陸の豊かさも守ろう

森林破壊の現状に対する世界の取り組みをご紹介

世界の陸地の約30%を占める森林面積は、伐採や火災などによりどんどん減少しています。
世界の森林面積は1990年~2020年の30年間で、日本の面積の約5倍にも上る1億7,800万ha(1ha=10,000㎡)ほどが失われたと言われています。

森林は「地球の肺」とも言われるなど、地球環境に重要な役割を持っているため、森林破壊は環境問題に直結する問題です。
世界では国連や、各国それぞれで森林破壊について法整備などの取り組みが進んでいます。

今回は、森林破壊に対する世界の取り組みについて紹介します。

国連による取り組み

国連による取り組み

国連で初めて森林についての議題が取り扱われたのは、1992年に行われた地球サミットでした。
その際に、持続可能な発展の国際的な目標を掲げた「アジェンダ21」と「森林原則声明」が採択され、国際的に森林について持続可能な管理が必要だと認識されました。

法的拘束力を持たないものでしたが、地球サミットを経て、各国が森林の保護に向けて動き出していきます。

SDGs目標15「陸の豊かさを守ろう」

SDGs目標15.「陸の豊かさを守ろう」

アジェンダ21を終え、次に採択された現在の2030アジェンダにも、森林破壊に対する目標が掲げられています。

2030アジェンダの核をなすSDGs(持続可能な開発目標)の目標15に「陸の豊かさを守ろう」というものがあります。
その目標の中に、明確に「森林の持続可能な管理」と「砂漠化への対応」が掲げられているのです。

森林破壊は、大気中の二酸化炭素の増加や生態系の破壊、砂漠化につながり、環境問題に直結する大きな問題です。
実際に、大量伐採された森林跡地は、乾燥がひどくなり砂漠化が進んでいる地域もあります。

SDGsは将来の人類のためにも達成しなければならない目標であることから、森林破壊をこれから食い止めるために、国際的にどんどん規制や対応を広めていく必要が出てきています。

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各国での違法伐採の取り締まり強化

各国での違法伐採の取り締まり強化

世界各国で、違法に伐採された木材の取引を規制する動きが活発になり始めました。

アメリカでは2008年に従来動物などの規制に使われてきたレイシー法に植物を追加され、違法木材の規制が強化されました。

また、ヨーロッパでは、EU木材規制の貿易の措置が2013年に執行して、EU市場に違法木材の持ち込みを制限しました。

世界最大の森林消失国のブラジル

世界最大の森林消失国のブラジル

世界最大の森林破壊が進む、熱帯雨林が広がるアマゾン。
そのアマゾンを有しているブラジルでは、森林を保護する法律を次々に施行しています。

2006年に施行された公共林管理法は、土地の強引に奪うことを防止して永続的な森林管理につながる制度の導入など、公共地管理のため枠組みを制定しています。

そして、衛星を使った監視システムを開発したり、土地所有の権利を明確化したりなどが進み、2000年代後半から森林消失面積を徐々に減らしはじめ、その効果が見られ始めています。

国際的な森林管理のための認証制度

国際的な森林管理のための認証制度

森林破壊を問題視し、責任のある森林管理をする取り組みが国際的に進んでいます。

森林を守るための認証制度について紹介します。

RSPO:パーム油問題

森林破壊でよく取り上げられる問題の中で、アマゾン以外に代表的なものはパーム油です。
パーム油はお菓子やパン、化粧品や医薬品など現在の私たちの生活の中で幅広く使われている油です。

パーム油の原料になるアブラヤシは熱帯地域に生えていて、主な生産地はインドネシアやマレーシアといった東南アジアです。
そしてその地域でアブラヤシの農園を作るために、大規模な森林伐採が行われていることが、森林破壊として問題になっています。

そこで、持続可能なパーム油の生産のための国際非営利組織の「RSPO:持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)」が発足され認定を活動しています。

RSPOの認定を受けるには厳しい原則と基準があり、生産者から加工、流通の法令順守はもちろん、環境、社会に有益なことが求められます。

RSPOはさまざまな企業が認定を受けており、RSPOの認証の入った製品は信頼性の高い持続可能なパーム油が使われている商品と言えるでしょう。

森林認証制度FSC

森林を適切に管理して木材を採取すれば、森林破壊にはつながらず健全な森林を保つことにも役立ちます。
そこで、環境保全、社会・経済の利益になるように責任ある森林管理を目的として、1994年に国際的な森林認証制度を運用する非営利組織の森林管理協議会FSCが設立されました。

この森林認定には、10の原則と70の基準が設けられていて、森林保全のみでなく、労働者や地域住民との関係など幅広い視点があります。

FSCの認定が取れると、該当の製品にFSC認証マークを記載することができます。
身近ではコピー用紙やキッチンペーパーなど、紙製品などに多く見ることができます。

PEFC森林認証プログラム

各国のそれぞれの森林認証制度を貿易上、お互いに認証し合う仕組みのもの。
世界共通のFSCの認証基準とは異なり、国別で森林認証基準が異なるが、それを認めるという仕組みです。

元々は1999年にヨーロッパで始まった認証プログラムで、それが世界的に広まりました。

森林が増えている国もある

森林が増えている国もある

森林破壊が進み森林面積が減っている国がある一方、実は森林面積が増えている国もあります。
特に中国は洪水対策などで植林に力を入れていて、人工林の面積は世界で1位の8,470万ヘクタールにもなります。

森林面積が増加した国は、以下のとおりです。

順位 国名 森林増加面積(年平均)
1位 中国 約194万
2位 オーストラリア 約4.5万
3位 インド 約2.7万
4位 チリ 約1.5万
5位 ベトナム 約1.3万

面積単位:ヘクタール/年

植林が進み森林面積が増えている国はありますが、森林破壊のスピードは緩まったとはいえ、植林スピードは追いついていないのが現状です。

参照元:世界森林資源評価(FRA)2020メインレポート概要

まとめ

まとめ

世界の森林破壊への取り組みについて紹介しました。

毎年広大な面積の森林が消失していて、自然界の影響だけでなく人々への影響も大きくなり始めています。
世界各国で、独自に森林監視のシステムや法整備などを行い、対応がされています。
また、植林に力を入れている国もありますが、まだまだ森林の消失スピードに追い付いていません。

責任のある森林管理をするために様々な認証制度が活用され、実際に私たちの生活の中にも森林に関する認証マークを見ることが増えてきています。

森林に関する認証マークが付いた紙製品など、身近に購入することができるようになり、私たちはこれから世界的な森林破壊について関心を持って、商品を選ぶことを意識する必要があるでしょう。

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