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日本の風力発電はどれくらい進んでいる?カーボンニュートラルに向けて現状を知ろう

脱炭素社会を目指して、世界的に再生可能エネルギーへの導入が進んでいます。
日本でも、2050年までに温室効果ガスの排出量を全体として0にする「カーボンニュートラル」を目指すという政府の発表がありました。

とはいえ、日本における再生可能エネルギーの導入はなかなか進まず、欧米の多くの国では自然エネルギーが年間発電電力量の4割以上を達成しているのに対して、日本は2020年度の時点で約2割と大きく遅れをとっています。

再生可能エネルギーのなかでも近年注目されている風力発電ですが、日本では一体どの程度導入が進んでいるのでしょうか。

他の国や他のエネルギーとの比較もあわせて、現状を見ていきたいと思います。

世界の風力発電ランキング―日本は何位?

世界の風力発電ランキング―日本は何位?

世界の風力発電ランキングでは、日本の風力発電設備容量は一体どのくらいの位置づけなのでしょうか?
以下は2020年の風力発電設備容量の国別ランキングです。

【2020年の風力発電設備容量 国別ランキング】
1.中国 281,993(単位:MW)
2.アメリカ 117,744
3.ドイツ 62,184
4.インド 38,559
5.スペイン 27,089
・・・
21. 日本 4,206

世界の風力発電設備容量を国別にみてみると、中国、欧米、インドが上位を占めます。
今後も洋上風力の大きなプロジェクトがいくつも予定されるなど、新規施設導入が進むと考えられます。

日本は海外が先行してきた風力発電を追随する位置から抜け出せていませんが、地理的制約をカバーする技術も生まれ、今後導入は確実に増えていくと予測されています。

日本の電力量に対する各エネルギーの割合は?

日本の電力量に対する各エネルギーの割合は?

では現在、日本で使用されている電気はどのようにつくられたものなのでしょうか。

エネルギーの種類で分類した発電設備の割合(電源構成)の一覧(2020年度)は以下のようになっています。

LNG(液化天然ガス)35.9%
石炭26.7%
石油2.3%
その他火力10.2%
原子力3.7%
水力7.8%
太陽光8.9%
風力0.9%
地熱0.3%
バイオマス3.4%

参照元:【速報】国内の2020年度の自然エネルギー電力の割合と導入状況|環境エネルギー政策研究所

石炭や石油などのいわゆる化石燃料が年々減少しているのに対し、風力を含む自然エネルギーの割合は2014年から年々増加し20%以上に達しています。

風力発電をみると、2019年度から1年間で10%程度増えています。

日本における風力発電の現状は?

日本における風力発電の現状は?

日本初の大型風力発電プラントが三宅島に創設されたのが、1981年。
2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入され、再生可能エネルギーの導入拡大が進んだものの、日本では太陽光発電が主となり、風力発電はなかなか広がりをみせませんでした。

世界に比べ、日本で風力発電の導入が進まない大きな理由は、立地や気象条件の制約にあります。

陸上に発電機を設置する場合、国土の狭い日本では近隣住民との調整や、立地のための規制に対応することが必要となり、設置に時間がかかってしまいます。

また、起伏が激しい日本の複雑な地形では乱気流や台風、雷が頻繁に発生するため、安定的に風力発電機を稼働することが比較的難しいのです。

NEDOが発表した2018年の日本における風力発電機の総数は、2253機。
この10年間で約1.5倍の数に増えています。

今後は世界的な潮流もあいまって、日本でも洋上風力発電の導入が進むと考えられます。

これからの日本の風力発電はどうなる?

これからの日本の風力発電はどうなる?

上記で述べたように、これからの日本では洋上風力発電の導入が積極的に進められるでしょう。

ここでは、洋上風力発電への期待や課題について詳しくみていきましょう。

洋上風力発電への期待

これまで日本の風力発電機は陸上型がほとんどでしたが、2019年の「再エネ海域利用法」の施行により、今後多くの洋上風力発電所の設置が見込まれています。
日本の国土の広さや気象条件の制約を乗り越える手段として、洋上風力発電に多くの期待が寄せられているのです。

政府は、2030年までに1000万KW、2040年には原発45基分となる最大4500万KWの洋上風力発電量を目標に掲げました。

洋上風力発電のメリットのひとつは、陸上型より設備を大型化できるため、大量の発電力が期待できることです。
陸上型の2倍羽根の長さをもつ風車が、洋上に設置できるといいます。

また、海上では比較的風況がよく、安定的な電力供給が望めることも利点として挙げられます。

洋上風力発電の課題

一方で、洋上風力発電は陸上に比べてコストが高いことや、送電線・基地となる港湾などのインフラ整備が課題となります。
また、特定の海域を占有することについてのルール作りや、先行して漁業を行う利用者との調整なども必須です。
現在は洋上発電プラントを輸入に頼っている日本にとっては、長期的に部品などの自己調達力をつけることも必要でしょう。

遠浅の海域が少なく、海底に支柱を固定する「着床型」が採用しにくいことも、日本での洋上風力発電導入が遅れた原因とされています。
沖合に風車を浮かせ係留する「浮体式」を導入することで、今後さらに風力発電機設置の増加が期待されています。

参照元:「洋上風力発電の未来~発電施設取材から見えた現状と課題~」|Bizスクエア|BS-TBS|2021年10月31日放送

まとめ:日本の風力発電の将来

まとめ:日本の風力発電の将来

これまでみてきたように、日本における風力発電の鍵を握るのは洋上型だといえるでしょう。

「2040年までに最大4500万KWの洋上風力発電を導入する」という目標のもと、日本では現在「環境アセスメント(環境への影響を調査し予測・評価すること)」手続き中の洋上風力発電の案件が約540万KWに達し、企業が積極的に事業参入を進めています。

まとめ:日本の風力発電の将来
参照元:日本でも、海の上の風力発電を拡大するために|資源エネルギー庁 経済産業省

2016年に他に先立って国内で初めて実用化し、すでに商用運転を始めているのが、長崎県五島市の浮体式洋上風力発電「はえんかぜ」です。
ここでは新技術や地域との共生など、洋上風力発電のさらなる導入に向けた様々な試みが行われています。

海に囲まれた日本の洋上風力発電は、日本の総消費電力2倍のポテンシャルがあるともいわれています。
SDGsが掲げる「サステナブルな社会」の実現に向けて、風力発電の利活用の促進が期待されます。

参照元:エネルギー省ウェブサイト

  • 記事を書いたライター
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ICU卒業後、出版社にて女性誌の編集・ライティングに約10年間従事。その後NPOや財団法人で機関誌の編集・執筆を担当するなかで、社会貢献・慈善活動についての知見を深める。米・ペンシルバニアに滞在経験があり、現地の人々の寄付活動の熱心さに感銘を受ける。得意分野は、SDGs、多様性、フィランソロピー。

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