コンピューターや電子機器の製造・販売を行っているNEC(日本電気株式会社)のSDGsに対する取り組みを知っていますか?
AI技術や最先端ICTを活用したNECの取り組みは世界から注目されていて、さまざまな社会問題の解決に役立っています。
この記事では、SDGsについて改めておさらいをした上で、企業がSDGsに取り組む理由、NECのSDGsに対する取り組み4事例、そして私たちができることについて詳しくご紹介いたします。
NECのSDGsに対する取り組みを知り、私たちにできることを考えましょう。
SDGsのおさらい
SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年に国連サミットで決まったもので「2030アジェンダ」に明記されている目標のことです。
2030年までに「17のゴール・169のターゲット」を達成するために、国際加盟193ヶ国がさまざまな政策に取り組んでいます。
そして最近では、この17の目標を掲げて独自の取り組みを行う企業や団体が増えてきています。
企業がSDGsに取り組む理由
企業がSDGsに取り組む理由は、ビジネスチャンス拡大と企業価値の向上、事業の持続的成長の確保です。
2019年に日経新聞が行った調査によるとSDGsに取り組んでいる企業の方が、そうでない企業と比べて自己資本利益(ROE)などが高い傾向にあると報告されています。
しかし、SDGsに取り組む企業が「社会的評価を受ける」「企業価値がある」といった考えは適切ではありません。
SDGsの目標はあくまでも、すべての組織・私たち一人ひとりの抱える問題です。
ですので、企業のビジネスチャンス拡大などは、結果的に付随したものと位置づけることが適切となります。
NECのSDGsに対する取り組み4事例
本章では、NECのSDGsに対する取り組み4事例を解説します。
②日本のデジタルホスピタル実現(目標3 全ての人に健康と福祉を)(目標8 働きがいも経済成長も)
③指紋認証技術(目標3 全ての人に健康と福祉を)(目標5 ジェンダー平等を実現しよう)(目標16 平和と公正を全ての人に)(目標17 パートナーシップで目標を達成しよう)
④カゴメのICTソリューション(目標12 つくる責任つかう責任)(目標13 気候変動に具滝的な対策を)
これらの4つの取り組みを読み進めながら、私たちにできることを考えてみましょう。
チリの給食プログラム
チリでは栄養の偏りが原因で、6歳以下の子供の3人に1人は肥満または過体重だといわれています。
そして、肥満が原因の生活習慣病により1時間に1人が死亡していて社会問題となっています。
そこでNECは、公立学校1,200校に専用端末を使用した指紋認証ができる給食配給管理システムを導入しました。
生徒個別の給食配給履歴を残すことにより、子どもたちの健康や栄養の管理をするためです。
これにより、生徒が確実に給食を配給され、肥満予防・改善につながっています。
日本のデジタルホスピタル実現
現在日本では、少子高齢化やコロナウイルスの影響で、医療現場の患者の増加、限られた人材と財源で問題を対処していくことが求められています。
そこでNECは、医療法人社団(KI)とともにAI技術を導入した、業務の効率化、医療の質向上に向けて取り組みを行ってきました。
AI技術導入で患者の高齢化に伴う症状の予知、看護師の看護記録業務の削減などを行い、大幅な業務時間の短縮と病院スタッフの仕事の緩和を実現しています。
指紋認証技術
世界にはワクチン接種を受けられなかったことが原因で、5歳の誕生日を迎えることなく亡くなってしまった子供が大勢います。
また、適切な予防接種を受けていない子供たちは1,990万人もいて、助かるはずだった子供たちも150万人に及びます。
しかし、ワクチン接種を受けるためには出生届や母子手帳などのIDが必要とされています。
そこでNECは、3社共同プロジェクトとして指紋認証技術を導入し、指紋を生体認証代わり(ID)にしました。
これにより、子供たち一人ひとりのワクチン接種記録を管理、効果的なタイミングでワクチン接種が可能になりました。
また、NECの指紋認証技術は40年の歴史を持ち、幼児指紋に関しても認証率99%と世界NO.1の精度を誇っています。
そして現在、長崎大学とNECが共同となって、ケニアをはじめとする発展途上国の身分証明の基盤(指紋認証技術)の拡大を進めています。
カゴメのICTソリューション
NECはカゴメ株式会社と契約を締結し、2020年4月からAI技術を駆使した営農支援事業をはじめました。
最新のセンサーや衛生写真により、トマトの生育状況や土壌の状態を現地で確認しなくても可視化できるようになりました。
これにより農家は、効果的に野菜を育てることで収穫量の安定化、業務の効率化、コスト削減が可能になりました。
また2019年にポルトガルで行われた営農実証実験では、窒素肥料は一般の約-20%の投入量でポルトガル全農家の平均量の約1.3倍となる、ヘクタール当たり127トンの収穫量を実現しています。
今後は欧州の顧客に向けて事業を展開し、日本での実用化に向けても動いていく見通しです。
SDGsにおいて私たちにできること
これまでは、NECのSDGsに対する取り組みをみてきました。
では、今後私たちがSDGs目標に向けてできることはあるのでしょうか。
SDGsについて発信する
現代では誰でもSNSを通じて、言葉を発信できる時代です。
しかし、SDGsの認知は広まりつつありますが、その実態は深く知られていないのが現状です。
まずは、私たち一人ひとりがSDGsについて知らない人に向けて発信していくことが重要になります。
興味や関心をもってもらうよりも、認知してもらうことの方が大切です。
エコバッグを利用する
レジ袋は2020年7月1日より、日本でも有料化がはじまりました。
この背景には、海洋汚染の深刻化があります。
今では海洋中の3分の1はプラスチック製品であり、プラスチックは海洋中で分解されないため、魚が多く体内に取り込んでしまいます。
魚は私たち人間にとっても大切な食べ物であり、守っていかなければいけない水産資源です。
海洋汚染を抑止するためにも、レジ袋の使用は止めましょう。
最近ではおしゃれなエコバッグも販売されているため、レジ袋を使用しない生活をはじめてみてください。
まとめ
NECのSDGsに対する取り組みは、最先端の技術や莫大な規模を有していて、私たちには到底真似できるものではありません。
しかし、目線を少し変えてみると私たちの身近にもSDGsにおいてできることはたくさんあります。
また、SNSは使い方を間違えると悪い方向にいってしまいますが、SDGsを知らない人に発信する行為は素晴らしいものです。
そして、レジ袋の廃止、エコバッグを利用することは日本だけでなく、世界各国が取り組んでいることなので、すべての組織・私たち一人ひとりが貢献している意識を持ちましょう。