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SOCIETY

アンコンシャスバイアスとは?概要や具体例を徹底解説!

多様性に関する考え方が広く浸透してきた昨今、「アンコンシャスバイアス」について取り上げられることが増えています。

人は、誰しも根拠のない思い込みを持っているものです。
そのため、気がつかないうちに誰かを傷つけたり、チームワークを乱したりすることも少なくありません。
こうしたトラブルを避け、誰もが生き生きと働き、生活を送るためにはアンコンシャスバイアスについて知ることが大切です。

今回は、アンコンシャスバイアスの概要や具体例、対策について解説します。

アンコンシャスバイアスとは

アンコンシャスバイアスとは

アンコンシャスバイアスは、「無意識バイアス」とも言われ、日本語で訳すと「無意識の思い込み」や「無意識の偏見」といった意味になります。

誰しも、日常生活や仕事、人間関係において、悪気はなかったけれど相手を不快にさせた経験が少なからずあるでしょう。
例えば、「男らしくしなければ」とか「女なのに」と性別を基準にしたり、「若いのだから」と年齢で判断したりすることもアンコンシャスバイアスの一つです。

その他、「普通はこうでしょう」「前例がある」というように、過去の経験に基づいた物の見方をしてしまうこともアンコンシャスバイアスから起きる言動の可能性があります。

アンコンシャスバイアスのタイプ

アンコンシャスバイアスのタイプ

アンコンシャスバイアスには、さまざまな種類があります。
自分はアンコンシャスバイアスに該当しないと思っていても無意識下で起こることであり、知らずに誰かを傷つけていることも考えられるでしょう。
どのようなタイプがあるかを把握しておくと、自分のアンコンシャスバイアスに気が付きやすくなり、対策ができます。

中でも代表的なのが、次にあげる5パターンです。
それぞれの概要について見ていきましょう。

正常性バイアス

不測の事態や緊急時に、正確な判断をせずに正常範囲であると無意識で捉えることを「正常バイアス」といいます。
自分には関係ないと思い込み、平常心を保とうとするのが特徴です。

例えば、災害が起こっても「自分の家は大丈夫だ」と思い逃げ遅れるケースは、正常バイアスが働いたと考えられます。

集団同調性バイアス

集団に属しているときに、周囲の人と違う考えを持っていたとしても、多数に合わせてしまうことを「集団同調性バイアス」といいます。
例えば、コンプライアンスに反することやハラスメントが起きていたとしても、意見ができないような状況です。

集団同調性バイアスが起こると、少数派の意見が埋もれてしまい、組織全体がマンネリ化してしまいます。

ステレオタイプバイアス

性別や年齢、職業など、属性に対する先入観で物事を判断することを「ステレオタイプバイアス」といいます。
例えば、「男性は力強くなければならない」「団塊の世代は頭が固い」といった決めつけです。
一部の知識や根拠のない思い込みによって可能性の芽を摘み、多様性を否定することになります。

確証バイアス

自分が正しいと思う価値観や意見を証明する情報だけを信頼し、それ以外の情報や反対意見は排除することを「確証バイアス」といいます。

客観的な判断ができなくなり、本当に大切なポイントを見逃しかねません。

ハロー効果

好意を抱いた相手や親近感を感じた相手に関することに対して、すべてに高評価を与えることを「ハロー効果」といいます。

ハローは、英語で「後光(halo)」の意味を持つため「後光効果」とも表され、例えば採用時に学歴や経歴に影響されて、正しい判断ができなくなることもハロー効果の一つです。

アンコンシャスバイアスの取り組み例

アンコンシャスバイアスの取り組み例

アンコンシャスバイアスは、個人間だけではなく組織にも悪い影響を与えてしまいます。
固定観念や先入観によって、企業の成長を妨げることも多いでしょう。

職場の人間関係や環境が悪くなれば、優秀な人材を得ることができません。
こうした状況を踏まえて、国内外の企業においても関心が高まっています。

続いては、企業が行なっているアンコンシャスバイアスへの取り組みを見ていきましょう。

NTT西日本

NTT西日本では、アンコンシャスバイアスを払拭するために、ダイバーシティ推進ビジョンを行なっています。
社員一人ひとりが価値観や能力の違いを認め、業務や経営に生かすことが目的です。

またその結果、ユーザーや地域を含む全ての人の「Well-being(幸せ)」に貢献することを目標としています。

参照元:ダイバーシティの推進|NTT西日本

Google

Googleでは、2013年から社員と経営陣を対象とした「Unconscious Bias @ Work」という研修を行なっています。

また、アンコンシャスバイアスに関するツールの開発も行い、無意識下の偏見を排除するための教育活動も始めました。

参照元:無意識の偏見に意識を向ける|Google

Microsoft

Microsoftでは、2015年からアンコンシャスバイアスに関するオンラインレッスン「eLesson」を導入しています。

経営者から従業員前、全てのスタッフが「eLesson」を使ってアンコンシャスバイアスの確認ができるシステムです。

参照元:Learn and refrect|Microsoft

個人でもできるアンコンシャスバイアスへの取り組み

個人でもできるアンコンシャスバイアスへの取り組み

アンコンシャスバイアスへの取り組みは、企業だけではなく個人でも十分に可能です。

まずは、自分自身のアンコンシャスバイアスに気づくことから始まります。
自分では日頃から意識して平等に扱っているつもりでも、意外と思い込みがあったり、相手に押し付けていたりするケースも少なくありません。
それくらいアンコンシャスバイアスは、よくあることであり、誰にでも起こります。

自分を客観的に見て、固定観念で判断していることはないか振り返ってみましょう。
アンコンシャスバイアスがあると認めたら、コミュニケーションの取り方を変えやすくなります。

まとめ

まとめ

アンコンシャスバイアスは、幅広く種類があり、誰にでも起こりうることです。
幼少期から積み重なった知識や考え方、思い込みは、すぐに変わるものでもありません。
しかし放置してしまえば、人間関係がスムーズにいかなくなり、仕事にも影響が及びます。

まずは、個人個人が自分のアンコンシャスバイアスに気づくことが大切です。
人間は、100人いれば100通りの考え方、生き方があります。
こうした多様性を受け入れ、一人一人がアンコンシャスバイアスを意識することで、社会全体が全ての人にとって暮らしやすい環境になるでしょう。

  • 記事を書いたライター
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