上智大学のキャンパス内には、さまざまなバックグラウンドを持つ教員と学生によって多文化と多様性が息づいています。しかし、その価値観や学生の心に秘めた情熱やアイデアを、もっと広く共有し、育て、広げる場が必要だと感じ、立ち上げたのが「TEDxSophia U」です。2020年に設立され、”Ideas for Others, Spreading with Others”をミッションに活動を行っています。今回は、TEDxSophia U代表で上智大学3年の吉野さんに、その設立の背景、ビジョン、そして具体的な活動内容について、MIRASUS編集部が聞きました。
「TEDxSophia U」設立の経緯
―団体の設立年、設立目的、立ち上げの経緯を教えてください。
2020年4月で、TEDxSophia Uは、現在社会人1年目の上智大学のOBOGによって創設されました。
上智大学は他の大学と比べて比較的小規模ながらも、キャンパスには9つの学部が集約し、多くの外国人や留学生が集まる多文化な環境です。しかし、その学生活動は十分に知られておらず、お互いの活動や心に秘めた思いを共有する場が少ないと感じていました。
そこで、そのような思いをもっと共有できる場を設けるべきという考えから、また、TEDの使命「広める価値のあるアイデア」を共有することに共感し、TEDxSophia Uの設立に至りました。
―団体のビジョン・ミッションを教えてください。
当団体のミッションは2023年春に決定しました。“Ideas for Others, Spreading with Others (アイデアを他者のために、他者とともに広め実践する)”をミッションに掲げています。
上智大学の教育理念”For Others, With Others (他者のために、他者とともに)”とTEDのミッション”Ideas worth spreading(広める価値あるアイデア)”には、自己と他者のために良い未来を創るという点で共通しています。
この両者が重なる部分を大いに参考にした上で、TEDxSophia Uのミッションを策定しました。
―今年の春に策定されたとのことでその前は他のものを掲げていたのですか?
いえ、設立時から過去3年間は明確にミッションというものが掲げられていませんでした。しかし、TED団体出身の外部の方からのアドバイスなどもいただく機会があり、団体メンバー内で改めて話し合い、やはり皆が共通で掲げるものがあったほうが良いということになり、今年になって初めて団体ミッションを策定することになりました。
―ミッションがあるとメンバー間の認識も違ってきますか?
やはりミッションがあることで、改めてなぜTEDの活動を上智大学で行うのか?というそもそもの大前提となる団体の活動目的についてメンバー間で共通認識を持てたり、1つ1つ目的意識を持ちながらそれぞれが活動できると思います。
具体的な活動内容
―現在の主な活動を教えてください。
TEDxSophia Uは、年に1回上智大学でTEDトークイベントを開催しています。観客にインスピレーションを与えるようなスピーチを提供するべく、約1年間かけて企画の立ち上げから登壇者の選定、広報、イベント実施まで幅広く準備と運営活動を行っています。
―現在のメンバー数と組織構成を教えてください。
総員29名の上智大生のみで構成されています。団体統括を行うオーガナイザーチーム、登壇者探しと原稿作りを行うスピーカーチーム、協賛企業を探すパートナーチーム、そしてSNS等の発信をするプロモーションの4チームに分かれ活動しています。 加えて、今年度の途中から、イベント時に使用する機材の調達や操作を担当するテックチームも結成しました。
―登壇者の選定基準などはあるのですか?
登壇者の選定には特定の基準や年齢制限はありません。社会人が登壇することもあれば、大学生が登壇することもあります。毎年変わりますが、今年は上智大学での開催意義を改めて考え、上智と繋がりを持つ方を選定させて頂きました。
―観客はどのような方が参加されるのですか?
上智大学の学生ももちろんいますが、他大学からも参加しています。社会人の方もいれば大学生もいて、あとは上智大学を志望してくれている高校生の方も参加しています。実は今のTEDxSophia Uの運営メンバーの中にも、当時高校生の時にTEDxSophia Uのイベントに観客として参加し、今一緒に活動をしてくれている者もいます。
―それはすごいですね!今年の開催はいつですか?
今年は12月17日(日)です。もう開催日が迫ってきているので、運営としては色々と準備に追われドタバタしているのですが、ぜひ観客の方に参加してよかったと思ってもらえるものを、今までの開催経験も活かしながら創り上げていきたいです。
団体活動の特徴とは?
―活動を行う中でのやりがいや、反対に大変なことを教えてください。
やりがいは、たくさんの観客の方がTEDxSophia Uのイベントに来場され、スピーチを楽しんで聞いていただけたときと、登壇者の方々が会場で自信を持ってトークをされている瞬間ですね。
あとは、私個人としては、中学1年生から高校卒業まで親の仕事の関係でオランダで生活していて、日本の文化祭のような大人数で一つのイベントに向けて準備するという経験があまりなく、1年間を通したこのTEDxSophia Uの運営活動自体にすごく魅力を感じています。
反対に大変なことは、今年の春から代表を務めて感じていることになりますが、メンバーのモチベーションの維持、向上や、先の計画まで事前にきちんと立てること、また各チームが問題なく活動を進められているかの進捗管理ですね。あとはやはり学生で社会人経験がないので協賛企業の獲得も、方法を探りながらで大変です。
―TEDxSophia Uの団体に加入するのはどんな入会理由が多いですか?
もともとTEDトークを観るのが好きという人や、高校生のときから英語学習のためにTEDトークをよく観ていたという人、あとは、高校で学園祭実行委員などイベント運営関係に携わっていて大学生活でもそういった活動をしたい、という動機から入会する学生が多いです。
―最後に、今後活動方針について教えてください。
まずは12月17日のTEDxSophia Uイベントを成功させることにメンバー一同全力で取り組んでいます。毎年開催し、今年は団体設立から第4回目の開催になりますが、そして今後は年1回のイベントに加えて、小規模なTEDトークイベントなども追加開催し、年に複数回イベント開催できるようにしたいと考えています。
―今回はお話を聞かせていただきありがとうございました。
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