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貧困をなくそう

日本の貧困率が高い地域とは?貧困層の現状とその対策について

SDGs(持続可能な開発目標)の1番目のゴールは「貧困をなくそう」です。
貧困問題という言葉を聞いた際に、途上国で起こっている問題のように感じてしまい「日本における貧困」のイメージが湧かないという方もいるかもしれません。
しかしながら、貧困問題は私たち日本人にとっても無関係ではありません。

今回は日本における貧困の現状や課題、貧困率の高い地域でおこなわれている貧困対策、そして私たちができるアクションについてご紹介します。

日本の貧困の課題や、貧困層の定義とは?

日本の貧困の課題や、貧困層の定義とは?

途上国での貧困に比べ、日本の貧困は表面上では分かりにくいと言えます。
日本における貧困の課題は何なのでしょうか?また、貧困層の定義について詳しく説明します。

SDGsゴール1「貧困をなくそう」の概要と貧困層の定義

SDGsにおいては、「極度の貧困層」の定義を1日1.25ドル未満(140円以下)で生活する人々としています。
このような貧困状態にあると、食べ物や水が十分に得られない、病気になっても病院に行くことができない、十分な教育を受けることができない、といった環境に置かれてしまいます。

そして貧困状態の家庭で育つ子どもたちは、教育だけでなく技能取得や職業訓練の機会を得るチャンスを失うことで、十分な賃金を得る職業へ就けません。
これにより世代間で貧しさが受け継がれ、いわゆる「貧困の連鎖」が起きてしまうのです。

このような貧困に関する問題を解決するためにたてられた目標がSDGsゴール1「貧困をなくそう」です。
世界では10人に1人、つまり7億人を超える人が貧困状態にあると言われています。

SDGsゴール1「貧困をなくそう」の日本での課題

上記で述べたような、最低限の日常生活もままならい極度の貧困状態のことを「絶対的貧困」と呼びます。
それに対し、その国の文化、生活水準と比較したときに経済的に困窮した状態にあることを「相対的貧困」と呼んでいます。

相対的貧困とは、具体的にはその国の国民全員の所得の中央値の半分を下回っている状態を指しており、日本ではなんと6人に1人が「相対的貧困」状態であることが分かっています。

その事実を聞くと、貧困問題は私たちにとって身近な問題であるということが分かりますよね。

日本の貧困率の推移

日本の貧困率の推移

2018年の全国の平均相対的貧困率は15.1%となっていて、2012年の16.1%から減少傾向ではありました。
また、『住宅・土地統計調査』データに基づく都道府県別貧困率では、高いところだと2013年の調査で16.9%もの貧困率となっていた県もあります。
(出典:都道府県の相対的貧困率の計測と要因分析|日本労働研究雑誌 2018年2・3月号)
(参照元:厚生労働省『国民生活基礎調査』を用いた貧困率の推計|厚生労働省HP  新型コロナに関連した調査研究情報|貧困研究会

現状ではまだ確実なデータは出ていないものの、新型コロナウイルス感染拡大による経済的ダメージを受けている家庭や職種は多岐にわたっています。
今後、日本の貧困率が上昇することは避けられないのではないでしょうか。

所得格差の拡大が深刻

貧困率の推移と無関係ではないのが、日本における所得格差です。
日本では相対的貧困層の家庭とそうでない家庭の間において、所得格差は広がる一方となっています。

とくに母子家庭における貧困率は顕著となっており、少子高齢化や単身の増加による世帯の小規模化が進むことで、今後ますます格差が上昇するとも言われています。
前述したように、コロナ禍による大量解雇や倒産などによる所得格差の拡大も予想されているので、その深刻さは増すばかりです。

日本で貧困率が高い傾向にある地域とその要因

日本で貧困率が高い傾向にある地域とその要因

日本での貧困は、地域によって大きく差があります。
ここでは貧困率の高い傾向にある地域とその要因を見ていきましょう。

日本の貧困率が高い地域

日本における貧困率には、都道府県によって低い地域と高い地域に差があります。
特に高い貧困率となっているのが沖縄県、高知県、鹿児島県、徳島県の4県です。

その地域の特性や環境などによって貧困率を高めているという背景がありますが、共通項もあり貧困率を上げる要因のケーススタディになることもあり注目されています。

貧困率が高い背景には様々な要因がある

前述したような、貧困率が高い地域の背景として要因としてあがるのは以下のような要素があります。

・正社員率が低いことによるワーキングプア層の多さ
・離婚率の高さ
・ひとり親世帯(特に母子家庭)の多さ
・そもそもの地域の物価
・賃金の安さ
・地理的条件…

以上のことなどが、貧困率をあげる要因として顕著となっています。

そして、家庭の貧困は子どもの貧困にもつながります。
途上国での事例と同じように、貧困家庭で生まれ育った子供は選択肢をあたえられないまま貧困家庭をつくることとなってしまいます。

貧困は1つの要因から生まれるということはなく、複数の要因が重なっているケースがほとんどです。
このような貧困を解決するには、地域ごと、家庭ごとの根本にある要因を探し当て、連鎖を断ち切るような対策を行っていく必要があります。

日本で貧困率が高い都道府県のおこなう貧困対策とは?

