複写機やレーザープリンターなどを製造・販売する富士フィルムホールディングスの子会社「富士ゼロックス株式会社(以下、富士ゼロックス)」。アジア・オセアニア、北米に事業展開している富士ゼロックスはSDGsにおいても取り組みも積極的です。
この記事では、SDGsについてから富士ゼロックスのSDGsにおいての取り組みまで解説します。最後には、私たちにできるSDGsの取り組みも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
SDGsとは?
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で日本では持続可能な開発目標と呼びます。2015年9月に国連サミットで採択されたもので、2001年に策定されたMDGs(ミレニアム開発目標)の後継です。
SDGsは国際加盟193カ国が2015年から2030年までに世界を持続可能にするとして、世界で取り組みが行われています。また、17の目標と169のターゲットから構成され、発展途上国だけでなく、先進国が率先して行動して問題を解決していかなければなりません。
具体的な目標としては、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」「働きがいも経済成長も」「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」などがあります。
さまざまなトピックに取り組み、改善していくことで持続可能な社会を実現していくとされています。
富士ゼロックス会社概要
会社名 | 富士ゼロックス株式会社(Fuji Xerox Co., Ltd.) |
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本社 | 東京都港区赤坂九丁目7番3号 |
創立 | 1962年(昭和37年)2月20日 |
資本金 | 200億円 |
従業員数 | 39,483名(2019年3月期 連結)/7,291名(2019年3月期 単独) |
売上高 | 1兆56億円(2019年3月期) |
※公式サイトより
事務機器などを製造・販売する富士ゼロックス株式会社は、2021年4月より「富士フィルムビジネスイノベーション」として新たにスタートしています。
今後は、新たな自社ブランドを展開していくことでしょう。
富士ゼロックスが掲げるCSR推進体制とは?
富士ゼロックスのCSR※部は親会社でもある富士フィルムホールディングスと連携して、CSRに取り組んできました。具体的には、「ストラテジー」「オペレーション」「コミュニケーションズ」の3つになります。
これらは、SDGsが掲げる目標8「働きがいも経済成長も」に関連するとして、富士ゼロックスが最も注力していることです。
具体的な施策については、「働きがい」を提供し続ける企業 ―目標8を軸とした富士ゼロックスのサステナビリティ経営を参考にしてください。
※CSRとは、Corporate Social Responsibilityの略で、企業の社会的責任のことです。CSRは、SDGsよりも前に行われていた策定で、慈善活動を通して社会を良くしようという取り組みに対し、SDGsは、ビジネスを通して社会を良くしようという違いがあります。結果的には、同じ目的ですので、両立させることが可能です。
富士ゼロックスのSDGsの取り組み
ここでは、富士ゼロックスのSDGsにおいての取り組みを紹介します。先ほど解説したとおり、富士ゼロックスはSDGsが掲げる目標8「働きがいも経済成長も」に積極的に取り組んでいるので、その概要を詳しくみていきます。
具体的には、以下の2つです、
- 商品の資源循環システム
- 地方から出稼ぎで来ている若い従業員の育成
自身の会社や生活でも活かせることはないか、考えながら読み進めてみてください。
①商品の資源循環システム
富士ゼロックスは、「クローズド・ループ・システム」という、使用済み商品を廃棄するのではなく、資源として有効活用するというシステムを導入しています。
このシステムにより、埋立地に送られる廃棄物の削減に成功し、2010年には事業全体で99.5%の再資源化率を維持。日本だけでなく、台湾、中国、タイ、韓国、ニュージーランド、オーストラリアでシステム導入が進められています。
参照元:富士ゼロックス株式会社|取組事例
②地方から出稼ぎで来ている若い従業員の育成
富士ゼロックスの商品は90%が海外製品(中国・ベトナム)のため、労務問題や環境対応に課題があるとして、さまざまなトラブルが起きやすくなっておりました。
そこでSDGsの目標8とも関連しているCSR調達を導入し、取引先の経営者にCSR経営を実践していただくことで、持続可能な経営をしていくことを決意しました。
さらに、地方から出稼ぎで来ている若い従業員の育成が重要と考えた富士ゼロックスは、現地NGOの協力を得て、従業員支援プロジェクトを立ち上げました。
当社は若い従業員を対象にしていましたが、現在では管理職の方向けプログラムも提供。富士ゼロックスで働きがいを感じてもらうための取り組みを続けています。
私たちにできるSDGsの取り組み
ここでは、富士ゼロックスのSDGsにおいての取り組みから考える、私たちにできる取り組みを紹介します。具体的には以下の2つになります。
- 食べ物を残さない
- 食品を長持ちさせる
今後の私たちの生活にも関わる大きな問題ですので、きちんと確認しておきましょう。
①食べ物を残さない
世界の人口は2000年に約61億人、2050年には約96億人まで到達するとされています。現在では約8億人もの方が食べ物に困っていて、人口の増加とともに食料の需要も拡大し、2050年には約20億人の方が食料に困るとされています。
さらに、現在日本では年間646万トンもの食べられる食料が捨てられています。これでは、持続可能な社会とはほど遠く、排気におけるCO2の排出量の削減もできません。
これらの問題から私たちにできることは、食べ物を残さず食べきるということです。また、食材もむやみに買うのではなく、食べ切れる量を計算して廃棄を減らしていくことが大切になります。
②食品を長持ちさせる
先ほど述べた問題を踏まえた上で、食品を長持ちさせるということも重要です。まずは、「賞味期限」と「消費期限」の違いを明確にしておきましょう。
賞味期限は、食べることができない期限ではなく、美味しく食べることができない期限になります。そのため、食べられないわけではありません。一方で消費期限は、食べないほうがいい期限のことです。こちらも食べられないというわけではありませんが、体調の面も考慮して食べないほうが無難です。
この2つの意味を理解した上で、食べきる、食材を使い切るということを意識すると、廃棄物を減らすことができ、結果的にSDGsが掲げる目標12「つくる責任つかう責任」に貢献することになります。
まとめ
今回は、富士ゼロックスが取り組むSDGsにおいての取り組みを解説しました。現代では、働き方もダイバーシティーが当たり前となってきているので、社員のやりがいについても考える必要があります。
そんな社員のやりがいを改善しようと努力している富士ゼロックスは、これからの日本の働き方の参考になることでしょう。
また、私たちにできることで解説した、廃棄物を減らす取り組みは誰にでもできることなので、日々意識して行動していきましょう。