近年、少しずつ認知度が上がってきているSDGs。
しかしSDGsを構成する「5つのP」については、詳しく知らない人も多いかもしれませんね。
SDGsは、具体的な行動計画について言及している「2030アジェンダ」という文書の一部であることをご存知でしょうか。
実は、今回のテーマである「5つのP」は、この2030アジェンダを形作るものであり、SDGsを理解するうえで欠かせないキーワードです。
本記事では5つのPとは何か、またそれぞれ「P」の意味について解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
SDGsを構成する5つのPとは?
5つのPとは、「People(人)」「Prosperity(豊かさ)」「Planet(地球)」「Peace(平和)」「Partnership(パートナーシップ)」の頭文字を取ったものです。
SDGsには17の目標が設定されていますが、それらはこの「5つのP」に基づいて構成されています。
つまり、一見SDGsの目標は1つ1つ定められているように見えても、本当は全て繋がっているということ。
5つのPのそれぞれの意味を把握しておくと、SDGsについて一層理解が深まりますよ。
先に「2030アジェンダ」について簡単に触れておきましょう。
そもそも「2030アジェンダ」とは何か?
2030アジェンダとは、2015年9月の「国連持続可能な開発サミット」で採択された、持続可能な世界を実現するための行動計画です。
2030アジェンダは、5つのPの要素をベースに定められています。
その中で掲げられている目標が、私たちが認識している「持続可能な開発目標(SDGs)」です。
それぞれの「P」を順番に見ていきましょう。
1つ目のP:People(人)
1つ目のPは「People(人)」です。
PeopleはSDGsの目標1〜6と関係しており、「人間を守ること」を意味しています。
医療を受ける、学校に通う、衛生的に安全な水が飲める、毎日食事ができる……。
これらは、どんな国であっても、誰であっても生活を営む上で欠かせないもの。
しかし、世界には未だに医療や教育を受けられない、安全な水が飲めない、1日の食事が確保できない人々が多く存在しているのです。
1つ目のP:Peopleは、「誰一人取り残さない」というSDGsの理念に則り、地球上の全ての人が人間としての尊厳を持ち、健全な環境のもとに生活をすることを目指しています。
2つ目のP:Prosperity(豊かさ)
2つ目の「P」は「Prosperity(豊かさ)」です。
SDGsの目標7〜11と関係しており、「繁栄」を意味しています。
具体的には、人間として最低限の生活を送れること、そして人々の働き方や不平等をなくすこと、どの地域に住んでいても、豊かに安心して暮らせる環境を整えることなどが挙げられるでしょう。
また、“豊かさ”は再生可能エネルギーの発展や環境に優しい技術・生産方法を積極的に取り入れることでも生み出せます。
2つ目のP:Prosperityは、自然や環境と調和した経済や社会の実現、および技術の発展を目指しています。
3つ目のP:Planet(地球)
3つ目は「Planet(地球)」の「P」です。
SDGsの目標12〜15と関係しており、「地球を守ること」を意味しています。
昨今、気候変動により異常気象や自然災害、干ばつがもたらされ、天然資源の減少、動植物の絶滅の危機なども問題視されています。
そして、これらの原因を作り出しているのは、悲しいことに私たち人間です。
3つ目のP:Planetは、人々が地球上に存在する環境問題に取り組み、地球を破壊から守ることで、次世代へ引き継いでいくことを目指しています。
4つ目のP:Peace(平和)
4つ目は「Peace(平和)」です。
SDGsの目標16と関係しており、「平和の実現」を意味しています。
現代においても、暴力や人身売買、紛争などは世界各地で絶えず起きています。
日本で生活していると、つい他人事のように感じられてしまいますが、4つ目のP:Peaceを達成するためには、地球で暮らす人々が一丸となって、平和を脅かす事柄を排除していかなければなりません。
5つ目のP:Partnership(パートナーシップ)
最後の「P」は「Partnership(パートナーシップ)」です。
SDGsの目標17と関係しており、「パートナーシップで実現すること」を意味しています。
開発途上国への支援や貧困問題など、世界中にはさまざまな課題が存在します。
5つ目のP:Partnershipは、政府や民間セクター、市民社会、国連機関を含むさまざまな関係者が協力し合い、解決していくことを目指します。
まとめ
今回は、5つのPの意味を詳しく解説しました。
SDGsの目標は数が多く、1つ1つ見ていくと意味が分かりにくい印象を受けるかもしれませんね。
しかし、SDGsの根本の考え方である「5つのP」の意味を知っておくと、点と点で見えていたものが、1本の延長線上にあるものだと感じられるのではないでしょうか。
5つのPは、私たちが生きていくうえで必ず向き合わなければならないキーワード。
「日本では関係ない」「私の生活には関係ない」とは思わずに、誰もが関心を持つべき事項と言えるでしょう。