貧困をなくそう

インドの貧困問題とは?現状を知り私たちにもできることを考えよう

今や貧困問題は、その国だけではなく世界全体の問題として考えられています。
特に、サブサハラ・アフリカや南アジアなど人口の多い地域に貧困層が集中しており、苦しい生活を送っているのです。

本記事では、南アジアに位置するインドの貧困についてまとめました。
まずは、インドで起きている貧困の現状について見ていきましょう。

インドの貧困問題の現状

インドの貧困問題の現状

2019年時点で13億6,641万人が暮らしているインド。
そのうち1億7,000万人以上は貧困層だと言われており、世界中に存在する貧困層の4分の1を占めています。
貧困層を減らすために栄養や衛生など様々な分野で対策が行われ、徐々に改善されてきましたが、新型コロナウィルスの影響もあり再び増加しているのが現状です。

参照元:
インドの基礎データ|外務省
世界の貧困に関するデータ|世界銀行

インドでは国際貧困ラインを下回る生活を送る人が多い

国際貧困ラインとは、貧困と貧困ではない層のボーダーラインの役割をはたすものです。
世界銀行は、購買力平価に基づいて国際貧困ラインを1日1.90ドルに設定しました。
つまり1日1.9ドル以下で生活している人は、貧困層に部類されることになります。

1.9ドルと言われても、あまりピンとこない人もいるでしょう。
その時によって変動しますが、1.9ドルは日本円にすると約200円です。

先述した通り、インドの貧困層は1億7,000万人以上。
インドでは1日約200円以下の生活を送る人々が、1億7,000万人以上もいると考えると、その深刻さが分かるのではないでしょうか。

ここまでは、インドの貧困の現状をお伝えしました。
続いては、貧困の原因について確認していきましょう。

参照元:よくあるご質問(FAQs): 国際貧困ラインの改定について|世界銀行

インドの貧困は「格差」が関係している

インドの貧困は「格差」が関係している

インドの貧困には様々な原因がありますが、その1つとして「格差社会」が挙げられます。

地域格差

インドは、地域によって格差が大きい国です。
特に、1人あたりの所得水準が低い北部・東部・北東州は貧困率が高く、そのなかでも北東州に関しては状況改善の遅さも目立ちます。

2004~2011年度の州別貧困率では、北部・東部に位置するオディシャンやビハールなどで貧困率の改善が見られましたが、北東州は2004~2011年まで30%台のままでした。
インド政府は地域格差をなくすために、対策や支援を考え実施しなければなりません。

参照元:インドJICA国別分析ペーパー|JICA

職業による格差

IT産業の発展など、目まぐるしい成長を見せるインドですが、産業別分布を見ると主産業は、サービス業53%・鉱工業31%(そのうち製造業は18%)・農林水産業15%となっています。
インドに暮らす半分以上の人々が、サービス業で生計を立てているのです。

しかし近年は、先述した通り新型コロナウィルスの影響もあり、インド経済にも大打撃を与えました。
特にサービス業への影響は大きく、職場である店舗や宿泊施設などの閉鎖によって収入も減少。

インドでは社会保障制度の恩恵を受けられる人が1割にも満たないため、支援を受けられず大勢の人が貧困に苦しんでいます。

参照元:
インドの基本情報|公益財団法人 国際労働財団
目標1貧困をなくそう ー「正義」の問題としてー|日本貿易復興機構アジア経済研究所

カースト制度

インド文化圏ではヒンドゥー教が多くの人々に信仰されており、信仰者は79.8%になります。
ヒンドゥー教は文化や社会制度などインドの暮らしに深く根付いていますが、そのなかでも「カースト」と呼ばれる身分制度が格差問題を生み、インドの貧困問題に大きく影響しているのです。

このカースト制度によって、子どもの身分も生まれた時から決まっています。
例えば、1番階級が低く貧しい家庭に生まれた子どもは、親と同じく1番低い階級になります。
このように、生まれながらにして身分や貧富の差ができてしまうのです。

そして、階級の低い人ほど、社会で不当な扱いや差別を受けています。
現在、カースト制度は法律によって禁止されていますが、古くから根付いていたこともあり差別は完全にはなくなっていません。

このようにインドでは、様々な格差によって貧困問題が深刻化しています。

参照元:インド基礎データ|外務省

インドの貧困問題が原因で起こる様々な被害

インドの貧困問題が原因で起こる様々な被害

ここからは、貧困問題が原因で起こる被害を確認していきましょう。

飢餓と栄養不良

1日1.9ドル(日本円で約200円)以下で暮らしている人々が大勢いるインドの貧困を語る上で、食料に関する話は無視できない問題です。
そして食料問題の先には、飢餓と栄養不良の問題があります。

