SDGsと聞くとESG投資を意図して資金調達に有利になるような企業活動であったり、新規事象を創出しようとしたりする企業の取り組みと認識している方も多いかと存じます。
しかし近年企業のみでなく、スポーツ業界においてもSDGsは広く認知されるようになり、多くの国際的なスポーツ組織やスポーツメーカーにおいて取り組みが開始されているのです。
本記事では、その中でもスポーツ用品からスポーツウェア、ファッションアイテムまで、幅広いジャンルで製造・販売を手掛ける”アディタス“に注目し、その取り組みと最新の動向を紹介していきます。
海の豊かさを守ろう!プラスチックごみゼロを目指すアディダスのSDGsの取り組み
グローバル資源である海を大切に管理し汚染を防ぎきれいに保全することは、SDGsが提唱する”持続可能な未来”を達成する上で必要不可欠です。
・アディダスのSDGsの取り組みとは?
上記の観点から順番に説明していきましょう。
海を汚すさまざまな原因とは
海洋汚染には大きく下記のような原因があります。
船舶からの油の流出
廃棄物の投棄
このなかでも近年国際的問題となっているのが、” プラスチックごみ”。毎年なんと800万トン以上の”廃プラスチック”が海に流入しているといわれており、それらの有害物質が海洋生物を汚染、やがては魚などの海鮮物を食するわたしたち人類の健康を害すると警告されています。
アディダスに関しても、これまで商品の素材や包装などに多くのプラスチックを使用していましたが、国連において気候変動議論が活発化した2015年頃から、SDGs戦略を活発化。生産に利用するポリエステルの半分をリサイクルされたものにシフトし、2024年にはその比率を100%にすることを計画しています。
2030年までにプラスチックごみをゼロに!【アディダスの取り組みを紹介】
それでは具体的にアディダスの取り組みを紹介しましょう。
アディダスは下記の3ステップで” 2030年までにプラスチックごみをゼロに!“というSDGsの取り組みを実施中です。
第1ステップ
プロダクト生産においてリサイクルされたプラスチックの利用を大幅に増やすことを目標にしています。2021年末までに、生産に利用するポリエステルの半分をリサイクルされたものにシフトし、2024年にはその比率を100%にする計画です。
また、リサイクルされたプラスチックの利用を示すラベルを導入。
ペットボトルからリサイクルされたプラスチックが利用されている場合「Prime Green」
海洋プラスチックごみが利用されている場合「Prime Blue」
のラベルが付与されます。
第2ステップ
プロダクトデザインを刷新し、リサイクルが容易になる仕組みを構築することを計画しています。
期限は2030年。このデザイン一新によりプラスチックごみをゼロに!ということが、アディダスの大きな目標となっています。
第3ステップ
ここからは2030年以降の目標です。大きな目標として”生分解プラスチック”を使用した商品を開発することが挙げられます。”生分解プラスチック”とはどういったものかをカンタンに説明すると、土や海の中など自然界に生育する微生物が分解することができるプラスチックのことを指します。
“生分解プラスチック”を開発・商品化することで、リサイクルの負担も大幅に削減されますし、微生物により分解されるので、環境へのダメージも減らすことが可能となります。
“生分解プラスチック”はまだまだ開発途上の技術であるため、アディダスも明確な期限は設定しておりませんが、本ミッションを達成することでプラスチックごみの排出を大幅に削減できるだけでなく、海だけでなく自然界に破棄されるプラスチックが自然に分解されることになるので、海の豊さを守ることにつながるでしょう。
アディダスといえばもちろん靴 【アディダスからSDGsシューズ誕生】
2021.4.22、地球環境を考えるための日「EARTH DAY(アースデイ)」にて
「アディダス」はSDGs活動にふさわしい製品 “Ultraboost Made To Be Remade” の販売を開始しました。
この靴は、使用後に回収されたシューズを活用した100%再生可能な素材で作られています。
「アディダス」のランニングシューズのなかでも人気のシリーズ「Ultraboost(ウルトラブースト)」。
軽さや優れたクッショニング性&反発力などの機能を有し、スポーツの際の使用はもちろん、日常生活のなかでの履きやすさという点においても高い評価を得ています。そんな人気シリーズから新たに登場した「Ultraboost Made To Be Remade」。
これまでの靴は、接着剤などの使用によりリサイクルが難しいとされていましたが、「Ultraboost Made To Be Remade」は接着剤や染料が一切使用せず作成されているため、なんと100%再生可能。まさにエコ中のエコなのです!
履き古し不要になった靴を「アディダス」にリサイクルに出すことで、新しい「Ultraboost Made To Be Remade」が生産されるという、まさにSDGs。環境問題を考慮した画期的な取り組みとなっているのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は、「プラスチックごみゼロを目指すアディダスのSDGsの取り組み」と「アディダスからSDGsシューズ誕生」を順番に説明いたしました。
アディダスがSDGsという観点で、さまざまな取り組みを実施し、環境に考慮した企業活動を実施していることを理解いただけたかと存じます。
本記事を通じてアディダスのSDGsに関する取り組み内容をご理解いただけること、また本記事があなた自身や御社がSDGsに関する活動に取り組む際の手助けとなれば幸いです。