東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに設立された学生団体おりがみ。ボランティアとしてオリンピックに関わる機会を持てなかった多くの学生たちの想いから始まった当団体は、現在では共生社会の実現を目指して多岐にわたるボランティア活動を展開しています。
団体の成り立ちから現在の活動について、学生団体おりがみ副代表で東洋大学4年生の土谷さんと、環境チーム所属で千葉商科大学3年生の島田さんにお話を聞きました。
「学生団体おりがみ」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
団体設立は2014年です。東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに設立されました。
当時、オリンピック・パラリンピックに関わりたい人は沢山いましたが、ボランティア募集時に定員が設けられていて、定員オーバーで関われない人も多く生まれてしまっていました。そんな状況がもったいないと考え、ボランティアに関われる機会をつくるために、学生団体おりがみを設立しました。
―団体のビジョン・ミッションがあれば教えてください。
当時、東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに設立されましたが、東京オリンピック・パラリンピックが終わった現在は、設立時の活動から、より広い分野にシフトしながら活動領域を広げています。
具体的には環境、福祉、スポーツ、文化、教育、国際という6つの分野の社会課題をメンバーそれぞれが考察し、ボランティア活動を通じて解決に取り組んでいます。
我々のビジョンは「共生社会」を目指しており、「競争社会」ではなく「共生」を重視しています。「おもしろそう!から始まる共生社会」を目指して活動しています。
―「共生社会」というビジョンはどのような経緯で生まれたのでしょうか?
オリンピック・パラリンピックが終わった後の方向性を模索する中、ボランティアという形でどのような活動を進めるか考えた結果、競争よりも共生を重視する方針として「共生社会」のビジョンが生まれました。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
学生団体おりがみの環境チームでは、幕張でのビーチクリーン活動や江戸川でのゴミ拾い、キャンドルナイトの運営サポート、エコメッセちばでのユース企画などの活動を主に行っています。
ビーチクリーン活動は、毎月第2土曜日に行っており、Aqua Dream ProjectというNPO法人と共同で実施しています。毎月100名から200名の方が参加し、単にゴミを拾うだけではなく、日本赤十字の方にゲストスピーカーとして登壇してもらったり、マイクロプラスチックを使ったアート作品制作の体験会など、毎回面白い企画を考えてイベントを行っています。
江戸川でのゴミ拾いは毎月第3土曜日に行っています。参加メンバーは学生団体やNPO法人の方がメインで、現在は4つの学生団体が毎月参加しています。今後はもっと多くの団体や一般の大学生などにも参加してもらえるように、周知の方法などを工夫していきたいと考えています。
―現在のメンバー数と組織構成を教えてください。
学生団体おりがみに登録している学生はトータル200名以上です。その中で分野ごとに、環境、福祉、スポーツ、文化、教育、国際の6チームが分かれていて、僕たちの環境チームは60名ほどの学生が所属しています。
―団体に入会する学生の主な志望動機はどんなことが挙げられますか?
新歓時期を中心に入会希望者を募りますが、多くの大学1年生はエネルギーが溢れていて、何か新しいことを始めたいという学生が多いです。
また、友達を作るためや大学生活を楽しむためにコミュニティに所属する学生もたくさんいます。私自身は、おりがみのイベントに参加して新しい挑戦をしたくなりました。また、ボランティアにも興味があり、活動に参加することにしました。
―活動を行う中でのやりがいや、反対に大変なことを教えてください。
企画を成功させた際の達成感や、環境問題への活動を通じて人と人が繋がっていくことにやりがいを感じます。
一方で大変なことは、企画の立案時には多くの話し合いが必要となり、全員が最初からスムーズに進めるわけではないので、その辺りの効率性など団体運営の面で課題に感じることが多々あります。
―他団体と違う何かユニークな特徴があれば教えてください。
すでに外部で企画がある状態で参加する側のボランティアも行っていますが、先ほど述べたビーチクリーン活動や江戸川でのゴミ拾いなど、自らが課題を考え企画する側としてのボランティア活動も行っています。
おりがみが取り組む6つの分野にて、我々の活動は単に参加するだけではなく、企画するボランティアとして、若者が主体的に活動を創出することを意識しています。
今後の展望
―今後の活動予定や方針などありましたら教えてください。
環境チームとして、幕張でのビーチクリーン活動や江戸川でのゴミ拾いは継続して行い、もっと参加人数を増やして活動規模を大きくしていきたいと思っています。
あとは、環境活動に対するアイデアコンテストなど定期的に外部で開催されているので、そういったイベントにも積極的に参加したり、企業や自治体との連携も強化していきたいですね。
―最後にどのような学生に学生団体おりがみに入ってもらいたいですか?
ボランティア活動に一歩踏み出せない学生や、何かやりたいけど何をやればいいかわからないという学生にぜひ参加してほしいと考えています。
環境活動って聞くとちょっと参加のハードルを高く感じてしまうのかなって思うのですが、今は環境活動にあまり目を向けてない人も、たとえば江戸川ゴミ拾い活動で川辺の美しい景色を見てリフレッシュできたり、友達を作る目的でも、理由はなんでも良いので、気軽に参加してほしいと思っています。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
▼ 今回活動をご紹介した学生団体おりがみのホームページはこちら
https://origami-vol.or.jp/student/