日本で貧困率が高い都道府県のおこなう貧困対策とは?

ここからは、貧困の連鎖を断ち切るために貧困率が高い県が取り組んでいる対策についてご紹介します。

沖縄県で行われている貧困対策

地理的条件も加わり、常にこどもの貧困率が高い沖縄県は平成28年から「子どもの貧困対策計画」に基づく施策を推進しています。
行政では行き届きにくい施策については、「沖縄子どもの未来県民会議」が県民運動を展開するなど、まさに官民一体となって様々な取り組みを行っています。

沖縄県は深刻な貧困に向き合い、スピード感のある施策をいくつも実施しはじめました。
内閣府も、全国で最も深刻な沖縄の子どもの貧困問題をモデル事業として取り組むために「沖縄県子供の貧困緊急対策事業」を実施しています。
(参照元:沖縄県公式サイト

このように、沖縄県は貧困先進地でもあり、取り組みへの先進地にもなっています。

高知県で行われている貧困対策

高知県においては「高知家の全ての子どもたちの現在から将来が、子どもたち自身の努力の及ばない不利な環境により閉ざされることのないよう、夢と希望を持って、安心して育つことのできる社会の実現」を基本理念に掲げ、令和2年より「第2期こどもの貧困対策の推進に関する法律」を施工しています。

子供への支援の充実だけでなく、保護者の職業生活の安定と向上への支援強化など、包括的な取り組みを計画しており、まさに県一丸となって貧困問題に取り組んでいます。

(参照元:子どもの貧困対策|高知県公式サイト

鹿児島県で行われている貧困対策

鹿児島県は、平成28年3月に「かごしま子ども未来プラン2015」を策定し、教育支援・生活支援・保護者に対する就労支援・経済的支援の4つを柱とする「子どもの貧困対策計画」を立案しています。
また、2016年度に「かごしま子ども調査アンケート」が実施され、その結果として、これから鹿児島県が解決すべき課題や問題点を抽出しています。

具体的な取り組みとしては「こどもの未来応援事業」と題して講演会や子ども食堂への側面的支援、ガイドブックの作成と配布などを行っています。

(参照元:かごしま子ども調査結果について|鹿児島県公式サイト

徳島県で行われている貧困対策

徳島県では、次世代育成支援対策推進法及び徳島県子どものはぐくみ条例に基づき、平成居27年に徳島県次世代育成支援行動計画「第2期徳島はぐくみプラン(後期計画)」を策定しています。

具体的な取り組みの方針として「結婚、妊娠・出産、子育ての希望がかなう環境づくり」「あらゆる主体が協働して子どもを育む社会づくり」「子どもや若者が幸せを実感し、住みたいと思う地域づくり」の3つを掲げ、様々な活動を行っています。

(参照元:条例・憲法・県報|徳島県公式サイト

日本の貧困問題解決に向けて、私たちにもできる取り組みとは

日本の貧困問題解決に向けて、私たちにもできる取り組みとは

一度貧困状態におちいり連鎖が始まってしまうと、そこから抜け出すことが困難となり、どうしても継続的な支援が必要となります。
日本の貧困問題解決に向け、行政やNPOなどの団体による様々な取り組みが行われており、貧困家庭や子どもへのサポートが強化されつつありますが、活動を行う人々や団体への資金や人材は足りていません。

まずは日本の現状や貧困に対して理解を深め、そのような人々のためにできることを考えることが大切です。

まとめ

まとめ

本記事ではSDGs1番目のゴール「貧困をなくそう」というテーマから、日本の貧困問題についてご紹介いたしました。
貧困問題が途上国で起こっているだけではなく、日本においても大きな問題となっていることを感じられたのではないでしょうか?

各行政や民間による様々な対策が行われておりますが、その支援の手は足りておらず、今後貧困問題が拡大することは避けられないでしょう。
他人事ではないからこそ、いま自分ができることを考え、一人ひとりができることから始めていくことで、より良い未来へとつながっていくのではないでしょうか。

  • 記事を書いたライター
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大手カフェチェーンで人材育成に携わり、青年海外協力隊としてアフリカのルワンダにて2年間活動、その後は国際協力機関での勤務経験あり。過去の経験をもとに現在はフリーランスとして途上国支援やキャリア教育の講師・メンター業をメインとして活動しながら執筆活動も行う。趣味は旅とコーヒーと料理。海の街に暮らし始めたことで日々大量の魚をさばく生活を楽しんでいる。

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