ではFGMを行うケースは減少傾向ですが、いまだに約30か国は慣習として残っていると言われています。

ただ、FGMは女性の尊厳を著しく侵害するもので、身体的にも精神的にもかなり負担が大きいです。
世界保健機構(WHO)や国連児童基金(ユニセフ)などは、女性に対する人権侵害だと主張しています。

このように、女性であるがために人権を侵害され、社会的役割を強制させている文化や社会があるのです。

他にも、人身売買などの被害に遭うのも圧倒的に女性が多いという事実もあります。

参照元:ユニセフの主な活動分野 子どもの保護|ユニセフ

日本のジェンダーギャップ

日本のジェンダーギャップ

現代の日本は、児童婚など女性の意志とは関係のない結婚は減ってきています。
また、女性の社会進出も広く認知されて、今では女性でも外で働くことは普通になっています。

しかし、日本でもジェンダーによって不平等は起きていないのか?
それは、否と言えるでしょう。

実際に『男の子は黒いランドセル、女の子は赤いランドセル』『男性は外で仕事をし、女性は家で育児や家事をする』という概念が、まだまだ根強く残っています。

共働き世帯が増えたと言っても、家事の負担はまだ女性の方が大きいです。
また、企業の女性管理職や女性政治家も、圧倒的に女性は少ない結果が出ています。

日本のジェンダー格差は大きい

世界的な調査であるジェンダーギャップ指数を見てみましょう。

ジェンダーギャップ指数とは、経済・政治・健康・教育の分野での男女の違いを比べたものです。
日本のジェンダーギャップ指数は、2020年の調査だと総合で121位と先進国の中でもかなり低いです。

それほど、まだまだ男女の格差が大きく開いています。

参照元:Global Gender Gap Report 2020 |世界経済フォーラム

ジェンダー平等について私たちができること

ジェンダー平等について私たちができること

ジェンダー平等について、身近なところから始めることは可能です。

家族内で家事の分担について話し合ったり、女性の社会進出や非営利団体(NPOやNGOなど)に寄付をしたり、まずはどういう問題があったり、どのような取り組みを行っているのか知りましょう。

家族で話し合う

身近なところから問題提起することは、とても大切なことです。
私たちが普段何気なく生活している中でも、女性の家事負担が大きかったり、女性だから、男性だからこの格好をしなければいけなかったりなど、気づけることはたくさんあります。

家族で話し合い、女性一人に家事や育児が集中しているのなら分担するなど、工夫すると良いでしょう。

また、『男性だから、女性だから』という意見を、改めて問題視してみるのも良いです。
現代は、LGBT+Qの人も自分で公表したりすることも増えてきています。

偏見を持たないようにフラットな人間関係を築く意識を持ち、どのような人でも快適に過ごせるような環境を作る努力は必要です。

寄付やボランティアをする

NPOやNGOで、発展途上国の女性の社会進出に取り組んでいる団体もあります。
そうした団体を探して、寄付することで間接的にも支援することが可能です。

また今は難しくても、海外で活躍する団体の職員などになり、現地でボランティアをするなど個人でも問題解決に向けて行動することができます。

まとめ

まとめ

ジェンダーとは、身体的な性別ではなく、文化的・社会的な性別の役割に関する概念です。
『男性は働き、女性は家事・育児をする』などは、ジェンダー差別として最近ではとらえられ始めています。

世界に目を向けていると、女性というだけで大きな不利益を受けていることもあります。

貧困に苦しみ、生活のために10代前半で結婚させてしまう児童婚や、FGMなど女性の尊厳を著しく傷つける慣習などにより、命の危険にさらされることもあります。
また、人身売買などもいまだに存在し、大半は女性が被害に遭っています。

将来も地球に住み続け、誰一人取り残さない社会を目指すSDGsにも、「ジェンダーの平等を実現しよう」という目標があります。
日本でも、まだジェンダー平等とは言えない状況が続いています。

まずは、現状を知り、私たちにできることを探っていきましょう。
ジェンダーに関する問題は、個人の意識次第で変えることができます。

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