味の素が行っているSDGsの取り組みを知っているでしょうか?
実は、SDGsは世界各国が取り組む目標ではなく、企業や団体でも自主的に取り組むことが可能です。
その中でも味の素は、世界から実績を評価され注目を浴びています。
この記事では、SDGsについて改めておさらいした上で、味の素のSDGsに対する取り組み4事例をご紹介するとともに、味の素のSDGsに対する取り組みから考える、私たちにできることを解説します。
味の素のSDGsの取り組みを知り、私たちにできることを考えましょう。
SDGsとは?
SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略です。
日本では、「持続可能な開発目標」と呼ばれています。
読み方は「エス・ディー・ジーズ」です。
SDGsは、2015年9月に国連サミットで決まったもので、国際加盟193ヶ国が2016年から2030年までに「17のゴール・169のターゲット」を達成するために掲げられた目標です。
17の目標と169のターゲットを2030年までに達成することはもちろんのこと、取り組みのゴールが「持続可能」であることも重要です。
そして最近では、この17の目標を掲げて独自の取り組みを行う企業や団体が増えてきています。
引用元:持続可能な開発目標(SDGs)とは|国際連合広報センター
味の素とSDGs
味の素は、2009年に※UNGC(国連グローバル・コンパクト)に参加を表明していて、SDGsに対する取り組みも積極的です。
ASV(Ajinomoto Group Shared Value)という独自の経営戦略を掲げていて、社会活動を通して地域・社会・経済を成長につなげることを目指しています。
2016年には「ASVアワード大賞」を受賞しており、味の素の取り組みが世界にも評価されています。
※SDGsが国際加盟193ヶ国が取り組む活動なのに対し、UNGCは各企業や団体が持続可能な成長を実現するために、自主的に取り組む活動のことです。
味の素のSDGsに対する取り組み4事例
本章では、味の素のSDGsに対する取り組み4つを解説します。
②ガーナでの栄養改善プロジェクト(目標2 飢餓をなくす)
③工場を3D化するPLANTAXIS®(目標8 働きがいも経済成長も)(目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう)
④生態調査で持続可能なカツオ漁(目標14 海の豊かさを守ろう)
これらの4つの取り組みを読み進めながら、私たちにできることを考えてみましょう。
①ベトナムの学校給食プロジェクト
現在ベトナムでは、日本のように栄養士制度が確立されていません。
そのため、農村部では栄養が不足している低身長・低体重の問題を抱えている子供が多く暮らしています。
反対に都市部では、肥満・高体重の子供が増加しています。
これらの栄養不良の問題を解決するために、味の素では2012年に「学校給食プロジェクト」を開始しました。
献立のメニューブックや食育教材の開発・配布、モデルキッチンの設置、献立メニュー開発用ソフトウェアの開発を進めてきました。
その結果2017年1月には、調理施設を有するベトナム全土の学校(3,880校)に味の素社が制作した献立メニュー開発用ソフトウェアの導入が決定し、取り組みが行われました。
また翌年2018年には、小学校の保護者向けに家庭用にリニューアルした献立作成用ソフトウェアを公開、ソフトウェアが使える環境を提供しています。
②ガーナとマラウイの栄養改善プロジェクト
ガーナでは離乳食を与える生後6ヶ月前後の栄養不足が原因で、発育不良や高い死亡率に悩まされてきました。
そこで2009年に味の素では、ガーナ共和国で乳幼児の栄養不足を改善するアミノ酸入りサプリメント「KOKO Plus」の製造・開発・販売をはじめました。
2016年から本格的に生産・販売を開始し、低身長や貧血の予防に効果があるとして提供が拡大しています。
また2015年からは、マラウイ共和国で栄養失調が原因で低身長・死亡する子供を助けるために、新たな栄養治療食(RUTF)を生産する取り組みが行われています。
2015年から栄養効果の試験がはじまっていて、早期の事業化に向けて開発が進んでいます。
③工場を3D化するPLANTAXIS®
味の素では、今後課題となる人手不足やノウハウを教える難しさをサブスクリプション型のビジネスモデルとして展開しています。
PLANTAXIS®は、工場のレイアウトや設備の形・寸法などあらゆるところをデータ化・3D化しています。
そのため、打ち合わせや出張、連絡を画面上で済ませることが可能になりました。
少ない労働力で働けることや手間がかかる作業の効率化から、味の素はイノベーションを革新しているといえます。
また、今後このような技術革新があらゆるところで起こっていくことが予想されます。
④生態調査で持続可能なカツオ漁
味の素の商品でもある「ほんだし®」は、カツオを原料としています。
かつては日本でしか捕れなかったカツオも、現在では世界的に消費されています。
しかし、国際的な資産管理が必要にもかかわらず、カツオの生体は分かっていませんでした。
そこで、味の素では2009年に「太平洋沿岸カツオ標識放流共同調査」を国の機関や大学などとともに行いました。
具体的には、カツオの体に記録型電子標識を付けて動きを調査する取り組みです。
この結果、日本近海におけるカツオの回遊経路が判明したため、カツオ漁にも大きな成果がありました。
また、カツオの生態調査をすることが結果的にSDGsが抱える目標14の「海の豊かさを守ろう」につながっているのです。
味の素のSDGsに対する取り組みから考える、私たちにできること
これまでは、味の素のSDGsに対する取り組みをみてきました。
では、今後私たちがSDGs目標に向けてできることはあるのでしょうか。
発展途上国に寄付をする
発展途上国では、深刻な地球温暖化に伴い、主なタンパク質源である作物が収穫できなくなっています。
事態がさらに悪化すると、発展途上国の多くの方がタンパク質不足に陥り、栄養失調・貧血に陥ります。
発展途上国の子どもたちを救うためにも、ユニセフなどの団体を通して寄付を行いましょう。
3,000円の寄付を行えば、栄養失調の子供を回復させる治療用ミルク164杯分を届けることができます。
また、5,000円の寄付を行えば、はしか、風疹、おたふく風邪の予防接種用ワクチン43回分に変えられます。
SDGsの掲げる目標は、国・企業だけが取り組む問題ではありません。
私たち一人ひとりが意識を持って取り組む姿勢を持つことが重要です。
まとめ
味の素では、SDGsの掲げる目標に向けてさまざまな取り組みを行っています。
まずは、世界や企業がどのような取り組みを行っているかを知ることが重要です。
そして発展途上国の現状やSDGsが掲げる目標やターゲットを日々意識することで、私たちにもできることを実際に行動に移すことができるでしょう。