飢餓とは、

・摂取カロリーが著しく不足している
・毎日栄養バランスの整った食事を摂れていない
・食料不安を抱えている

など、健康で活動的な生活を送るために必要なカロリーが摂取できない状態です。
人はこの状態が続くと栄養不良や飢餓に陥ります。

「2021年 世界飢餓指数(GHI)報告書」によると、インドは116ヵ国中101位でした。
同じく貧困が問題視されているバングラディシュは76位であったため、インドの飢餓問題の深刻さが伺える結果と言えるでしょう。

参照元:インドの「飢餓悪化」|日本国際飢餓対策機構

子どもへの被害

先述した通り貧困によって、飢餓や栄養不良で苦しむ人々は増加しています。
そのなかでも、大きな影響を受けているのが子どもたちです。

心身ともに成長過程にある子どもには、十分な栄養が必要です。
しかし、貧困によって栄養を摂れなくなると下記のような影響が出ます。

・発育障害
・衰弱
・死亡率の上昇

特に、5歳未満の子どもたちに深刻な影響を及ぼします。
何も罪のない子どもたちが苦しまずにすみ、必要な栄養を毎日摂取できるように、インド政府は対策を行わなければなりません。

参照元:インドの「飢餓」悪化|日本国際飢餓対策機構

教育に関する被害

貧困問題は、インドの教育分野にも影響を及ぼしています。
貧困層の家庭に生まれた子どもたちは学校に行かせてもらえず、児童労働や早期結婚をさせられる場合が多々あります。

また、自身が貧困を理由に学校に行かせてもらえなかったため、勉強の大切さが分からず「学校に行く必要なんてない」と思っている親も少なくありません。
そのためインドには、計算ができない子どもや字を書けない子どもも大勢いるのです。

下図を見ると、識字率は少しずつ上昇していますが、男女格差や農村と都市部の格差が目立ちます。

引用元:インドにおける教育水準の変換過程|西川 由比子

インドでは2009年より、公立校の「子どもの無償義務教育権利法」が制定されました。

しかし、先述した親の勉強に対する認識以外にも、

・電気のない薄暗い場所で授業を行う
・違う学年の子どもたちが、同じ教室で床に座り勉強する
・小学校のみ出ている教員が授業を行う
・教員の無断欠勤で休校になる
・世間話ばかりして授業を行わない教員もいる

など、環境や教員の質の悪さが課題となっています。

参照元:
インドの教育支援|NPO法人オンザロード
インドにおける教育水準の変遷過程 |西川由比子

インドの貧困で苦しむ人のために私たちができること

インドの貧困で苦しむ人のために私たちができること

ここまでは、貧困によって起こる様々な被害をお伝えしました。
貧困に苦しむ人々のために、私たちは何ができるのでしょうか。

「国外のことだから関係ない」や「現地に行けないから何もできない」と思う人もいるかもしれません。
しかし、今や貧困の問題は、国だけではなく世界の問題です。

そして、

・寄付や募金をする
・現地の人が作ったフェアトレード製品を購入する
・SNSを利用してフォトアクションに参加する
・国内で開催されるNPOやボランティア団体のイベントに参加する

など、私たち個人にもできることは沢山あります。

海外への支援と聞くと、現地へボランティアに行くような大きなアクションを考えてしまいますが、自分にできる小さなアクションで良いのです。
1人ひとりが小さなアクションを起こすことで、大きな1つのアクションになります。

まとめ

まとめ

日本で暮らしていると、「貧困」と深く関わる機会はあまりないかもしれません。
しかし、日本と同じアジアに属するインドでは、貧困が深刻な問題となっています。
世界中に暮らす貧困層の4分の1を占め、飢餓や栄養不良の問題、教育格差にカースト制度による身分格差など問題も山積みです。

私たちは、この問題を「他人ごと」ではなく「自分ごと」として受け止める必要があります。
まずはインドの現状を理解し、知ったうえで「自分には何ができるのか」を考えてみましょう。

あなたが起こした小さなアクションによって、救われるインドの人々もいるのです。

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鹿児島県在住のフリーライター。コーヒーをきっかけにSDGsを知り、興味をもつように。普段は、ライフスタイルやSDGsに関する記事を執筆しています。

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