「同志社女子大学サステナブル研究会」は、学生中心の団体としてSDGsやフードドライブをテーマに活動している団体です。活動理念「SHARE」は正しい情報の共有を通じて社会にポジティブな影響をもたらすことを目指しています。
今回は、団体設立の経緯や具体的な活動内容、活動を通じての学びや気づきなど、当団体メンバーで同志社女子大学3年生の濱本さん、和田さんのお二人にMIRASUS編集部がお話を聞きました。
「同志社女子大学サステナブル研究会」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
同志社女子大学のLisa Rogers先生の授業のクラス生徒が中心となり、2021年に発足しました。当初、その授業の先生の勧めでフードバンク京田辺さんに学生何名かが所属し、活動をしていました。そして、そのメンバーが、「もっとこの活動を他の学生にも知って欲しい」と考え本学にサステナブル研究会を設立させたのが始まりです。
設立時は2年生と3年生がそれぞれ3名ずつ計6名で活動を開始し、そこから活動の幅を広げ、食の貧困・フードドライブに限定せず「私たちに出来ること」を模索しながら様々な取り組みを行っています。
Lisa Rogers先生は異文化理解学が専門で、ずっと顧問として私たちの活動をサポートしてくれています。
出典:https://www.dwc.doshisha.ac.jp/lab-mag/system/01/
―団体名の由来を教えてください。
サステナブルとは「持続可能な」という意味の形容詞で、SDGsをテーマに活動をしていること、またこの研究会が将来にわたって長く続けばいいなという思いから名付けました。
―団体のビジョン・ミッションを教えてください。
私たちは「SHARE」を理念に掲げています。
世界に蔓延る貧困問題とは、社会構造、宗教的な理由や性別など、多くの諸問題が複雑に絡まりあって生まれているものが多いです。残念ながら一学生団体には根本的な解決を促すための資金や影響力が足りないのです(諦めてはいません!)。
では私たちに何が出来るのか?そうして生まれたのが「SHARE」という価値観です。正しい情報を正しく発信することで、知識・情報の拡散を促そうとしています。一歩は小さいかもしれないけれど、着実に私たち研究会は、誰かを思いながら歩んでいます。
学生団体としてできることは限られていますが、知識をシェアすることで社会にポジティブな影響をもたらすと信じて活動をしています。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
SDGsに基づき、学内で様々なイベントを行っています。フードドライブでは、1週間食料品の寄付を募り、フードバンク京田辺さんへお渡ししています。
生理の貧困というテーマでは、生理用品の学内設置を目指し、情報の発信という点でパネル展を行っています。メンバーが生理やそれにまつわる貧困について勉強し、ポスター1枚にまとめ、それを展示しています。また、衣類の交換会も実施していて、こちらも本学学生に好評をいただいているイベントです。
―フードドライブの告知などはどのようにしていますか?
食料品を持ってきてもらうのに、ポスターやSNS、口コミなどで事前に告知を行っています。参加人数が多い授業の前に少し時間をいただき、生徒のみんなに私たちから直接告知することもあります。またフードドライブは1週間の期間行っているので、その間に活動を知ってくれて翌日以降に持ってきてくれる人もいます。
そもそもフードドライブとは何か知らないという学生もたくさんいますので、活動をわかりやすく伝える工夫をしながら、より多くの人に知ってもらうべく努力を重ねています。
―フードドライブはどのぐらいの頻度で行っていますか?
食品を扱うので梅雨や夏の暑い時期を避けながら、年に最低4回はフードドライブを開催できるように活動をしています。なお、フードドライブで集めるのは、主に缶詰やレトルト食品など、賞味期限が1ヶ月以上あるものになります。
―現在のメンバー数を教えてください。
4年生6人、3年生2人、2年生10人、1年生2人の合計20名です。やはり社会課題に対する関心の強いメンバーが多いです。それぞれテーマは違えど、「誰かのために」という気持ちを持っているところは共通していると思います。
団体活動の特徴とは?
―他団体と違う何かユニークな特徴があれば教えてください。
私たちの顧問は英語の先生なので、英語で会議をしたり、全部英語で外食したりするところでしょうか…(笑)SDGsや社会課題などに関するテーマで難しい単語も出てくるので大変です!
もちろん日本語も堪能な先生なので、完全に英語しか話さない!という訳ではありませんが、研究会の活動を通して英語力も身につく点がユニークかつ、私の推しポイントです。
―活動を行う中でのやりがいや、反対に大変なことを教えてください。
活動を通して、本学の学生から「知らなかったけど、今回とても勉強になった!」「今度フードドライブに寄付するね!」と声をかけてもらえることが私たちのやりがいとなっています。
元々、「同世代の学生にも活動を知って欲しい!」と発足した研究会であるため、身近な人たちの関心を引くことが出来た時には、やはりやっていて良かったと思えます。
一方で課題は、少ないメンバーでクオリティの高い活動を目指すという点です。基本的に楽しく活動出来ていますが、それぞれの担当する業務量は決して軽くはありません。ただ、全員が責任感を持って活動に挑めるメンバーだからこそ、ここまで活動を繋いでこれたのだと感じています。
―団体の活動で印象に残っているできごとはありますか?
大阪のなんばマルイという商業施設のスペースに出展させてもらったことがあり、そこでは普段話すことが少ない大学生以外の様々な年代の方とも直接交流する機会があり、とても印象に残っています。
具体的には、食品ロスの重さを体感するブースや、クイズを楽しむコーナー、さらには来場者に悩みを書いてもらい、それを集めて花束のような形にして見せるような体験型の展示も行いました。
―団体に入ってからの学びや気づきなどがあれば教えてください。
私は、このサステナブル研究会に入るまで、ボランティアに対してあまりいいイメージを持っていませんでした。正直、悪く言えば偽善者じゃないですけど、どこか自分が助けてあげているみたいなイメージが強かったのです。
でも、実際に活動に参加してみると、それは違いました。私たちは対等の立場で、互いに支え合っていると感じました。この気づきは、私にとって大きな学びです。
また、真の支援についての考えが変わりました。当初、多くの衣料品や食料などの物資を寄付することが支援と思っていました。しかし、研究会に参加して学ぶうちに、継続的な支援がより重要だと気づきました。
例えば、大量の物資を提供することは一時的にはできても、それを継続することは難しいです。この継続性というのは、SDGsを考える上で非常に重要なキーワードだと思います。
―最後に、今後の活動方針について教えてください。
今後は、2021年発足時から繋がれてきたフードドライブ活動をはじめ、積み上げてきたものを継続することを大切にしたいと思っています。研究会自体が大きくなってきたので、メンバーの興味に柔軟に寄り添えるような活動が出来たらいいなと思います。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
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