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干ばつがもたらす影響について暮らし・環境・経済の視点から考えてみよう

干ばつは深刻な被害をもたらす災害であり、特に発展途上国においてその影響は、暮らしや経済など多岐にわたります。

本記事では、干ばつがもたらす具体的な影響や、私たちにできる取り組みについてご紹介します。

日本から遠く離れた国で起こる干ばつという大きな災害に対して、私たちに何ができるのか。一緒に考えていきましょう。

干ばつの暮らしへの影響|飢餓と貧困、争い

暮らしへの影響|飢餓と貧困、争い

発展途上国において、干ばつが人々にもたらす影響は非常に大きく、命さえ危ぶまれます。

世界の飢餓人口は、およそ8億人。
その多くは、サハラ以南アフリカと南アジア地域に集中しています。

食料不足に苦しむ人の80%以上は、自然災害が起こりやすい土地で暮らしており、自然災害の影響で亡くなる人の半数以上は干ばつが原因とも言われています。
食料や収入源となる農作物は枯れ、生活水の確保さえ困難となることがその理由です。

苦労して手に入れた水も決して衛生的ではなく、年間30万人にもおよぶ乳幼児が命を落としています。

また、劣化した土地を離れて移住する人も大勢おり、移住先の土地の水資源や耕作地をめぐる争いも起こっています。

飢餓や貧困に苦しむ人々へ向けた、食料などの物資や医療などが国際的に支援されていますが、それだけでは根本的な解決には至りません。
SDGsに「飢餓をゼロに」という目標がありますが、期限である2030年も飢餓人口は6億6000万人にとどまるという予測もあります。

水資源の開発、森林保全、持続可能な農業など抜本的な支援が必要とされています。

干ばつの環境への影響|進行する砂漠化

環境への影響|進行する砂漠化

干ばつや人による環境破壊が原因で、砂漠化はすでに世界中で進行しています。

乾燥地は陸地のおよそ40%以上を占め、その10~20%は生産性を失っているという調査もあります。
世界の飢餓人口が8億人にものぼる上に、将来的な人口増加によりさらなる食料不足が懸念される中、農作物を栽培するための土地そのものが減り続けているのです。

また、砂漠化により木や草などの植物が減ると、大気中の二酸化炭素を吸収できる量も減り、地球温暖化に拍車をかけてしまいます。

温暖化が進むと気候変動により、干ばつや洪水などの自然災害が増えるという悪循環が起こってしまうのです。

参照元:世界の砂漠化|国際協力事業団(JICA)

干ばつの経済への影響|食料も電力も不足する

経済への影響|食料も電力も不足する

干ばつにより農作物などの収穫量が落ち込むと、農業を主産業としている国は経済的に大きな被害を受けます。

また、ダムの水位が下がり水力発電による発電量が減ることで、工場などへの電力供給も滞ります。
市民生活への影響も深刻で、食料不足・電力不足により食料品と電気料金は高騰し、失業の増加は消費の低迷を招きます。

2006年のオーストラリアでの大干ばつでは、小麦の生産量が前年比の60%減となり、輸入小麦の20%をオーストラリアに頼っていた日本でも影響が出ました。
干ばつなど自然災害での生産量低下に加え、食料や燃料として小麦の需要が国際的に増え、日本でも小麦を原料とした食品が値上がりしています。

2021年、ブラジルは100年ぶりの大干ばつに見舞われています。
電力供給の65%を水力発電に頼っている同国の中部と中西部のダムは干上がっており、停電が起きれば経済への打撃は避けられないでしょう。

参照元:ブラジル経済回復脅かすインフレと金利上昇|日経新聞

干ばつに対して私たちにできる取り組み

私たちにできる取り組み

私たち個人が、干ばつ被害に対して直接的な取り組みを行うのは難しいかもしれません。
しかし、飢餓や貧困に苦しむ人々を支援する団体や企業を通じて、彼らを支援できます。

例えばユニセフは、干ばつや紛争による食料不足からこどもの命を守るため、「アフリカ栄養危機緊急募金」を開設しています。
現地で対応する担当者は、「栄養不良は治療可能である」と語ります。

そのまま食べられる栄養治療食は、栄養失調児が回復するために必要な栄養素を手軽に提供できます。
ユニセフに限らず、国境なき医師団やWFP(国連世界食糧計画)なども寄付を受け付けています。

また、現地の状況や支援団体の活動を、SNSなどを活用して広めることも私たちが貢献できる方法のひとつです。

国境なき医師団は、支援者や参加者の増加につなげるため、SNSを通じての広報活動に力を入れています。
スマートフォンを使った情報共有は、片手で手軽にできる貢献です。

ぜひ、支援団体のSNSをフォローしてみてはいかがでしょうか。

まとめ|広く影響を及ぼす干ばつ

まとめ

干ばつは、その土地で暮らす人々の生活や経済、環境に広く影響を及ぼします。

私たちは、彼らの身に起きていることを人ごとと思ってはいけません。
遠い国で起きていることですが、同じ地球上で起きていることです。

また、日本は食料自給率が40%をきり、60%以上を海外からの輸入に頼っています。
懸念されている将来的な食料不足は、私たちの生活を直撃する可能性もあるのです。

SDGsの理念は、誰ひとり置き去りにしないことです。私たちもできることから始めてみませんか。

  • 記事を書いたライター
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三木めぐみ

専業主婦として家族の転勤で各地を転々とする中、転勤や長時間労働など「働き方」に疑問を感じる。育児との両立・働きやすさを考えた末、2020年にライターとして起業。 SDGsの理念「誰ひとり置き去りにしない」に感銘をうけたことが、SDGsの記事を書くきっかけとなった。

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