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森林破壊の現状に対する日本の取り組みをご紹介

森林破壊は、世界で重大な環境問題へと発展しています。
毎年広大な面積の森林が無くなっており、これからは健全で持続可能な森林管理が必要です。

日本では、途上国などの熱帯雨林の監視を行うなどの国際的な技術支援をしています。
また、国内でも森林破壊につながる違法伐採された木材を排除するため、法整備がされてきました。

日本の取り組みは、違法伐採木材の排除などの国際的なものだけでなく、国内の森林利用に関しても行われています。
国内の森林が利用されれば、海外の違法伐採木材を含む、森林資源の節約や健全な活用にも繋がるからです。

今回は、森林破壊に対する日本の取り組みに関して紹介します。

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日本の森林破壊対策

日本の森林破壊対策

世界では、森林破壊のスピードは緩まってきていますが、いまだに毎年約520万haの森林が消失していて、大きな環境問題に発展しています

そんな国際的な森林破壊に対する、日本の取り組みを紹介します。

途上国への国際支援

日本のJICA(国際協力機構)とJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、陸域観測技術衛星「だいち2号」を利用した森林の伐採状況などのモニタリングをするシステムを開発し、途上国の熱帯雨林の違法伐採の監視に使っています。

この「だいち2号」の優れているところは、天候に影響されずに森林の監視ができる点です。

それまでの人工衛星での森林監視は、雲があると上空から見えなくなってしまうため、違法伐採などは雨の多い雨季に行われることが多く、見逃しやすかったのです。

しかし、「だいち2号」は雲を透過するレーダーを使い、雨季でも監視ができるようになりました
2009年から約3年間で2,000件以上の違法伐採を検知し、違法伐採撲の取り締まりに貢献しています。

また、日本で昔から伝わる治山技術を応用して、荒廃した森林の回復や森林火災の予防・早期発見など、途上国支援を積極的に行っています。

グリーンウッド法

グリーンウッド法は、合法伐採木材などの利用や流通を促進するために施行されました。グリーンウッド法では、すべての事業者は合法伐採木材の利用を求められます。

また、木材関連業者が取り扱う木材は、合法伐採木材であるかの確認など、きちんと合法伐採された木材であることを担保する措置をしなければならなくなりました。

そして合法伐採である確認の措置を確実に行っている業者は、国が定める第三者機関に申請し登録されると「登録木材関連事業者」を名乗ることができます。

私達消費者が、木材を購入する際には、「登録木材関連事業者」を選ぶことで、合法伐採された木材の利用と促進ができます。

グリーン購入法

グリーン購入法では、公的機関が率先して、環境への負荷の少ない商品を選んで購入することを定めている法律です。
品目ごとに環境への負荷の少ない基準が異なり、別途規定しています。

木材に関しては、グリーンウッド法に則していることと、林野庁で出している「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」に準拠している必要があります。

日本は森林大国でありながら森林輸入国

日本は森林大国でありながら森林輸入国

日本は実は森林を豊富に持っている国ですが、使われる木材のほとんどを輸入しています。
なぜ日本は自国の森林資源を使わなくなったのでしょうか。

日本で使われている木材の約70%が輸入

現在日本で使われている木材の約70%は、輸入品です。
戦後の日本は、復興のために大量の木材が必要となり、貿易の自由化を促進して輸入木材がどんどん入ってくるようになりました。

輸入木材は国産の木材よりも価格が安いため輸入木材がどんどんと増え、国産の木材は割高になり使うことが少なくなりました。
2000年頃に木材自給率は約18%とまで落ち込みましたが、現在の木材自給率は約30%と微増ながら増えています。

日本の国土の約70%が森林

輸入木材を大量に使っている日本は、実は森林大国でもあります。
国土の約70%は森林面積で、そのうちの約40%が昭和20年代ごろに植えられた人工林です。

当時植林された木々は、本格的に利用可能な木材へと成長していますが、山村の過疎化や高齢化などで林業に携わる人が減少し、十分に国産の木材が利用できていない現状があります

そこで日本の農林水産省は平成21年に「森林・林業再生プラン」を発表し、林業の持続可能な経営などを後押しし始めました。
また、平成23年には森林法を改正して、国産の木材利用をより進めるための法整備も行い、積極的に国内の森林資源を利用する後押しをしています。

参照:日本の木材自給率と需要(供給)量|森林・林業学習館

日本の森林の活用例

日本の森林の活用例

日本は豊富な森林資源がありますが、活用されていない現状があります。日本国内の森林を上手に活用する取り組みについて紹介します。

間伐材の利用

森林を健全に保つためには、間伐という木と木の間を空けるために木の一部を伐採して間引く必要があります
間伐を行わないと、生い茂る木の葉で地表に太陽の光が届かなくなり、地表の草木の成長を妨げてしまいます。

また、木が健康に育たないため根が深く張れずに、地滑りや台風などの強風で倒木するなど、危険な状態になることもあります。
間伐は健全な森のために必要ですが、森林維持のためのコストがかかってしまいどんどん林業自体が衰退しています。

そこで間伐で発生した木材(間伐材)を割りばしなどに利用して、利益にもつながるような取り組みが始められています。
全国森林組合連合会は、間伐材で作られた製品に「間伐材マーク」を付け、間伐材の利用の重要性や促進をしています。

参照:間伐材マーク事務局|全国森林組合連合会

木づかい運動

林野庁では平成17年から木材の利用の意義を広めて、木材利用の促進をする「木づかい運動」という国民運動に取り組んでいます
毎年10月は「木材利用促進月間(旧木づかい推進月間)」として、「木づかい運動」推進イベントなどを各地で行っています。

参照元:木づかい運動でウッド・チェンジ!|林野庁
参照元:木材利用促進月間(旧木づかい推進月間)|林野庁

木質バイオマスエネルギーへの利用

最近では、脱炭素への注力でバイオマスエネルギーが注目されています。
バイオマスエネルギーとは、再生可能な生物由来の資源のことを指し、木材が原料のバイオマスを「木質バイオマス」と呼んでいます。

木を燃やすと排出される二酸化炭素は、もともと木が成長する過程で吸収した二酸化炭素だと考え、燃やしても二酸化炭素の増加に影響しない「カーボンニュートラル」と考えられ、発電などの燃料に木材が使われ始めています。

未利用の間伐材などを原料にして、発電する取り組みも進んでいます。

木材輸出の促進

日本政府は、木材の需要を確保するために、国産木材の輸出にも力を入れています。

平成25年以降、日本の木材輸出額は増加傾向で平成28年には、木材輸出額が238億円にまでなりました。これからも輸出する先を増やすための取り組みをしていく予定です。

参照元:木材を使用して、元気な森林を取り戻そう!|政府広報オンライン
参照元:環境のためにシンワのエコ|株式会社シンワ

まとめ

まとめ

森林破壊に対する日本の取り組みは、森林破壊が深刻な途上国への技術支援が主です。
また、日本は森林大国でありながら森林輸入国でもあり、多くの森林資源を海外に頼っている現状があります

国際的な支援に加え、国内の森林資源を有効に活用するための取り組みを積極的に始められています。

森林は豊かな自然を与えてくれますが、放置してしまうと不健全な自然となってしまい、災害時に地滑りを起こしたり、倒壊したり私達の生活に影響が出てしまいます

海外だけでなく、国内の森林を守るためにも、間伐材を使った製品を積極的に使うなど日々の消費行動でできることがあることを意識してみると良いかもしれません。

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